Blenderのアドオン「Paint System」が公開され、SNSで話題を集めています。
Paint Systemを使うと、2Dのペイントソフトのようにレイヤー形式を用いて、3Dオブジェクトに色を塗ることができます。
今回は、Blenderのアドオン「Paint System」をご紹介します。
この記事の目次
Blenderの基礎知識
Blenderは用途の広い3DCGソフト
「Blender」は、無料で使えるPC用の3DCGソフトです。
3Dオブジェクトや3Dアニメーションを制作する機能の他にも、2Dアニメーション用の機能も搭載しています。
ペイントソフトのCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)ではお馴染みの3D素材も、Blenderで自作することができます。
2Dのイラスト制作の資料用として、3Dオブジェクトを参考にすることも増えてきました。
Blenderと連携して2D作品を制作してみるのも、面白いと思います。
クリスタ用3DモデルをBlenderで作成する記事
2Dイラストの背景のアタリを、Blenderで制作する記事
イラストのようなレイヤー形式で色塗りができる、Blenderのアドオンが登場
アドオン「Paint System」とは何か?
レイヤー形式を用いたテクスチャペイントが可能になる
2D artists, you're going to love this! ?✨ I've created a free #blender addon that brings Photoshop-style layer painting to your workflow. Check it out! ❤️https://t.co/tFJt7GZzMz pic.twitter.com/lZCfDsrwOX
— Tawan Sunflower (@himawari_hito) January 2, 2025
Blenderには、3Dオブジェクトに色を塗ることができる、テクスチャペイントの機能が搭載されています。
従来のBlenderのテクスチャペイントでは、ノードと呼ばれる手続き型のUIを扱う必要もあり、初心者が本格的に色を塗るには敷居の高いものでした。
そこで、アドオンの「Paint System」を導入することにより、2Dのペイントソフトのような感覚でテクスチャペイントができるようになります。
「Paint System」で可能になること
- レイヤー形式を用いた色塗り
- レイヤーのクリッピングの設定
- レイヤーのブレンドモードの設定
- レイヤーの不透明度の設定
Paint Systemをインストールすると、レイヤーやクリッピング、ブレンドモードのインターフェースが追加されます。
レイヤー形式のインターフェースを扱うことで、2Dのペイントソフトと同じ感覚で、3Dオブジェクトに色を塗ることができます。
Paint Systemのインストール手順
①アドオンをダウンロードする
クリエイター用の販売プラットフォーム:Gumroadで、Paint Systemのアドオンが公開されています。
Paint Systemは無料でダウンロードできます。
②Blenderにアドオンをインストールする
Blenderのメニューバーにある[Edit]から[Preferences]を選択します。
「Add-ons」のタブを選択して、右上にある三角のボタンを押し、「Install from Disk」ボタンを押します。
(Blender4.1までのバージョンをお使いの方は、右上にある「Install」ボタンを押します。)
ファイルを選ぶ画面が表示されるので、先ほどダウンロードしたアドオンのzipファイルを選択します。
③インストール後の確認
Paint Systemのアドオンが追加され、チェックマークがついていることを確認します。
Paint Systemの使い方
グループを追加する
アドオンをインストールすると、ビューポートの右側に「Paint System」というタブが追加されます。
Paint Systemのタブの中にある「Add Group」を選び、「OK」ボタンを押します。
レイヤーを追加する
「Add Image」→「New Image Layer」を選択して、「OK」ボタンを押します。
ペイント用のモードに切り替える
「Toggle Paint Mode」のボタンを押すと、準備が完了です。
2Dのペイントソフトのようにレイヤー形式を用いて、3Dオブジェクトに色が塗れるようになります。
描画色は「Color」の欄から切り替えられます。
「Toggle Paint Mode」のボタンを押した際に、「Object Mode」から「Texture Paint」に自動的に切り替わります。
「Object Mode」は、3Dオブジェクトを選択/移動/変形するためのモードです。
オブジェクトに色をつける際には、「Texture Paint」を使います。
また、「Toggle Paint Mode」のボタンを押した際には、レンダービューに自動的に切り替わります。
レンダービューに設定していると、オブジェクトにつけた色を確認できます。
クリッピング・合成モード・不透明度の設定
ペイントソフトと同じように、レイヤーのパネルからクリッピングや不透明度の設定が可能です。
合成モードも変更できます。
乗算やスクリーン、オーバーレイなど、塗りの箇所に合わせて使ってみてください。
カスタムブラシを使用する
カスタムブラシを使いたい場合は、「Add Preset Brushes」を押します。
Paint Systemのアドオンには、デフォルトで二つのカスタムブラシが入っています。
ガッシュブラシを使えば、アナログ風の質感を出しながら塗ることができます。
塗った箇所を透明にする
ブラシのブレンドモードは、デフォルトで「Mix」に設定されています。
ブレンドモードを「Erase Alpha」に切り替えると、塗った箇所を透明にできます。
様々なオブジェクトに色を塗る
各3Dオブジェクトに対して、レイヤーを追加しながら色を塗っていきます。
2Dのペイントソフトと操作感が似ているので、着色の作業もスムーズです。
カメラを設定することで、pngなどの画像形式で出力することもできます。
まとめ
Blenderのアドオン、「Paint System」の紹介でした。
Paint Systemを使えば、レイヤー形式のUIで3Dオブジェクトに色を塗ることができます。
イラスト制作にBlenderを活用している方や、テクスチャペイントで本格的な色塗りをしたい方は、アドオン「Paint System」をぜひ試してみてください。