色を重ねて置いていくことで、絵の立体感を表現できる「厚塗り」。厚塗りのイラストを制作する手順や、見栄えを良くするための仕上げ方法を知りたい!
そこで今回は、厚塗りメイキングをTwitterにまとめていらっしゃった、柴寅さんの解説イラストから、Photoshopを使用した厚塗りの工程を見てみましょう!
※この記事で紹介している内容はご本人の許可を得て掲載しています。
Twitter 「柴寅さん 厚塗りメイキング」厚塗りメイキング
人物・背景の塗り
Photoshopを使用した厚塗りメイキングです。
解説イラストの、3種類のブラシを使用しています。
「人物を背景にちゃんと馴染ませる」ことに重点を置いた、メイキングとなっております。
線画と色(グレースケール)を統合したデータしかなかったとのことです。
解説イラストに処理を加えていきます。
薄い黄色の背景を一番下に置いて、統合してしまったレイヤーの不透明度を下げます。
統合したレイヤーの上下に新規レイヤーを作成して、ぼんやり色を置いていきます。
レイヤーの状態は、下から、背景、色、統合したグレースケール・線画、色となっています。
色を塗る際は、ブラシの不透明度を下げて、キャンバス上で重色しつつ下地の黄色の上からベタ塗りで消し過ぎないように注意が必要とのことです。
背景込みで塗る場合、線も色も全て統合した後に、投げ縄ツールで人物と背景を分けてから、コピー&ペーストで人物の部分を複製します。
今回は、背景と人物の二枚のレイヤーで作業しているとのことです。
二枚のレイヤーを表示させた状態で作業します。
人物を描く際に輪郭が変化した分、下の背景レイヤーに描きっぱなしの人物の絵が出てしまうので、その都度、背景を描き足しています。
人物の仕上げ
描き終えた人物に、仕上げをしていきます。
人物の上に三枚の新規レイヤーを作成します。
一枚は通常レイヤーのハイライト、もう一枚は通常レイヤーのアホ毛と装飾、そしてもう一枚は、人物選択でマスクレイヤーを制作したものとなっています。
解説イラストの赤い矢印の箇所を、描いています。
また、オーバーレイで、それぞれ色味を足しています。
解説イラストの青い矢印の箇所を、描いています。
加工
人物の加筆も終えて、輪郭をぼんやり指先ツールでぼかした後、全てのレイヤーを統合します。(後に修正する可能性があるので、バックアップもとっているとのことです。)
仕上げの加工作業をします。
一番上に新規レイヤーを作成し、適当に肌の色をスポイトで取り、右斜め上からグラデーションをかけ、グロウ効果を作ります。
グロウに使う色は、彩度、明度、共に低めとのことです。
レイヤーの合成モードを、覆い焼き(リニア)加算レイヤーに変更し、不透明度を下げて調整します。
さらに、トーンカーブで全体の色味を微調整します。
青みが欲しかったので、青系統の色に近いトーンカーブに設定します。
無加工のイラスト、グロウ効果のみで加工したイラスト、グロウ効果とトーンカーブで加工したイラストを載せています。
塗りやグロウ効果などの加工により、キャラクターが背景に馴染んでいますね!
まとめ
厚塗りの制作工程や、仕上げの方法を知ることができました。人物を背景に馴染ませるためのポイントや、見栄えを良くするための加工方法をお探しの方は、柴寅さんの解説イラストを参考にしてみて下さい。
最後に、柴寅さんのTwitterをご紹介します。他にも素敵なイラストをご投稿していらっしゃいますので、ぜひご覧ください!
柴寅さんのTwitterはこちら