絵を描きたいけど、何から始めればよいのか分からない。そんな方もいるのではないでしょうか。この記事では、初心者がどんな画材・道具を揃えるべきか、デジタルかアナログか、最初にやるべき練習法は何か、などについて紹介します。
この記事の目次
絵の描き方は2種類
イラストの描き方は、大きく分けると以下の2種類。
- アナログ
- デジタル
アナログとは、ペンや筆などを使って紙などに直接絵を描くことです。一方、デジタルは、パソコンやタブレットなど電子機器、お絵かきソフトなどを利用して描く方法のことです。アナログとデジタルにはそれぞれメリットがあります。ご自身に合った、まずはやりやすい方法から始めるとよいでしょう。
アナログ:ペンと紙があれば絵を描ける
アナログで絵を描くメリット
アナログで絵を描くメリットには、以下のような点が挙げられます。
- ペンと紙があれば気軽に始められる。
- 油性や水性のペン、絵の具など画材が多彩にある。
- きちんと保管すればデータの消失がなく、他の人も参照できる
思い立ったらその場で始められる気軽さが、アナログで絵を描くメリットです。さらに、家にあるクレヨンや色鉛筆、ボールペンなど画材も手近にあるものを利用できます
。目の前のコピー用紙に鉛筆でさらっと描いたものも立派なアナログのイラストです。紙の材質や表面の加工、画材の組み合わせによって、独特の味が出ます。
デジタルの場合、思わぬ機械のトラブルでデータがすべて消失する可能性もあります。データだと「どのハードディスクのどのフォルダに●●というファイル名で保存している」などといった情報を本人しか知らないと他の人に共有できないも多いです。実際の紙を見せながら誰かに話をしたり、それをスキャンしてデジタルデータとして加工できたりするのもアナログのメリットです。
アナログで絵を描くデメリット
アナログで絵を描くデメリットには、以下のような点が考えられます。
- 紙・画材の劣化が起こりうる。
- 机や手などが汚れることもある。
- デジタルでの加工・共有がやややりにくい。
- やり直しができない。
画用紙に水彩絵の具で描いた場合など、どうしても乾燥や虫などに食べられたり……などといった理由で、時間の経過に伴う劣化が想定されます。
描いた絵をデジタルで加工する場合、良いスキャナーなどで取り入れないと、元々のアナログ絵の良さをデジタル画面で再現・加工するのが難しい場合もあります。
またデジタルであればもし間違った線を引いても「Ctrl+Z」で戻せますが、アナログでは原則的にやり直しができません。ただ油絵など画法によっては修正する技術もありますし、逆に直せないからこそ緊張感をもって、思い切って線を引く癖をつけることもできるでしょう。
デジタル:劣化や汚れもない
デジタルで絵を描くメリット
デジタルはデータとして保存しておけるので劣化がないほか、絵の具などのように机を汚すこともありません。
そのほかデジタルで絵を描くメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
- お絵かきソフトを利用して効率的な作業ができる。
- 画材はソフト内におさまるので、物理的なスペースをとらない。
- 納得できるまで何回もやり直ししたり、別のバージョンをいくつも作ったりできる
- ネットなどで配布されている模様や背景などを利用できる。
デジタルで絵を描くデメリット
デジタルで絵を描くデメリットとしては、以下のような点が考えられます。
- データが消失する可能性がある。
- 機材やソフトのバージョンアップによっては再購入が必要。
- やり直しができすぎるために、こだわりすぎて時間がかかってしまう。
いつでも修正できるということは逆にいつまででもやれてしまうということ。完成までにこだわりすぎてしまうこともあるかもしれません。データの消失に関してはデスクトップと外付ハードディスクやクラウド全てにバックアップを同期しておくなど、保管方法を工夫すると良いでしょう。
絵の初心者は画材を何から揃えればいい?
イラストを描くためには、まず画材が必要です。ここでは、アナログ用の画材を中心にどのようなものがあるのか、また、何から揃えればよいのか説明します。
絵の初心者はまず画用紙や鉛筆でOK
初心者がイラストを描くにあたり、初めは画用紙と鉛筆があれば大丈夫です。どちらも手に入れやすいもので、基礎から描き方を練習できます。
鉛筆に書いてある「HB」「2B」などの記号と数字ですが、「H」は数字が大きいほど薄く硬い芯を表し、「B」は数字が大きいほど、柔らかくて濃い芯を表しています。また、HBはその中間にあたります。
初心者がイラスト用に使用する際は、2Hなどは硬いのでHBから5Bあたりで、何種類か揃えるのがよいでしょう。
鉛筆の硬さや濃さは好みにもよるので、いろいろ試してみることをおすすめします。また、消しゴムもあると便利です。無駄な線を消すだけでなく、ツヤや光の表現にも使えます。
慣れてきたら筆やペンタブを使おう
鉛筆画に慣れてきたら、以下のような画材を使用するのもよいでしょう。
- 水彩絵の具
- 油性、水性ペン
筆やペンを使うことによって、鉛筆にはない表現を描くこと可能です。たとえば、水彩絵の具の場合、透明感の表現に役立つほか、紙の上の水分に絵の具をにじませる技法などもあるため、さまざまな表現が楽しめます。
デジタルでは、マウスよりもペンタブを使用することで、思い描いたイラストのイメージを、より繊細で正確に描くことができます。
※ペンタブはペンタブレットの略称で、パソコンにつながった板状のタブレットにタッチペンを使って、鉛筆や筆のように描くことができる電子機器のこと
絵の初心者は何から練習すればいい?
初心者が絵を描きたいと思ったら、何から始めればよいでしょうか。ここでは、具体的な行動を挙げるとともに、練習を継続させる方法について紹介します。
まずは描きたい絵から始めよう
初心者がイラストを描きたいと思ったら、興味のある絵から描き始めましょう。自分の描きたいと思うものを気楽に、上手い下手は気にせず、とにかく描いてみることです。
ここでのポイントは、イメージどおりに描くためにはどうしたらよいのか考えながら描くことです。試行錯誤することで早く上達できます。
具体的な目標を決める
一般にモチベーションを保つことは難しいといわれます。それはイラストを描くことにもあてはまります。
しかし、その解決法のひとつとして、「目標を決める」ということが挙げられます。具体的には以下のようなものです。
- 1日1枚イラストを描く
- 週目標で、手や肘など苦手なパーツを集中練習する
- 期限をつけて、〇月〇日までに作品をブログやSNSに投稿すると決める
続けるコツは目標どおりいかなくても、ダメだ!とあきらめないことです。あまり気にせずコツコツと続けていくことで、充実感や楽しさが感じられるようになっていくでしょう。
絵の上達に効果的な練習法は?
ここでは、イラストを描き始めるときの練習方法を紹介します。
1.好きな絵を模写する
ひとつめの方法は、自分が描いてみたいと思うイラストを模写することです。興味のあるものはワクワク感があるので、モチベーションを保つのにも役立ちます。
イラストを模写しても、最初は上手く描けないこともあるでしょう。しかし、重要な点は、ひとつの絵を最後まで描ききるということです。
なぜなら、1作品を完成させることで自信にもつながり、腕や足など苦手にしているパーツも、経験を積み重ねることで上手く描く力がつきます。さらに、コツが分かりイラスト自体も上手くなっていきます。
2.デッサンで観察力を鍛える
2つ目はデッサンです。特に大切なのは、『見たままに正確にかける力(デッサン力)』をつけるということです。
最初はりんごなど、形がシンプルなものが練習に向いています。しっかりと観察しながら描いていきましょう。ここで注意することは、色の濃淡や影などを使って、立体的に描くようにすることです。
デッサンで観察力を鍛えていくことで、細かな部分も忠実に描けるようになっていきます。
まとめ
鉛筆と紙のアナログか、パソコンソフトのデジタルか、種類もやり方もいろいろあります。まずは、興味のあるところから始めてみるとよいでしょう。