イラストの背景に出てくる木や金属の質感が描けない……。そんなときは、仕上げにテクスチャの素材を使ってみましょう。
テクスチャを活用することで、簡単に質感を表現することができます。
今回は、テクスチャの基礎知識や、テクスチャの素材をダウンロードできるWebサイトをご紹介します。
この記事の目次
テクスチャの基礎知識
テクスチャとは何か?
イラスト制作で使用する「テクスチャ」とは、主に質感・パターン・模様が映っている画像のことを指します。
紙・コンクリート・金属などを近接撮影した写真や、ペイントソフトなどで作成した模様など、テクスチャには様々な種類があります。
テクスチャの使い方・メリット
- リアルな質感が表現できる
- 絵の情報量が増やせる
木や金属、服の繊維などのテクスチャを乗せることで、イラストの質感をリアルに表現することができます。
また、キャラクターの絵のタッチや雰囲気を作るために、テクスチャが使用されることもあります。
いずれの場合も、手軽に使えるのがテクスチャのメリットです。
テクスチャを使ってみよう
ペイントソフトのCLIP STUDIO PAINTを使って、立方体にテクスチャを貼って質感を出してみましょう。
解説ではCLIP STUDIO PAINTを使用していますが、他のペイントソフトでもテクスチャを使えます。
立方体には陰影がついており、三つの面はそれぞれレイヤー分けされています。
1.テクスチャのレイヤーを設定する
テクスチャの画像を読み込み、テクスチャを貼りたいレイヤーにクリッピングをします。
次に、テクスチャのレイヤーの合成モードを「乗算」や「オーバーレイ」などに変更しましょう。
合成モードを設定することで、立方体の陰影を保ちつつ、テクスチャの画像を乗せることができます。
今回は、乗算でテクスチャを乗せると暗くなりすぎてしまったので、オーバーレイに設定しています。
2.テクスチャを面に合わせる
[自由変形]の機能で、テクスチャを変形します。
立方体の面に合うように変形しましょう。
乗せる面の形によって、[メッシュ変形]なども使い分けてみてください。
3.他の面にもテクスチャを乗せる
同様の手順で、他の二つの面にもテクスチャを乗せます。
簡単に金属の質感を出すことができました。
実際のイラスト制作では、質感がリアルになりすぎないように、テクスチャの不透明度の調整や塗り足しをします。
テクスチャ素材のWebサイト7選
テクスチャ用の素材をダウンロードできるWebサイトをご紹介します。
※素材の利用規約は、Webサイトによって異なります。必ずWebサイトの利用規約を読んでから、素材をお使いください。
①フリーテクスチャ素材館
「フリーテクスチャ素材館」では、木材・石材・金属・紙・布などのテクスチャをダウンロードできます。
様々な種類のテクスチャが手に入るので、ぜひ活用してみてください。
②Paper-co
「Paper-co」は、紙や木、布のテクスチャをダウンロードできるWebサイトです。
特に紙のテクスチャの種類が多く、和紙や段ボールなどの質感の画像もあります。
③CLIP STUDIO ASSETS
「CLIP STUDIO ASSETS 」は、CLIP STUDIO PAINT用の素材を公開しているWebサイトです。
素材の数が多いので、「テクスチャ」などのキーワードで検索結果を絞ってみてください。
④texturelib
「texturelib」では、コンクリートやレンガ、地面など、様々なテクスチャをダウンロードできます。
自然を撮影したテクスチャも多く載せているWebサイトです。
⑤textures.com
「textures.com」は、海外でも人気のテクスチャ用のWebサイトです。
テクスチャをダウンロードするためには、会員登録をする必要があります。
また、無料会員は、一日のダウンロード数に制限があります。
イラスト用のテクスチャをお探しの場合は、画面左の「REGULAR PHOTOS」の項目から探してみてください。
⑥Bg-patterns
「Bg-patterns」は、模様やパターンの画像を公開しているWebサイトです。
模様・パターンは、キャラクターの服飾や背景などにオススメです。
⑦pixivなどのWebサイト
pixivやBOOTHでは、テクスチャ用の画像を公開している方もおられます。
イラスト用に使いやすいテクスチャも多いです。
テクスチャを使う前に、利用規約もしっかり確認しましょう。
イラスト制作でのテクスチャの使用例
イラスト制作でのテクスチャの使用例をご紹介します。
ガラスの質感を表現する
解説の記事では、ステンドグラスのザラザラとした質感を表現するために、テクスチャをオーバーレイで乗せています。
合成モードを使ってテクスチャを乗せる方法は汎用性が高いので、覚えておくと便利です。
月の凸凹を表現する
月の表面の陰影を表現するためにテクスチャを使っています。
テクスチャを貼ったときに質感がリアルすぎてしまう場合は、テクスチャの調整や塗り足しも必要です。
星空の色に深みを出す
星空を鮮やかにするために、様々なテクスチャをソフトライトやオーバーレイで乗せています。
テクスチャは複雑な模様で形成されているため、イラストの情報量を上げるのにも便利です。
レンガのムラを出すために、テクスチャ付きのブラシを使用する
レンガのムラを表現するために、テクスチャのついたカスタムブラシで色を塗っています。
Photoshop・クリスタ・SAIなどのペイントツールでカスタムブラシを作成する際に、個性的なタッチを出すためにテクスチャを使うことも多いです。
テクスチャの使い方が学べるWebサイト
お絵描き講座「パルミー」は、オンラインで絵の描き方が学べるWebサイトです。
パルミーの月謝制講座「CLIP STUDIOで作る!ブラシ・テクスチャ作成講座」では、テクスチャの使い方を動画で詳しく解説しています。
- テクスチャ素材の撮影の仕方
- テクスチャの配置・馴染ませの方法
- テクスチャを使って服のシワを描く手順
- カスタムブラシにテクスチャを使用する方法
イラスト制作でテクスチャを活用する方法を、基本から学ぶことができます。
CLIP STUDIO PAINTのカスタムブラシにテクスチャを使用することで、様々なタッチのイラストを描くことができます。
テクスチャの使い方をぜひ学んでみてください。
まとめ
テクスチャの基礎知識や、テクスチャの素材をダウンロードできるWebサイトのご紹介でした。
テクスチャを活用することで簡単に物の質感を表現することができ、絵の情報量も上げられます。
ご紹介したWebサイトでテクスチャを探して、イラスト制作に役立ててみてください。