イラストを始めたばかりの初心者にとって、どのような練習をしたらよいかは悩みの種ではないでしょうか。初心者にとって重要な練習方法の1つは、模写の練習だといわれています。ここでは、模写の練習の具体的な方法やコツなどを紹介します。
この記事の目次
イラスト上達には模写の練習が最適
まず、イラスト上達に模写の練習が最適な理由について解説します。
模写の練習を通してバランスを考える
何も考えずに模写の練習を繰り返しても、あまり効果は得られません。効果を上げるコツの1つは、バランスを考えて模写をすることです。
具体的な方法としては、模写をするイラストを縦横それぞれ3等分し、9つのパートに分けて線を引くなどして、補助線(分割線)を引きます。
そして、模写するときは、これらの線を参考に、描いている部分の位置関係に注意を払って模写をします。
こうすることで、元の画の全体のバランスを考えながら模写ができるので、効率よく練習が行えます。
イラストは単純な図形の集まり
イラストは円や四角、三角など単純な図形の集まりともいえます。イラスト全体を線の集まりというよりは、図形の集まりとして捉えながら模写をしましょう。
髪の毛や、目、まゆ毛などの各パーツを、台形や楕円などに単純化して捉えましょう。そうすることで、線と線の間の空白(面)を意識した描き方が身につくので、効率的に上達することができます。
模写の練習を通してスキルをつける
模写の練習を通して、様々なスキルを身につけることができます。重要なスキルが身につくように意識しながら模写練習しましょう。
重要なスキルの1つは観察力です。模写をしても『似てない、なんか変だな』で終わってしまうことがあるかもしれませんが、『変だ』と気づいたことを、スキルアップに結びつけることが必要です。
そのためには、まずはよく観察すること、そして、考えながら描くことです。細部に集中する前に、模写をするイラストの全体をよく観察して、どのように表現しているのか理解するようにします。
模写の練習の始め方
初心者は、『どのイラストを模写すればよいのかわからない』というところでつまずきがちです。ここでは、模写の題材選びや、日々の練習の進め方について説明します。
模写の練習の題材を決める
模写の題材は、基本的には自分の好きなイラストや、好きな作家のものがよいでしょう。好きなイラストであれば、練習を続けるモチベーションが上がります。
しかし、複雑な作品を題材に選ぶと挫折する可能性が高いので、最初はシンプルなイラストを選ぶことをおすすめします。
スキルの幅を広げるには、人物の顔だけでなく、全身画、動植物画、風景画など様々なジャンルの題材を選ぶとよいでしょう。
毎日模写の練習をする
練習を行ううえでの注意点は、『毎日練習をすること』です。継続は力なりといいますが、毎日練習を繰り返すほうが、不定期にまとめて練習するよりも効果的です。
また、模写は最後まで描ききることが大切です。描ききると自信にもなるほか、効率的にスキルアップをすることができます。描ききるには、簡単なイラストからはじめるのがよいでしょう。
効率の良い模写練習方法
ここでは、効率良く効果をあげる模写の練習方法として、よく観察する方法、アタリをつけてイラストを描く方法、考えながら描く方法の3つを説明します。
絵を長時間みて観察力をつける
模写をする際、すぐに描き始めるのは、効率的な練習方法とはいえません。
すぐにでも描いていきたい気持ちも分かりますが、多少時間をかけて、模写をするイラストを観察・分析するほうが効率的に練習できます。
前述したように補助線(分割線)を引いて、模写をするイラストをよく観察しましょう。線の始点、長さ、描く角度や太さなどをよく観察します。遠回りに見えても、はじめに時間をかけて分析・観察することが上達の近道です。
アタリを描いて模写する
初心者が模写をすると、イラストが少し歪んでいたり、似ていなかったりすることがあります。
そこで、おすすめの方法は、『アタリを描く』ということです。アタリとは、細部を描く前に、イラスト全体の大まかな位置決めをすることです。
例えば、顔なら楕円を描き、鼻の頭が頂点になるように十字線を引くなど、下絵の骨格を描きます。模写をするイラストの位置関係をよく見て、アタリを引きましょう。
このアタリがしっかりしていれば、全体のバランスが崩れにくくなります。模写をする絵の位置関係をよく観察して、アタリをしっかり作りこんでから、細かく模写していくとよいでしょう。
頭で考えながら描くのがポイント
『よく考えながら描く』というのも大切なポイントです。人物を描く際は、以下のような点をよく考えながら模写の練習をしましょう。
- 骨格や筋肉を意識する
- 顔の大きさに対する全身のパーツの長さ、太さの比率を意識する
- カメラアングルを意識する
まとめ
模写の練習は、効率的に行うことで、イラストの上達に必要なスキルを身につけることができます。アタリからはじめて、全体のバランスをとることを意識し、よく観察して考えることで、効率的な模写の練習ができるようになるでしょう。