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アタリが上手く描けずに悩む方への処方箋!理想的な人体イラストのコツを教えます。
イラストが上手く描けない、上手くいかない原因も分からない…と、お悩みの方は多いと思います。
・目から描き始めていったら、顔や体のバランスがめちゃくちゃになってしまった。
・いきなり衣服や装飾品を描いていったら、体が歪んでしまった。
・アタリは描いているのに、完成したキャラがかっこよくならない。
・途中で良い絵にならない気がしてきて、完成を諦めてしまった。
これらは全て、イラスト制作で特に重要な"アタリ"の工程を飛ばしてしまったり、不安定なアタリを描いていることが原因であることが多いです。
絵の上手い人やプロの作画職の方は、目や装飾品などの細部を描く前に、顔や体の形や比率、目や顔の中心などの位置、キャラクターのポーズといった、"アタリ"という大枠の部分をしっかりと作っています。
土台がしっかりしているので、顔のパーツや衣服などを上から描く際も、迷ったり歪んだりすることなく描き進めることができます。
当講座で"アタリ"の取り方を学んで、しっかりとしたイラスト制作の土台を築き、クオリティの高いイラストを描けるようになりましょう!
アタリが苦手な人のありがちなミス
まず、アタリが上手く描けない人のありがちなパターンを見てみましょう。
顔のパーツのアタリを取っていないので、歪んだ顔になってしまう
目の位置や顔の中心線のアタリを取らないと、正しい位置にパーツが置けずに顔が歪んでしまいます。
人間の顔は、ほとんど左右対称に描かなければならない上に歪みが目立ちやすく、作画が難しい部分です。目のアタリをとっておらず、左右で高さがズレてしまった…。顔の中心線のアタリをとらなかったので、目・鼻・口の位置が分からない…。アタリという補助線がないと、顔のバランスが悪くなってしまいがちです。
アタリの顔と体の大きさのバランスが悪く、頭がやたら大きいキャラクターになってしまう
キャラクターが完成したものの、頭が大きすぎる…。
アタリの時点で頭を大きく描きすぎていたり、体を小さく描きすぎていると、髪や服、装飾品といった上から描き加えるものも同様に、バランスが悪くなってしまいます。
また、アタリを描かずに髪や服などを直接描き進めていっても、顔と体のバランスが悪くなりがちです
アタリで骨格や筋肉の凹凸が取れていないので、キャラを描き込んでもパッとしない
描いた本人はちゃんとアタリをとっているつもりでも、細部の骨の尖りや筋肉の盛り上がりがとれていない場合も多くあります。
体の微妙な凹凸を描き逃してしまうと、どこか丸っぽかったり、ふにゃっとしたアタリになってしまいます。人体のアタリが大雑把なので、上からキャラクターを描き込んでいってもパッとしない絵になってしまいます。
アタリの人体のパースがおかしいので、完成したキャラクターが背景と馴染まない
アタリの時点で人体のパースが間違っていると、服やベルト、靴といった、身につけている物も間違ったパースで描いてしまうことになります。
キャラクターを完成させても背景と馴染まず、キャラと背景が別の空間に存在しているような絵になってしまいます。
アナログとデジタル、アタリの違い
アナログのイラスト制作では、黒色の鉛筆でアタリを描いて別の用紙を上に乗せ、ライトボックスで下のアタリの用紙を透かしてラフを描き進めていきます。
一方、デジタルでイラストを制作する際には、アタリ用のレイヤーを作成してレイヤーの不透明度を下げ、別の新規レイヤーに髪や服などを上から描き込んでラフを作成します。
用紙とレイヤーの違いはありますが、アナログとデジタルとでアタリからラフを作成する手順や考え方は全く同じです。
また、橙色や水色といった薄い色の鉛筆などでアタリを描いて、黒色の鉛筆で髪や服を描き込む方法もあります。こちらの方法も、アナログとデジタルの両方で行うことができます。
アナログのイラスト制作とデジタルのイラスト制作では、アタリの描き方に違いはありません。
男性と女性、アタリの違い
男女間のシルエットの違い
デフォルメ(誇張や省略)を多用するイラストや漫画では、男女間の描き方の違いを知っておくことでキャラクターの特徴を表現しやすくなります。
解説例として、7頭身の男性・女性のアタリのイラストを載せています。
男性のアタリを描く際は、筋肉がつきやすいことを意識して角ばったシルエットで描くと、たくましい印象が出せます。女性は男性ほど筋肉が発達していないので、体全体で丸みを持たせて柔らかく描きましょう。
男性は直線的、女性は曲線的な線を意識して描いています。
男女間の体のパーツの違い
男女間では、上半身のあばら骨と下半身の骨盤の大きさが違うので、体の見え方もそれぞれ変わってきます。
男性のあばら骨は横に広いため、上半身が大きく見えます。女性は、あばら骨よりも骨盤の方が横に広いので、尻が上半身よりも大きく見えます。
また、男性はわき腹辺りの筋肉が発達しているのでウエストのくびれは目立っていませんが、女性のウエストはくびれが大きく目立っています。
ウエストとヘソの距離も男女間で違っており、男性のヘソはウエストから近い位置にありますが、女性のヘソはウエストから遠く、ウエストのくびれよりも下に位置しています。ヘソの形にも違いがあり、男性のヘソは横に伸びていますが、女性のヘソは縦に長く見えます。
人体のアタリの描き方
顔
正面顔、横顔のアタリの描き方
人間の顔は縦に長く、下部の顎に向かって面積が小さくなっています。顔の大まかな形は、玉子型から描くことを覚えておきましょう。
正面から顔を描く際には、顔のパーツをほぼ左右対称に描かなければ歪んで見えてしまいます。特に目は、キャラクターのパーツの中でも重要なポイントです。両目のラインに合わせて横線を引き、顔の真ん中の中心線に合わせて縦線を引いて、十字を切るようにアタリを描きます。解説イラストでは、分け目や、前髪との境目のアタリもとっています。
横顔は、目の位置から縦線を引いてアタリをとっておくと、目、鼻、口、顎の位置関係が分かりやすいです。鼻は目の位置から引いた縦線よりも大きく左に出ています。顎先は縦線のアタリとほぼ同じ位置にあります。
正面顔、横顔、共に目と鼻の高さから横方向にアタリを引いており、目の高さと鼻の高さの間に耳を描いています。顔の縦の長さの半分の位置に目、目と顎先の半分の位置に鼻がくるように描いています。
フカン、アオリのアタリの描き方
上から顔を見下ろすフカンのアングルでは、後頭部や額の面積を広く、顎先に向かうにつれて面積を狭くしています。目の位置は顔の半分よりも下になり、目より耳の方が高い位置にきています。
反対に、下から顔を見上げるアオリのアングルでは、額の面積を狭く、顎先に向かうにつれて面積を広くしています。目の位置は顔の半分よりも上になり、目より耳の方が低い位置にきています。
アオリの場合はフカンと違って後頭部が見えておらず、代わりに顎下の部分が見えています。
正面顔では、目は顔の半分の位置〜というようにアタリをとっていましたが、顔の角度が変わるにつれて、パーツの位置が変わってきます。正面、フカン、アオリでは、それぞれ顔のパーツの見える位置や、パーツ間の距離の比率が違うことを覚えておきましょう。
口のアタリの描き方
口を開ける、閉じる、歯や舌を出す…動きの多い口は動作ごとにポイントを覚えましょう。
犬歯を奥歯寄りに描くのは間違いで、前歯に近い位置に描きます。
口を大きく開くと、顎もつられて下の方へ動きます。
歯は上と下で大きさが違うので、揃ったりはしません。
舌は力を入れると尖り、力を抜くと丸く平たくなります。上アゴから舌を出さないように注意しましょう。
鼻のアタリの描き方
鼻はデフォルメの度合いによって描き方が変わります。鼻の輪郭の線を多めに表現してリアル寄りにしたり、鼻を点に近い線で表現してデフォルメを強くするのも良いです。
顔の中心の位置を意識して、好きな鼻の形を描きましょう。
耳のアタリの描き方
耳は斜めに付いていることを忘れないようにしましょう。
前方や側面からの角度の耳の形だけでなく、解説イラストのような斜め後ろ、真後ろでの耳の見え方も覚えておくと、顔の向きが変わる際も描きやすいです。
目
目のアタリの描き方
目は球体であることを意識します。特に横顔だと目の丸みが分かりやすく、黒目の部分や、眼球が隠れている上まつ毛の上部も、丸さを意識して曲線で描いています。
球体なので、目を下から見た時、上から見た時も丸く描きましょう。
閉じた目を描く際も、眼球が隠れていることを考えて、まつ毛の線や、まぶたの線は曲線を意識して描きます。
体
胴のアタリの描き方
右の解説イラストでは、まず最初に背骨のラインや肋のアタリ、肩幅や骨盤、体を曲げる際に重要になる空間など、胴を描くための目安を描いています。脚の付け根は上の方にあることに注意しましょう。
真ん中の解説イラストでは、背中にくっついているハンガーのような形をしている僧帽筋や胸のアタリを描いています。
乳首は胸の真ん中の位置ではなく、外側に描きましょう。腹筋の幅も意識しています。
左の解説イラストで、目安を元に肩や胴を描き込んでいます。
肩は首に対して直角についてはいないことに注意します。思ったより上にあるヘソの位置は、シックスパックの上から二個目辺りにあることを意識しましょう。
胴の動かし方、背中を描く際のポイント
体を大きくひねる際は、肩のラインと骨盤のラインの向いている方向が変わります。体を曲げる際は、目安の箱がこんにゃくのようになります。胴の動きは背骨のラインを意識すると分かりやすいです。
背中を描く際には、肩と連動して動く"肩甲骨"を表現しましょう。
肩を前に出した時はハの字に開き、肩を後ろに反らした時はギュッと閉じ、腕をあげた時は肩甲骨も上がります。
肩のアタリの描き方
解説イラストの赤印の範囲が肩の部分です。肩を上に動かしたり下に動かしたりしてみると、可動範囲が広いことが分かると思います。
左の解説イラストのように、肩と胴体をくっつけてアタリを考えてしまいがちです。右の解説イラストのように、肩は腕と仲が良いイメージでアタリをとった方が、腕の動きと連動させやすく、自然な体の形になります。
腕のアタリの描き方
腕のアタリをとる際は、パーツ分けをして考えましょう。解説イラストでは、肩、腕1(上腕)、腕2(前腕)、手と、四つのパーツに分けています。
重要なのは、どのパーツが手前にくるかということです。手前に位置するパーツ、奥に位置するパーツを考えて、立体感を出しましょう。肩が手前に見えたり、手が前に出ていたりと、ポーズや角度によって腕のパーツの位置関係が変わってきます。
腕の比率について
肩からヒジまでの長さとヒジから手首までの長さは、1:1で等しくなることを覚えておくと、腕のアタリが描きやすいです。腕を伸ばしても曲げても、手を前に出していても上腕と前腕の長さの比率は1:1になります。
解説イラストのように腕の角度が変わって見える場合は、上腕と前腕の長さの比率が1:1に見えません。横から見た場合は、やはり1:1の比率になっています。
手
手、指のアタリの描き方
手のアタリを描く際には、各指の比率、指の長さと手のひらの長さの比率を掴んでおくと描きやすいです。
人差し指と薬指はほぼ同じ長さ、小指の先端は薬指の関節とほぼ同じ位置、親指の先端は人差し指の関節の少し下に位置しています。親指の付け根から関節までの長さと、関節から親指の先端までの長さは等しくなっています。
手のひらの縦の長さは中指と同じ長さ、手のひらの横の長さは人差し指と同じ長さになっています。
各指と手の比率を覚えておけば、全体のバランスを崩すことなくアタリを描くことができます。
また、手の力を抜くと"く"の字に曲がって指先がバラバラに向く、人差し指から小指は上下によく動く、親指は上下左右によく動く、手を開いた時は水かきを描く…と、手や指の動き方や見え方も合わせて覚えておくと、形が変わりやすい手のアタリを描く際の指針になります。
手は人体の中でも特に複雑な部分なので、形が分からなくなったら自分の手を写真で撮って確認しましょう。手は写真が撮りやすい部位なので、資料を参考に絵を描く習慣をつける訓練にもなります。
手、指の役割
体の役割を考えることも、リアルで自然なアタリを描くための重要なポイントです。
物を持つための親指、親指の補助をする人差し指、親指と人差し指の補助をする中指と、指の役割を考えています。
指の役割を理解していると、自然な場所に指が描けるようになります。
「持つ」、「持ち上げる」時などは、手と指に力を入れるので、五本の指全ての面が揃います。
手の形を単純化してアタリをとる
形が複雑で上手くアタリがとれない…そんな時は、ひと塊に見えるものを記号化・単純化してしまいましょう。
握った手を前方から見た際に、人差し指から小指までの部分をひと塊としてまとめて考えています。各指の形などの細部は、後から描き込んでいきます。
単純な形でざっくりと大まかなアタリをとり、細かい部分のアタリを後から描いていく方法は、手に限らずあらゆる物を描く際にも使えるので覚えておきましょう。
下半身
下半身のアタリの描き方
腰、腿、膝、足にかけて、複雑な筋肉や関節の形を円柱と球体に置き換えてアタリをとっています。簡単な円柱や球体関節の形に、後から筋肉の盛り上がりや骨の出っ張りを描き加えています。
脚の付け根から膝の長さと膝から足首までの長さが等しいことを覚えておけば、バランスが崩れにくくなります。
解説は男性のイラストなので、お尻は固そうに描いています。膝裏はアルファベットの"H"を描くとそれっぽくなります。
下半身の可動領域を考える
体の中でよく動かす部位は、可動領域を覚えておきましょう。どこまで脚を動かすことができるのかを把握しておくと、骨折したような絵になるのを防げます。
しゃがむポーズを描く際は、膝の位置に注意します。膝を首の位置と同じ高さに描いてしまうと足長の人物となってしまうので、胸元の少し下辺りの位置に描くことを意識しましょう。
足
足のアタリの描き方
見映え優先で線の流れに沿って、パーツを乗せていきます。足のシルエットを描いた後、指を描き加えています。親指はピーン!と伸ばして、他の4本の指はくたっとさせましょう。
足のシルエットを描く際には、第1中足骨の部分を誇張して出っ張らせることを意識しましょう。
イラストや漫画は"デフォルメ"の絵なので、体のどの部分を誇張させるのかが重要になってきます。
足の甲の高さ、硬さ、骨っぽさを捉えましょう。
指先は丸く、付け根は隙間を作って骨の感じを出しています。
正面から見た足の描き方
足の土台を描いてから、手前に見える指の位置を描き込んでいます。足の指を正面から見た際には楕円形、円形に見えるので、丸みを意識してアタリをとりましょう。
親指から小指にかけて、じわっとすぼむように描いていきます。
ざっくりと形をとったアタリに細部を描き込んでいきます。
指の間の隙間を活かすように、指のつけ根を描いていきます。足首やかかとなどの奥のパーツを描き込み、爪の見え方にも変化をつけましょう。小指に向かうにつれて指が下向きになっているので、爪が見える範囲も広くなっています。
側面から見た足の描き方
側面から足を見た際には、土踏まずの凹みを誇張して形を描きます。
足先がどのくらい動くかが分からない場合は、自分の足で床を蹴り上げるポーズをとって確認してみましょう。
親指から小指に向かって、思い切ってすぼませましょう。指は思っているよりよく動きます。
足の甲の骨のラインはピーンと硬そうに輪郭を描きます。
足の裏も少し見えるように描くと、厚みを出せて立体的に見せることができます。
【番外】デフォルメキャラ
デフォルメキャラのアタリの描き方
デフォルメキャラクターのアタリは、頭身によって印象が大きく変わってきます。2頭身から3.5頭身辺りまでが、アニメやイラストでよく見かけるデフォルメキャラクターの頭身だと思います。
最初に頭身のガイドラインを引いておくと、頭と体のバランスが思っていた通りにならない…、という失敗を防ぐことができます。
解説イラストでは、2頭身、2.5頭身、3頭身のデフォルメキャラクターのアタリを載せています。2頭身の解説イラストでは首や上腿と下腿の境も省略して描いていませんが、3頭身の解説イラストでは首の形や膝の位置、胴のくびれを描いています。
デフォルメキャラのアタリを描く際には、頭身が低いほど、体の凹凸をより省略させると、それっぽくなることを覚えておきましょう。頭身を下げるほど顔のパーツも下に寄せて、幼さを出しています。
デフォルメキャラの体の比率について
デフォルメキャラのアタリをとる際も、通常の頭身の人体の比率を意識しましょう。
肩から肘までの長さと肘から手首までの長さは等しい、脚の付け根から膝までの長さと膝から足首までの長さは等しい、といった人体の比率を適用しています。
また、胴体のくびれとヒジは大体同じ位置にある、手は脚の付け根より少し下、といった基準も通常の頭身と同じです。
アタリを描く際は、通常の頭身の人体の凹凸を丸っこく、緩やかにさせることを意識してシルエットをとります。
ほほの丸みや、首から肩付近の僧帽筋や三角筋の形も、通常の頭身ほどではありませんが少し意識して線を引いています。上腕と前腕の境のヒジや、上腿と下腿の膝の形を少し残してメリハリを出しています。
デフォルメの程度は人それぞれなので、頭身や絵柄に合わせて、お好みで人体の形を誇張・省略をして、デフォルメキャラクターを表現していきましょう。
ポーズがつく場合のアタリの描き方
これまでは身体パーツごとにアタリを取る際に注意すべきことを学んできました。
次はポーズをとった際のアタリの描き方を解説します。
コントラポストを重視した立ち絵のアタリ
棒立ちの立ち姿以外を描く際は「コントラポスト」を意識しましょう。
コントラポストは片足に重心をかけることによって、「今にも動き出すような躍動感」や「ゆったりとした脱力感」を表現するポーズのことです。
・両肩を結んだ線と、両腰を結んだ線の角度が相反した方向に傾く
・肩と腰をつなぐ背骨のラインはS字の曲線を描く
・人体の重心は頭とへそをつないだライン上になるので、基本的にへそ直下が軸足になる
この3ポイントを意識すれば棒立ちからは卒業です!
前かがみ、座るポーズなど、様々なポーズのアタリ
コントラポストを使えば動きのあるポーズも描けるようになります。
人間が動くときは、大抵左右のどちらかに重心が移動しているので、少しコントラポストに沿って肩や腰に傾きを足して上げると途端にイラストの前後のアニメーションが想像できる躍動感のあるポーズとなります。
また重心が移動するということは筋肉が動くということなので、アタリを取る際は筋肉の伸び縮みに沿って輪郭を強調してあげると描きやすいかもしれません。
アタリを描く際は人体比率を意識しよう!
どんなポーズでも人体比率は固定されます。(手足が伸びたりはしない!)
ですので動きのあるポーズでも脇から肘の長さや、腰から膝の長さなどを意識するとアタリは描きやすいです。
※ただしイラストやアニメ・漫画では表現のために人体比率から外れた絵も存在します。
アタリを描く時は「肋骨」と「骨盤」を意識しよう
アタリのとり方で苦戦している人の多くが、胴体を一つのパーツと捉えてしまっています。
胴体のアタリに違和感がある人は、胴体を一つの長方体として捉え、それをコンニャクのように動かしています。
それによって肋骨や骨盤でしっかりと支えられた輪郭が表現できておらず、違和感がある人体となってしまします。
肋骨と骨盤を透かして人体を観ることができれば、一気に複雑なポーズのアタリを描けるようになります。
アタリの描き方でおすすめな本
デッサンドールで覚える ポージングデッサン入門
デッサン人形を見本に、「立つ」、「歩く」などの基本ポーズから、「椅子に座る」、「銃を構える」といった漫画などで頻繁に出てくるポーズまで、幅広いポージングのアタリの描き方を学べる技術書となっています。
デッサン人形の写真だけでなく、デッサン人形からキャラクターを作画した解説イラストも掲載されています。デッサン人形を元にしてどのようにキャラクターを描けばよいのかが分かるので、初心者の方にもオススメの内容です。
デジタルイラストの「身体」描き方事典 身体パーツの一つひとつをきちんとデッサンするための秘訣39
髪や目、手足など、体の部位ごとに、描く際のポイントを解説した技術書です。全身や手足の比率、肩や腕の筋肉の形、アタリの取り方など、イラストデッサンの基本を学ぶことができます。
人体の描き方以外にも、デジタルペイントツールの機能を使用したテクニックも多数紹介されており、こちらもイラスト初心者の方にオススメの内容になっております。
箱と円筒で描く モルフォ人体デッサン ミニシリーズ (モルフォ人体デッサンミニシリーズ)
人体の様々なポージングを、箱と円筒を用いた描き方で解説している技法書です。骨格や筋肉といった複雑な構造を、箱と円筒の単純な形に置き換えて解説しているので、アタリの取り方を分かりやすく学ぶことができます。
300点以上のクロッキー画が載っており、人体を細部まで表現したい方にオススメです。
まとめ
顔と体をバランスよく描く、かっこいいポーズでイラストを作成する、髪や服や装飾品の形を損なわずに描く、背景のパースに合うように人物を空間に配置する…見栄えの良いイラストになるかどうかは、キャラクター絵の土台であるアタリが上手く描けているかどうかにかかっていると言っても過言ではありません。
イラスト上級者はアタリの時点でクオリティが高いことが多く、自分で描いたアタリと比べてどこが違うのかを考えてみるのも、上達の近道だと思います。
アタリのバランスの取り方や人体の描き方を覚えてイラスト制作の基礎を固め、次の目標へとステップアップしていきましょう!