『絵を描くとなぜか体のバランスが悪くなってしまう』こんな悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。今回は体を上手く描けるようになるために意識しておくべきポイントをまとめてみました。この記事を参考に練習を繰り返し、上達していきましょう。
この記事の目次
バランスが良い体の描き方って?
バランスの良い体の描き方には順序があります。まずは何頭身にするかを決めて、次に体のパーツや四肢のサイズを揃えることで、バランスの良い体に仕上がります。
描く体が何頭身かを決める
体を描くときはまず、脇から股間までの1/2の場所に肘が、股間から足までの1/2の場所に膝がくるようにして、何頭身で描くかを設定しアタリを取ります。
このとき、頭の幅を1とすると、肩幅は倍の2にすることで全体のバランスが良くなります。女性は男性よりも肩幅が狭いので1.7~1.8程度で描きましょう。
ここまでは下準備ですが、体の構造を意識しながらアタリを取ると、後々修正すべき点が減り作業効率が上がります。
体や四肢のパーツの大きさを決める
ざっくりとアタリが取れたら、体や四肢のパーツの大きさを決めていきましょう。男性と女性では、筋肉のつき具合や、胸・くびれの有無、肩幅などさまざまな点が異なります。
まずは男性と女性の体の構造の違いを意識しながら、各パーツを描いていきましょう。
- 筋肉のつき具合
- 胸の有無
- くびれの有無
- 首の太さ
- おしりの膨らみ
- 肩幅
どちらの性別を描いているのか、その体の構造を考えながらアタリに補助線を付け加えたり、不要な部分は削ったりして体の構造を整えていきます。
ここまで作業が進めば、それなりにバランスが取れた体に仕上がっているでしょう。
体が斜めになっている絵の描き方
正面の体を上手に描くコツが理解できたら、次は斜めになっている体にも挑戦してみましょう。
初心者にとってはかなり難しいですが、各パーツの絵を多角形にして立体的に描き、その角を削って調整するというポイントさえ理解できればすぐに描けるようになります。
各パーツの絵を多角形にして立体的に描く
まずはアタリをざっくりと人型に取った後に、多角形を描き加えてみましょう。
体を、足・ふくらはぎ・ふともも・腰・腹部・胸部・頭部・二の腕・肩から肘・肘から手首・手の平・指の12個のパーツに分けます。
そして体の動きを想像しながら、斜めに向けたいパーツを動かします。意識すべきポイントは、パーツを1つのかたまりとして捉えて動かすことです。ここでパーツの一部だけを動かしたりすると、多角形が不細工な体裁になってしまうので注意しましょう。
立体的に描いたパーツの角を削って調整する
上手く体の動きを表現できたら、多角形の角をとって人間らしい丸みを帯びさせていきましょう。
多角形さえ上手く描ければ、角を取っていくだけの比較的簡単な作業になるはずです。まずは綺麗に多角形で構造を整えることに集中しましょう。
男の子の体を上手く描く方法
まずは復習を兼ねて、男性と女性の体の構造の違いが表れる部分をおさらいしましょう。
- 筋肉のつき具合
- 胸の有無
- くびれの有無
- 首の太さ
- おしりの膨らみ
- 肩幅
まず筋肉のつき具合ですが、男性のイラストを描く際は大胸筋・僧帽筋や上腕二頭筋など、筋肉が発達する箇所にボリュームを付けることが大事です。
男性の体は女性に比べて肩や腕ががっちりとしていて、角ばったシルエットになります。
男性の腰のくびれは少なく、ヘソとヒジがほぼ同じ位置にあり、ウエストの上にヘソが来ます。
一方、女性はヘソはヒジより下、ウエストより下に位置するようになります。
女の子の体を上手く描く方法
「女性を描いているのになぜか男性っぽくなってしまう」という方に向けて、女性らしく見えるポイント、胸の上手な描き方を紹介します。
男性に比べて、女性の体は丸みを帯びており、胸もあるので多角形からの削り方、付け加え方で体の仕上がりが変わってきます。
肩幅を少し狭く描く
男性と女性の違いを明確にするための、まず大事なポイントは肩幅です。肩幅は男性が1に対して、女性は0.7~0.8程度のサイズになっています。
この肩幅のサイズの違いを意識して描けるようになると、一目見ただけで男性か女性かがわかるような絵に仕上がっていきます。
また、男性は胴回りが長方形でほぼ直線的ですが、女性はくびれや胸があり、丸みを帯びた曲線が多くなっています。
胸の高さを意識してバランスをとる
次に、女性の胸の描き方を紹介します。女性の胸は初心者が描くとどこか違和感のある絵になりやすいので、押さえておくべき比率を紹介します。
女性の胸を描くときは、鎖骨と肘のちょうど真ん中に円形を描くようにします。サイズは自由ですが、この『鎖骨から胸:肘から胸=1:1』の黄金比率を守っておけば、体全体のバランスを崩さずに胸を描けるようになります。
漫画風に体の絵を描くときのコツ
線画だけで躍動感のある漫画風の絵を描くコツを紹介します。この描き方を覚えれば、線だけで迫力のある絵を描くことができるようになるので、絵の引き出しが多くなります。
ポイントは2つあります。1つ目は線画の強弱、2つ目はシワや影の使い方です。これらを押さえて、実際に手を動かして挑戦してみましょう。
線画に強弱をつける
線に強弱をつけることで、遠近感を表現できるようになります。遠近感を表現するのは意外に簡単で、手前にある部分を太い線に、奥にある線を細い線にするだけです。
強弱をつける際に気をつけておきたいことが、一定の強さで一筆を描くことです。もし一筆で強弱をつけすぎると、線がガタガタになっていまいます。
また、線の太さを変えることで、強調したい部分とそうでない部分の区別も簡単にできるようになります。漫画風の人物を描く際は特に、顔周りを太い線にし、その他は細い線で描くことで躍動感ある絵に仕上げることができます。
服のシワや影を意識して描く
漫画風の絵を描く際のもう1つのポイントが、服のシワや影を意識して描くことです。
服のシワや影は、光が当たる部分は薄く描き、光が当たらない部分は線を濃く描くようにすれば絵に立体感がでてきます。
顔の凹凸でも同様で、高いところは薄く、低いところは濃く描くようにしましょう。
デジタルでアニメ風の体を描くコツ
最後に、デジタルでアニメ風の体を上手く描くコツを2つ紹介します。
重心の位置を意識して描く
まず1つ目のポイントは、体の重心の位置を意識して描くことです。人の重心は男性の場合は『へそ』、女性の場合『へその若干下』にあります。
重心から地面までを直線で結んだものが重心線です。この重心線を活用すると、歩く姿や走る姿を上手く表現できるようになります。
たとえば、横を向いて歩いているイラストを描く際は、重心線を歩きたい方向に傾けてアタリを取ると体の構造が綺麗になります。さらに傾きを大きくすると、走っている様子も表現できます。走っているときは、肩と軸足のくるぶしが一直線になるようにアタリを取ることで、躍動感のある絵に仕上がります。
肌色の重ね塗りで立体的な質感を表現する
2つ目のポイントは色の塗り方です。肌を塗る際、まずは肌色で塗り残しがないようにすべて塗ってしまいます。その後、光が当たる鼻の先や、柔らかい質感を残したい頬などに赤み加えると、立体感を表現することができます。
そして最後に、より柔らかさを表現したい顔や手の部分には、エアブラシを使って肌色を重ね塗りしていくとリアルなデジタルアニメ風の肌が完成します。
まとめ
バランス良く体を描くためには、まず何頭身なのか決めてアタリを取り、パーツのサイズを揃えていきましょう。この際、多角形を使うのも効果的です。
また、女性の体を描く際は、男性との体の違いを意識しながら描くように心がけるだけで、仕上がりが断然変わってきます。ここまでできるようになったら、漫画風やデジタルアニメ風の体にもチャレンジしてスキルアップを目指しましょう。
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