今回は意外に難しい顔を描くコツを紹介します。初心者がよく陥りがちなミスや顔を描く順序、男女の違いを理解できると違和感なく躍動感のある顔が描けるようになります。さまざまな角度の顔を描いて自分のレパートリーを増やしましょう。
この記事の目次
顔を描くときによくある失敗
初心者が顔を描く際に陥りがちな失敗は、主に2つあります。うまくなるために、まずは失敗のパターンを理解しましょう。
左右のバランスが悪い
初心者にありがちなミスとして、左右のバランスが悪くなってしまうことが挙げられます。
たとえば、左右の目や耳などのサイズが非対称なら、一目見ただけで違和感を覚える絵になってしまいます。左右のバランスを修正するだけで、仕上がり具合はまったく違ったものになるといえます。
パーツの位置や大きさを間違える
パーツの位置や大きさによって、顔の特徴は大きく変わります。たとえば、あまりにも目を下に描くと額が広くなり、逆に上に描くと他のパーツも上にずれ、顎が長くなってしまいます。
パーツの位置やサイズを間違えると、違和感のある顔に仕上がってしまうケースが多いので注意が必要です。
顔を描く順番は?
顔の描き方は主に2パターンです。1つ目は輪郭から描く方法、2つ目は目から描く方法です。どちらも試してみて、得意な方を繰り返し練習しましょう。
まずはアタリをとる
まずは紙のどの位置に顔を描きたいのか、ざっくりとアタリを取りましょう。アタリとは、ある程度ざっくりと形を決めるための線のことです。後々消すことになる場合が多いのでアタリは薄く描きましょう。これによって、絵の大体の構図が決定します。
この際に、輪郭を想像しながら、細長くするか丸くするかを決めておくのがコツです。これは輪郭から描くにしても、目から描くにしても同じです。
輪郭から描く
輪郭から描くのはオーソドックスな方法ですが、気をつけておくべきポイントがあります。それは、『頬を先に描いてから顎を描くこと』です。
頬と顎は、人間の顔の輪郭を違和感なく描く上で重要なパーツです。『頬にどれだけ肉付きが必要か』『顎はシャープか』など、骨格を意識しながら描くと人間らしい輪郭に仕上がります。
顎から描くと、顔が思った以上に大きくなったり、逆に小さくなったりしがちです。先に頬から描くようにしましょう。
目から描く
目は顔の中で、最も印象を決定づけるパーツだといっても過言ではありません。まずは丁寧に目の大きさや形を描きましょう。
その後、目のサイズや位置にあわせて、顔の輪郭を形成していく描き方もあります。顔の輪郭から描くパターンが苦手な方は、目から描いてみるのも1つの方法です。
男性と女性の描き方の特徴を理解する
『女性を描いたつもりなのに男性のように仕上がってしまった』という経験がある方は多いと思います。
これは、男女の顔の特徴を理解できていないからです。まずは、男女の顔の違いをしっかりと理解すると、完成度が大幅に変わってきます。
男性の顔の特徴
男性の顔の特徴は以下のようになっています。これらの顔の特徴を理解し、意識して描くことによって仕上がり具合が変わります。
- 目の位置が高い
- シャープな輪郭
- 太い首
- 直線的な眉
- 高い鼻
- 骨格や筋肉の発達による、直線的でごつごつとしたライン
女性の顔の特徴
女性の顔の特徴は以下のようになっています。男性の顔の特徴と比較しながら描きましょう。
- 目の位置が低い
- 丸みを帯びた輪郭
- 細い首
- 曲線的な眉
- 小鼻の小さな鼻
- 脂肪が多く、曲線的でやわらかなライン
色んな顔を描いてみよう
初心者がよく陥りがちなミスや顔を描く順序、男女の違いを理解できたら、次は練習あるのみです。さまざまな角度の顔を描いて、自分のレパートリーを増やしましょう。
正面を向いた顔
まずは1番オーソドックスな正面の顔です。最初に輪郭を丸で描き、縦と横の十字線でアタリを取って、顔のパーツの位置を決めます。
基本的に、耳の上側のライン上に目が、耳の下側のライン上に鼻がきます。口は、鼻と顎の中間位置にとりましょう。バランスの取れた顔を描くためには、比率が重要ポイントです。『頭のてっぺんから眉頭の下』と『眉頭の下から顎の先』の長さが同じになるよう注意します。
さらに『髪の生え際から眉頭』・『眉頭から鼻の下』・『鼻の下から顎の先』の3つの長さが同じであれば、バランスのとれた美しい顔になります。
斜めを向いた顔
次は少し難易度が上がりますが、斜めを向いた顔にもチャレンジしてみましょう。斜めを向いた顔は、縦と横の十字線でアタリをどのように取るかによって、顔の向きを調節します。また十字線だけでなく、補助線を適宜付け加えても問題ありません。
このときに、初心者が陥りがちなミスとして紹介した、左右のバランスやパーツの位置、大きさが狂わないよう、慣れるまでは方眼紙を活用するのもおすすめです。うまく描けずに心が折れそうなときは、積極的に使ってみましょう。
横を向いた顔
最後は横顔を練習してみましょう。横顔の場合、片目しか見えないので、鼻の高さや、髪型のボリュームで躍動感を演出します。
ここでの1番のポイントは、『鼻を最後に描くこと』です。鼻を最初に描くと、輪郭の形が不恰好になってしまうことが多いです。まずは鼻以外を完成させて、最後に付け加える形で描くようにすれば、輪郭が綺麗に表現できます。
顔に感情をつける
慣れてきたら顔に感情をつける練習もしてみましょう。感情を表現するのは、主に次のパーツです。
- 目
- 眉毛
- 口
- 輪郭
目の場合、たとえば目尻を下げるとやわらかい表情になるので、喜びの感情や笑顔を表現できます。逆に目尻を上げるときつい表情になり、怒りの感情などを表現しやすくなります。
眉毛は目の表情にあわせて角度を変えることにより、自然な印象を演出することができます。口も感情を表現するのに重要なパーツです。口角をあげると笑顔になったり、口をぐっと閉めると、怒りの感情を表現したりすることができます。
最後は顔の輪郭です。目・眉毛・口の形に輪郭をあわせると、より自然な表情になります。顔を日頃から観察すれば、筋肉の動きによって輪郭も変化するのがわかるでしょう。
これら4つのパーツを上下させたり、開け閉めを組み合わせたりすることで、さまざまな感情を表現できるようになるので、試行錯誤してみましょう。
アニメや萌え絵の顔
アニメや萌え顔にチャレンジするときのポイントとなるのが、目の形や輝きです。
可愛く描くには目に特徴を作る
目は、アニメ顔や萌え顔で最も重要なパーツです。可愛く描くには、目に特徴を作る必要があります。アニメ顔や萌え顔では、まつげを濃く描くことによって強調したり、黒目の部分を小さめにして、白目の部分を大きくしたりします。
また、白目にいくつかの透明な円を描いて、輝きを出すのも忘れないようにしましょう。
さらに、目で年齢を表現することもできます。目が大きければ大きいほど若く・幼くなり、逆に小さくなるほど大人びて見えます。キャラクターの年齢なども理解した上で目を描くと、さらに仕上がりがよくなります。
まとめ
まずは初心者が陥りがちな失敗をきちんと理解し、自分が描きやすい順番を見つけ、男女の顔の特徴を理解しましょう。その後、さまざまな角度の顔を描いていくとみるみる上達します。
顔を違和感なく描けるようになってきたら、感情を表現する練習も行い、さらにスキルアップを目指しましょう。