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iPadでイラスト・漫画を描くための端末やイラストアプリを比較紹介!ApplePencilを使って快適な作業環境を。

更新日:2019.08.15
iPadで漫画を描くアイキャッチ

Appleが販売している薄型タブレット端末の『iPad Pro』シリーズは、利便性、機能性が高く、世界中のクリエイターに大人気です。近年では、アマチュア・プロを問わず、iPad Proを使用してイラストや漫画を描いていらっしゃる作家さんも増えてきました。 iPadで漫画を描いている人は多いけれど、iPadを漫画制作で使用する利点は何だろう?機種やアプリケーションは、何を揃えればよいのだろう? そこで今回は、iPadで漫画を描くメリット・デメリットや、漫画が描けるアプリケーションといった、iPadで漫画を描くための作業環境について、ご紹介させていただきたいと思います。

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iPadで漫画を描くメリット・デメリットについて

メリット

移動中や待ち時間など、外出先でも作業可能

7.9インチのiPad miniは約300g、12.9インチモデルのiPad Proでも約630gと、iPadシリーズは外へ持ち運ぶことを前提として軽量に設計されています。 電車やバスでの移動中、レストランやカフェの待ち時間など、外出先でも漫画制作の作業をすることができます。 趣味、商業問わず、外出先で漫画が描けることを理由に、iPadを購入される方も多いようです。

ネーム作業にぴったり

精密な作画を必要としないネームの工程は、外出先で使用するiPadと相性が良いと言えます。 ネームの工程はiPadで…といった漫画家さんも多いようです。 また、iPadを携帯していれば、良い話やネタが思いついた時に、すぐにネーム作業に入ることができます。 部屋の中で頭を抱えながら話を考えるより、外で気分転換しながらネームを描いた方が捗りそうですね。

直感的に描けるApple Pencil

描き心地がよいと評判のApple Pencilですが、専用の液晶フィルムを貼ることで、鉛筆で紙に描いている感覚を味わえます。 2018年には第2世代のApple Pencilも発売されており、第1世代と比べて機能性が向上しています。

デメリット

Photoshop、SAIが対応していない

人気のペイントツールでお馴染みのPhotoshop、SAIですが、現在のところiPad版はリリースされておらず、使うことができません。 Photoshopに関しては、iPad版のリリースを2019年に予定しているとのことです。

iPad版クリスタは月額制

使用者が多く、大人気のイラスト・漫画の制作ツール「CLIP STUDIO PAINT」ですが、iPad版のクリスタは月額制となっています。 iPadとApple Pencilの購入費も考えると、それなりのお値段になってしまいそうです。

Apple Pencilが使えるiPadのご紹介

Apple Pencilについて

Apple Pencilは第1世代と第2世代の2種類のモデルが発売されており、それぞれ使用できるiPadが異なります。 また、Apple Pencil第1世代は、ペアリング・充電にLightningコネクタを必要としていました。 Apple Pencil第2世代では、iPad Proの側面にある磁気コネクタにApple Pencilを取り付けて、Lightningコネクタを使わずにペアリング・充電を行えるようになっています。

Apple Pencilが使用できるiPad

以下、Appleの公式サイトより Apple Pencil(第1世代)を使用できるiPad ・iPad Air(第3世代) ・iPad mini(第5世代) ・iPad Pro 12.9 インチ(第1世代、または第2世代) ・iPad Pro 10.5 インチ ・iPad Pro 9.7 インチ ・iPad (第 6 世代) Apple Pencil(第2世代)を使用できるiPad ・iPad Pro 12.9 インチ(第3世代) ・iPad Pro 11 インチ とのことです。

Apple Pencil(第2世代)に対応している機種は第3世代のiPad Proのみで、それ以外はApple Pencil(第1世代)に対応しています。 Apple Pencil(第2世代)に対応している機種は、Apple Pencil(第1世代)には対応していないということに注意しましょう。

続いて、各iPadのインチ数、画面の大きさ、重さの比較図を見てみましょう。 iPadで漫画を描く1 図中の赤い星印がついているiPadは、Apple Pencil(第2世代)を使用できる機種です。赤い星印がついていないiPadは、Apple Pencil(第1世代)に対応しています。 また、図中の"W"はWi-Fiモデルの重量、"W+C"はWi-Fi+Cellularモデルの重量となります。 Apple Pencilが使用できるiPadについて、各iPadの作業感やユーザーの感想を見てみましょう。

iPad Air(第3世代)

ユーザーの使用感
・iPad Pro 12.9 インチより画面が小さいがその分安い。 ・iPad Pro 10.5インチと画面サイズが同じなので迷った。 ・コストパフォーマンスが良い。 ・趣味で絵や漫画を描く人にはちょうど良い機種。 ・450g強の重量で持ち運びやすい。

iPad Air第3世代と同じ画面サイズの第2世代のiPad Pro 10.5インチが発売されています。 iPad Air第3世代の方がCPUの性能が高く、iPad Pro 10.5インチはスピーカーの数が多かったりカメラが高機能だったりと、様々なスペックの違いが見られます。 画面サイズは10.5インチで重さ450g強なので、持ち運んで外出先で作業するのに便利です。

iPad mini(第5世代)

ユーザーの使用感
・小型で安く手に入る。 ・重量は約300gで軽いので持ち運びに便利。 ・7.9インチなのでイラスト用にはよいかも。 ・自宅で使う場合は少し物足りない。 ・値段が安いので、試験的にiPadで漫画を描く環境を作ってみるのにも丁度よい。

iPad mini(第5世代)の画面サイズは7.9インチで、安い、小さい、軽いと、持ち運んだり移動先で使用する際に本領を発揮します。 Apple Pencilが使えるiPadの中では一番コンパクトな大きさですが、漫画を描くとなると7.9インチでは狭く感じてしまうかもしれません。 自宅で使う場合にはiPad miniのメリットが活かせないことが多いので、据え置き用に快適な作業環境を整えたい方は、もう少し大きいサイズのiPadの購入も検討しましょう。

iPad Pro 12.9 インチ(第2世代)

ユーザーの使用感
・12.9インチと画面が大きくて液タブの代わりにもなる。 ・第3世代のiPad Pro 12.9インチに比べて本体サイズは大きいが、安く手に入る。 ・第3世代のiPad Pro 12.9インチと違って第2世代のApple Pencilに対応していないので少し不自由。 ・据え置き用として漫画を描く場合におすすめ。

Appele Pencilが使えるiPadの中でも、最大の画面サイズを誇る第2世代のiPad Pro 12.9インチです。 最新型の第3世代に比べて第2世代の方が大きく重量もありますが、その分安く手に入ります。 第1、第2世代のiPad Pro 12.9インチは第1世代のApple Pencilに対応しており、第3世代のiPad Pro 12.9インチが第2世代のApple Pencilに対応しています。間違いやすいので注意しましょう。 画面サイズが大きいので漫画も描きやすく、自宅でじっくり作業する際におすすめです。

iPad Pro 10.5 インチ

ユーザーの使用感
・10.5インチは450g強の重さで持ち運びやすい。 ・iPad Proは、9.7インチ、10.5インチ、11インチと似た大きさのサイズが出ていて迷う。 ・12.9インチは高いし大きすぎる…といった方におすすめ。

iPad Pro 10.5インチとiPad Pro12.9インチ(第2世代)のどちらにするか迷いそうですが、多くのユーザーの方は使用用途で決めているようでした。 がっつり絵や漫画を描く場合は12.9インチで、持ち運びを重視する場合は10.5インチを選びましょう。重量は約200gも違います。 iPad Proは様々な画面サイズの機種が発売されており、iPad Pro 9.7インチは第1世代、iPad Pro 10.5インチは第2世代、iPad Pro 11インチは第3世代というように、12.9インチ以外の機種は世代毎に画面サイズが変わっています。

iPad Pro 9.7 インチ

ユーザーの使用感
・iPadと同じ画面サイズ。持ち運びやすい。 ・第1世代のiPad Proなので安く手に入る。 ・第2世代、第3世代のiPad Proと比べると性能は劣る。 ・12.9インチは大きくて移動中に使用し辛いので9.7インチを選んだ。

iPad Proシリーズの中で一番小さい画面サイズの機種が、第1世代のiPad Pro 9.7インチとなっています。 画面サイズも小さいですが、その分安く手に入れることができます。 12.9インチでは持ち運びにくいとう方におすすめの、9.7インチサイズとなっています。

iPad (第6世代)

ユーザーの使用感
・iPadは最新型でも安く購入できる。 ・9.7インチなので移動先で使いたい。 ・iPad Pro 9.7インチと比べると少し重いが気にならない程度。 ・iPad Proシリーズよりは綺麗に映らない。 ・iPadは32GB、128GBモデルしか選べないので容量の低さが心配。

iPad(第6世代)の画面サイズは9.7インチで、外出先で使用するのに便利です。 今までのiPadではApple Pencilを使用することができませんでしたが、第6世代のiPadはApple Pencil(第1世代)に対応しています。 ディスプレイはiPad Proシリーズの方が高性能ですが、iPadは低価格で購入できるので、iPad miniと同様にApple Pencilを使った漫画制作を体験するために購入するのもありかもしれません。

iPad Pro 12.9 インチ(第3世代)

ユーザーの使用感
・第2世代のApple Pencilが使用できるのが大きい。 ・同じ第2世代のApple Pencilが使える11インチと重さの違いはあまり感じない。 ・旧iPad Proに比べてコンパクトで使いやすい。 ・絵師や漫画家など、じっくり絵や漫画を描く人向け。 ・持ち運ぶには少し大きい。 ・バッテリーは長持ちする。

Apple Pencil(第2世代)に対応した、iPad Pro 12.9インチ(第3世代)です。 第1、第2世代のiPad ProよりもCPUやディスプレイなどの性能が向上しており、ホームボタンも廃止されてデザインが一新されています。 過去の世代のiPad Pro 12.9インチとディスプレイのサイズは同じですが、本体のサイズが小さくなって軽量化もされています。 最新型ということで値段は高くなっていますが、Apple Pencil(第2世代)を使ったiPadでの漫画制作にじっくりと取り組みたい方にはおすすめの商品です。

iPad Pro 11 インチ

ユーザーの使用感
・12.9インチと比べると漫画を描くには少し小さい感じがする。 ・12.9インチは自宅で、11インチは移動中や外出先で使いたい。 ・iPad Pro 10.5インチよりCPUが良い。

こちらもiPad Proの最新型で、Apple Pencil(第2世代)に対応しています。 iPad Pro 12.9インチ(第3世代)と同様にホームボタンが廃止されており、ディスプレイの画面占有率も高くなっています。 自宅で使うのか持ち運ぶのか、用途に合わせてiPad Pro 12.9インチ(第3世代)と差別化をしている方が多いようです。 第2世代のiPad Pro 10.5インチと比較してみると値段は高いですが、CPUなどの性能向上や最新型のApple Pencilが使えることがメリットです。

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iPadで漫画が描けるアプリ

CLIP STUDIO PAINT

ペイントツールでお馴染みのCLIP STUDIO PAINTはiPadでも使用することができます。買い切りのPC版と違って、iPad版は月額/年額で支払う形式なので注意しましょう。

作業画面

ピンチイン・ピンチアウトでキャンバスの拡大縮小を行えるなど、タブレットに適した直感的な操作が可能になっています。 ユーザーインターフェースもPC版のクリスタとほとんど同じなので、PC版をお使いの方は戸惑うことなく使用することができます。

2本指でタップするとUndo、3本指でタップするとRedoの操作が行えます。頻繁に行う操作が楽にできて便利ですね。

iPad版のクリスタも、イラスト、漫画、アニメーションなど、様々な用途に対応しています。

漫画を描く際のおすすめポイント

PC版のクリスタと同様に、コマ割りテンプレート、フキダシ、効果線、描き文字、トーン…といった、漫画制作で必要な様々な素材を使用することができます。 3Dのデッサン人形を表示できる機能も実装されており、3Dをアタリにしてキャラクターを描くことができます。 高性能で機能が多い分、クリスタに慣れていないと戸惑ってしまったり、ツール選択でポップアップなどを表示していくと画面が狭く感じるかもしれません。 PC版も含めてクリスタの使用ユーザーは多くて安心感があり、画面サイズが大きいiPadで使用したいアプリです。

Procreate

iPadで漫画を描く2 ProcreateはiPadで使用できる人気のイラストアプリです。 リアルな質感を表現できる多彩なブラシや、ガウスぼかしやブラーといった画像調整の機能も備わっており、高性能のイラストアプリとなっています。

作業画面

iPadで漫画を描く3

画面左のスライダーからブラシのサイズや不透明度を選択します。 豊富なブラシが特徴的で、ブラシ設定を変更したり、カスタムブラシの読み込みおよび書き出しをすることもできます。

iPadで漫画を描く4

カラーの選択も、円形のピッカーやRGBの数値入力型など、使いやすいインターフェースが提供されています。

漫画を描く際のおすすめポイント

コマ割りのテンプレートや文字入力の機能がなかったりと、漫画制作というよりはイラスト制作に特化したアプリです。 ブラシの設定を細かく弄れたりとイラストの描きやすさに定評があるので、ネームやラフの制作におすすめです。

アイビスペイントX(ibis Paint X)

スマホやタブレットでイラストを描いている人に大人気のイラストアプリです。

作業画面

iPadで漫画を描く9

画面左のバーからブラシや消しゴム、文字入れといったツールの選択ができ、画面下のバーではブラシと消しゴムの切り替え、色の選択、Undo、Redo、レイヤー設定など、作業で頻繁に使用するボタンが表示されています。 画面右上のボタンを押すと、選択、補正、定規、素材のポップアップを表示されます。 ツール選択の位置は設定で変更することができます。

iPadで漫画を描く10

ブラシ選択のポップアップでは、各ブラシのパラメータをスライダーで調節できます。

iPadで漫画を描く11

カラー選択のポップアップでは、サークル、パレット、数値入力で色の変更が行えます。

漫画を描く際のおすすめポイント

文字入れやコマ割りの機能が付いており、素材選択からはトーンや背景など、漫画制作で使用できる様々な素材を使用することができます。 ユーザーインターフェースも分かりやすく、初めてiPadでイラストや漫画を制作する人でも戸惑うことなく使用できるアプリです。

メディバンペイント(MediBang Paint)

メディバンペイントを使用するには、専用アカウントの作成とログインが必要になります。 イラストや漫画の制作データをクラウドで保存できるので、自宅のPCとタブレットで共通のデータで制作することもできます。

作業画面

iPadで漫画を描く14

上部のバーからブラシ、消しゴム、塗りつぶしといったツールの選択ができ、左のバーからブラシのパラメータを弄ったり、各スライダーでブラシサイズや不透明度、カラーの調節ができます。 下部のバーからはUndo、Redo、キャンバス反転などの機能が使えます。

iPadで漫画を描く15

ブラシ設定のボタンを押すとポップアップが出てきて、使用ペンの変更やペンの細かい調整ができます。 また、クラウドに保存されているブラシを追加することもできます。

iPadで漫画を描く16

素材のダウンロードでは、背景、効果線、カケアミといった、漫画制作に必要な素材を手に入れることができます。

漫画を描く際のおすすめポイント

漫画制作のプリセットが充実しており、同人誌、商業誌、4コマ商業誌、アメコミといった、作成したい漫画に合わせて原稿用紙を作成できます。 クラウド機能を利用することで、作品の投稿やコンテストの応募をすることができ、漫画制作を工程ごとに分担してチームで作業することが可能となっています。

ジャンプPAINT

iPadで漫画を描く5 作業画面のユーザーインターフェースや基本的な機能は、メディバンペイントと同じです。 ジャンプPAINTでは、ジャンプ作品を見本に練習できるチャレンジジャンプや、漫画のテクニックが学べる講座、ジャンプルーキーと連携して漫画を投稿する機能が備わっています。

作業画面

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アプリを立ち上げると、漫画の練習、漫画の制作、作品の投稿といったボタンが表示されます。

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メディバンペイントで使用できる素材の他に、ジャンプ漫画で使用されている描き文字やフキダシも使用することができます。

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ネームの描き方が学べる画面を表示しています。作例を元にポイントが分かりやすく説明してあります。

漫画を描く際のおすすめポイント

メディバンペイントにジャンプ漫画の要素が加わっているので、ジャンプ作品を目標にしている人に合うと思います。 また、ネームの描き方やペン入れのコツ、効果線やベタの使い方といった、ジャンプ編集部による漫画の描き方講座も充実しています。 漫画制作と同時に漫画の描き方テクニックも学べるアプリで、これから漫画を描き始めようとしている方にもおすすめです。
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iPadで漫画制作をしている様子

実際にiPadで漫画制作をしている様子を動画で見てみましょう。

CLIP STUDIO公式が投稿している動画で、第1世代のApple PencilとiPad版クリスタを使用した漫画制作の様子を撮影しています。 様々なユーザーがiPad版クリスタで使って、着彩やペン入れ、背景の作画といった工程をスムーズに進めています。 iPadを使った漫画制作は、場所を問わずにどこでも快適に作業できることがよく分かる動画になっています。

メディバンペイント公式が投稿している動画で、iPad Proと第1世代のApple Pencilを使用しています。 メディバンを使用して、ネーム作成、下書き、コマ割りやフキダシの追加、ペン入れ、背景素材や効果線を使って仕上げる工程までを撮影しています。 iPadを使用した漫画制作の一連の流れがよく分かる動画です。
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まとめ

iPadで漫画を描くための作業環境のご紹介でした。 ApplePencilが使用できるiPadは様々な種類があり、性能の違いも多々あります。「漫画を描く」という創作活動は大変な作業なので、目的に応じたiPadやアプリケーションを選んで、快適な漫画制作の作業環境を整えたいですね。
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