ibisPaint(アイビスペイント)でドット絵を描いてみたい……。
キャンバスやグリッド、ドット絵用のペンは、どのように設定すればよいのだろう?
今回は、アイビスペイントでドット絵を描く手順をご紹介します。
この記事の目次
初心者向け アイビスペイントでドット絵を描こう
「ピクセル」と「ドット絵」とは何か?
ピクセルはデジタルイラストの最小単位
イラストを最大倍率まで拡大して見てみると、様々な色をした正方形が並んでいることが分かります。
この正方形の点は「ピクセル」と呼ばれており、デジタルイラストを構成している最小の単位です。
このピクセルを意識的に配置して、絵として表現したものが「ドット絵」です。
ブラシで線を引く感覚とは異なり、ドット絵では、点を打つような感覚でイラストを制作していきます。
①キャンバスサイズを設定する
小さめのキャンバスがオススメ
マイギャラリーのメニューバーにある「+」ボタンを押して、新規ファイルを作成します。
大きいキャンバスだと細部まで拘ったドット絵が描けますが、色を配置する作業が大変になります。
最初のうちは、16px × 16pxや、32px × 32pxぐらいの、小さめのキャンバスサイズがオススメです。
ゲーム制作などで使われるドット絵は、データの効率を良くするため、2のべき乗のサイズで仕上げることが多くありました。
イラストの場合は、縦横の比率を自由に決めてOKです。
②グリッドを設定する
グリッドを表示する
1px × 1pxのドットを打って絵を制作するので、グリッドを表示しておくと便利です。
画面右上にある表示メニューボタンを押し、「グリッド」欄のスイッチをONにします。
また、下部にある「拡大時の表示」が「ドット」になっていることを確認します。
「なめらか」に設定されていると、キャンバスを拡大したときに輪郭がぼやけてしまいます。
続いて、「グリッド設定」のボタンを押します。
グリッドの枠線を調整する
「グリッド線1の間隔」のスライダーを1pxに設定します。
これで、グリッド線が1pxごとに引かれるようになります。
③ブラシを設定する
デジタルペンを使う
ツールバーの中の「ブラシ」から、「デジタルペン」を選択します。
「アンチエイリアス」をOFFにして、ブラシサイズを1pxに設定します。
「消しゴム」のブラシ設定も、同じくアンチエイリアスをOFFにしたデジタルペンが便利です。
アンチエイリアスは線を滑らかにする機能
アンチエイリアスは、描いた線の輪郭を滑らかにしてくれる機能です。
アンチエイリアスをONにして黒い線を引くと、周りに灰色のピクセルが描画されます。
余白と黒線の間に灰色が置かれたことで、引きで見たときに線が滑らかに見えます。
便利なアンチエイリアスの機能ですが、1px単位のドット絵では、意図しない色が置かれてしまうことになります。
ドット絵の場合は、アンチエイリアスをOFFにしておくと便利です。
デジタルペンでドットを打つ
設定をしたデジタルペンでキャンバスをタップします。
1pxずつ色を置くことができます。
④参考用の画像を下絵にする
参考用の画像を用意する
ドット絵に慣れないうちは、参考用の画像を下に敷いて練習するのもオススメです。
今回は、著作権フリーの写真サイト、「Unsplash」でダウンロードした写真を使います。
モチーフと背景の色がはっきり分かれている写真が、参考にしやすいです。
キャンバスに画像を読み込む
レイヤーウィンドウを開き、カメラアイコンの「フォトライブラリから読み込み」ボタンを押します。
読み込みたい参考資料の画像ファイルを選択します。
画像のサイズを調整する
32px × 32pxのキャンバスに収まるように、画像を縮小して配置します。
小さいキャンバスサイズ上に画像を表示することで、ピクセルが目で確認しやすくなります。
参考資料の不透明度を下げる
レイヤーウィンドウを開き、参考資料のレイヤーの不透明度を下げて薄くします。
その上に新規レイヤーを作成して、ドット絵を描いていきます。
⑤下絵を元にドット絵を描く
シルエットから取っていく
まずは、陰影などの細かい部分は考えずに、輪郭のシルエットから取っていきます。
さくらんぼの実の部分は、円形に近い形をしています。
写真をそのままなぞっても、歪んだ円形になってしまいます。
キャンバスを引きで確認してバランスを取りながら、歪みのないようにドットを打っていきます。
シルエットの完成
さくらんぼのシルエットが完成しました。
後で影色を塗りやすいように、赤色と緑色の部分はレイヤーを分けています。
クリッピングを使って、光や影を塗る
緑色を置いたレイヤーの上に新規レイヤーを作成して、矢印マークのクリッピングのボタンを押します。
クリッピングを設定したレイヤーは、下のレイヤーから色がはみ出さなくなります。
光や影を塗るレイヤーは、下地にクリッピングしておくと便利です。
ドット絵の完成
影やフレームの色を置いて、ドット絵が完成しました。
各色ごとに、新規レイヤーを作成しながらドットを打っています。
⑥作品の展示用に解像度を上げる
解像度の設定画面を開く
32px × 32pxの小さいサイズで作品を制作したので、サムネイルなどでは引き伸ばされて絵がぼやけてしまいます。
作品の解像度を大きく設定し直します。
ツール欄の下にある「キャンバス」を押して、「画像解像度変更」を選択します。
解像度を上げる
解像度の縦横のpxを上げます。
解説例では、32pxの20倍の640pxに設定しています。
そのまま解像度を上げてもぼやけてしまうので、計算式の設定をします。
「縮小計算式」を「サンプリング」にして、「拡大計算式」を「近傍近似」に設定します。
上記の設定で解像度を変更することで、ドット絵の形を維持したまま解像度を上げることができます。
⑦作品を出力する
画像を保存する
画面右下の矢印のボタンを押して、「画像を保存」を選びます。
ドット絵の形を崩さずに保存したいので、「ファイル形式」を「PNG」に設定して保存しましょう。
ドット絵専用のアプリを紹介した記事
この記事では、ドット絵用のペイントソフトを紹介しています。
ドット絵作品だけを制作したい場合は、専用のペイントソフトも検討してみてください。
まとめ
アイビスペイントでドット絵を描く手順の紹介でした。
キャンバスやブラシを設定することで、アイビスペイントでもドット絵が描きやすくなります。
アイビスペイントで、素敵なドット絵の作品を作ってみてください。