『どうすれば目をうまく描けるようになるのかわからない』こんな悩みを抱えている方も多いはず。そんな方に向けて目線や、性別、顔のスタイルなど様々なことを考慮した上で、目をうまく描くための方法をまとめました。練習を積み重ねていきましょう。
この記事の目次
目線で気をつけるポイント
目線を描くときに最も気をつけておくことが、左右の目線を合わせることです。目線を合わせないと人間らしさがなくなってしまい、不自然な仕上がりになってしまいます。
また、左右の白目の幅が異なってくると斜視のようになるので、必ず比率は同じように描きましょう。虹彩や瞳孔の向きや大きさと、他のパーツに対する位置関係も重要になっています。
虹彩と瞳孔の向きや大きさを意識する
目をよく観察すると、黒目の中に小さな黒目があるのがわかると思います。大きい黒丸が『虹彩』小さい黒丸が『瞳孔』と呼ばれます。虹彩の上に角膜がありますが、目を描くときは無視して描いても問題ありません。
この虹彩と瞳孔の配置が重要で、虹彩の円のちょうど中央に、上下左右同じ半径の比率で瞳孔を描きます。この位置関係は絶対守るようにしてください。この時、白目に対して黒目を大きく描くと、白目の量が相対的に少なくなり、目線のコントロールが困難になります。『黒目と白目のバランス』にも気をつけておかなければなりません。
さらに正面を向いている目を描くときは、内側の白目は外側よりかならず幅を小さく描いてください。もし逆にすると外斜視になってしまいます。
鼻の位置や両目との間隔を調整する
次に目の位置や両目の間隔ですが、初心者にありがちなミスとして、鼻筋から左右の目までの長さが異なることが多々あります。
これでは左右非対称の違和感のある顔になってしまうので、顔の中心線から左右に同じ比率の長さで目を描くようにしましょう。この中心線はアタリの縦線に該当しますが、下書き段階で、顔の中央にうすく縦線を引いておくとよいでしょう。
男性の目を描く時に気をつけるポイント
『男性を描いたつもりなのに、女性っぽくなってしまった』ということは初心者にありがちです。
こんなミスを減らすためには、男性と女性の目の違いを意識しながら描く必要があります。まずは以下にまとめた目の相違点を確認しておきましょう。
男性 | 女性 | |
---|---|---|
目の形 | 細長い | 丸い |
黒目の大きさ | 小さい | 大きい |
まつげ | 薄く狭い | 濃く太い |
黒目の部分を小さく切れ長い目を作る
男性の目の形は細長いのが特徴です。丸く描いてしまうと女性っぽくなってしまうので、下書き段階から細長い目を意識しておきましょう。
そして、黒目を描くときは女性の黒目の0.8倍くらいのサイズに描くと男らしい目になります。
まつ毛のラインを調整する
仕上げに、まつげのラインを調整しましょう。まつげの幅は狭くして、目の形に沿って直線的に描きましょう。
もし、まつげ幅を広くしたり、膨らみをもたせてしまうと、たちまち中性的な印象になってしまうので注意が必要です。
顔にあった目の描き方とは?
顔に合わせて目を描くのは初心者にとってはかなり難関です。そこで、発想を変えて目に他のパーツを合わせていきましょう。
前髪と輪郭で目のバランスを整えていく描き方があるので、初心者の方は他のパーツの描き方も同時に学びましょう。
前髪で目の位置と顔の幅を調整する
髪の毛を描く際は、まずはじめに『分け目』を決めて、そこから左右にボリュームをもたせるように描きます。
『髪の生え際から眉頭』・『眉頭から鼻の下』・『鼻の下から顎の先』の3つの長さが同じであれば、バランスのとれた美しい顔になるので、この位置関係を意識しながら、前髪の長さを決めていきます。耳と目の間にはもみあげを書きますが、難しい場合は前髪を長くしてもみあげを隠してしまうのも1つの手です。
髪型で目のバランスを整えることができるので、比率は意識しながら色々な髪型に挑戦してみましょう。
目から描くと輪郭を描きやすい
人には2つ目がありますが、顔の向きなどをみて、自分が苦手な方の目からまずは丁寧に描いてみましょう。
そして片目が完成したら、それを軸として、その目に近い方の輪郭から描いていきましょう。目は複雑で描くのに時間がかかります。バランスが悪くなっても、はじめに描いた目は直さず、輪郭を何度も描き直してバランスを整えていくようにしてください。
目から描いて輪郭を少しずつ調整していく描き方は、初心者の方には特におすすめです。1度試してみてください。
目のスタイルでキャラクターが変わる
一言で目とはいっても、かっこいい目に、可愛い目、悲しい目など様々な目があります。
描きたいキャラクターをイメージしながら『どんな印象の目にしたいか』をまずは決める必要があります。ここではリアルな目と2次元的な目の両方を扱うので、どちらも練習を重ねて引き出しを増やしていきましょう。
目の粘膜と虹彩の加線でリアルな目になる
リアルな目を描きたい時は、リアルな目の画像を参考にして描きます。
このときにレイヤーを作って立体感を出すために、白目・黒目・まつげの順番で描いていきます。そして、虹彩を放射線状に描き入れ、黒目に膨らみを加えていきます。その後、眼球に光を入れるのですが、このときに適宜、線をぼかしたりするとよりリアルな目に仕上がっていきます。
最後にエアブラシなどを用いて目全体をぼかしていくと、目の粘膜を表現できるので一層リアルな目に仕上がります。
目全体を縦に伸ばし光を入れると二次元的に
2次元的な目を描きたい場合は、ある程度のデフォルメを効かせる必要があります。皆さんもアニメや萌え顔のキャラクターを1度は見たことがあると思いますが、リアルな目とは違い輝いているのがわかると思います。
基本的にリアルな目よりも、2次元的な目を描くことの方が簡単で、コツとしては目全体を縦に伸ばして、黒目も大きく描き、白目にいくつかの透明な円を描いて、輝きを出すだけです。
さらに、まつげを濃く描くことによって目が強調されることになり、デフォルメがさらに効き、より2次元的になります。
アナログで上手く目の絵を描きたい時のコツ
最後はアナログで目を描くコツになりますが、目にグラデーションをつけることと、まつげと目尻の描き方が重要です。
目にグラデーションをつける
手書きで目を描くときは、グラデーションをうまくつけると綺麗に描けます。グラデーションをつけるときはある程度目の下書きを済ませて、黒目を目の中央付近に描いたらまずは横線を目の中央に入れます。
そして上下に2分割された目に対して、上部を濃いめに、下部を薄めに塗っていきます。適宜、小さく白い丸を描いて全く塗らない部分を残しておくと、輝きを表現することもできます。
まつ毛のラインと目尻のラインを太く描く
リアルな目を描くときは別ですが、キャラクターの目を手描きで描くときは、仕上げにまつげと目尻のラインを太く濃きましょう。
そうすることでメリハリが出て目が強調されるだけでなく、目のバランスが整い、初心者が描いた目からワンランクアップできます。ただし、太く描きすぎると女性らしくなってしまうので、男性を描きたいときは注意してください。
まとめ
目をうまく描くためには、まずはキャラクターが男性か女性かを考え、両者の違いを意識する必要があります。実際に描く際は目線を考慮して虹彩や瞳孔の向きやサイズを調整しましょう。
目を描くのが苦手な方は、逆に目から描いてそれに合わせて輪郭や髪型でバランスを整えていくのも1つの手です。