キャラクターの衣装をきれいに塗るためには、どうすればよいだろう?
布の質感の表現方法を、メイキング解説から学んでみるのもオススメです。
今回はX(旧:Twitter)から、大神はるきさんのご投稿を紹介します。
フリルの布の塗り方を見ていきましょう。
※この記事で紹介している内容はご本人の許可を得て掲載しています。
布(フリル)の塗り方をイラスト解説
布(フリル)の塗り方のメイキング
フリルの布の塗り手順を、ステップごとに分けてイラスト解説しています。
メイキングで使用しているペイントソフトは、CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)です。
1.線画を描いて下塗りをする
フリルの線画は、大神はるきさん自作のフリルブラシで描かれています。
このフリルブラシは、CLIP STUDIO ASSETSから無料でダウンロードできます。
線画を描き終えたら、単色で下塗りをしましょう。
2.影を置く
フリルの根本や折り目に沿って、濃い影を置きます。
解説例では[Gペン]を使っていますが、別のブラシを使ってもOKです。
下塗りレイヤーの上に、合成モードを「通常」に設定したレイヤーを作り、クリッピングをして影を塗っています。
3.影の境界をぼかす
影の境界を[エアブラシ]ツールでぼかします。
布が裏側に回り込む箇所はぼかしません。
ぼかさない箇所は、下記の塗り方をしてもOKです。
- ぼかしを加える
- 硬い消しゴムで消す
- キワを描き足す
4.影を伸ばす
ぼかしの効果を出せる[色混ぜ]ツールの中に、[指先]のサブツールがあります。
[指先]を使って影を伸ばします。
5.大きい影を塗る
大きく影になる部分の境界線を、[エアブラシ]で縁取ります。
6.大きい影の内側をぼかす
[色混ぜ]ツールを使って、フチ取った内側をぼかします。
7.大きい影を軽く消し、透明感を出す
[消しゴム]ツールの[軟らかめ]を使って、布の裾の重なっていない箇所を軽く消します。
メイキングで塗っているフリルは薄い布であるため、透け感を出す目的です。
8.ディテールを描き込む
薄くなってしまった部分を再度描き込み、細かいディテールの追加をします。
9.布の裏側を塗る
新規レイヤーを作成して、合成モードを「乗算」に設定します。
クリッピングをして布の裏側を塗ります。
10.布の裏側を軽く消す
アウトラインの折り目の部分に、[消しゴム]ツールの[軟らかめ]を乗せます。
11.赤と青の色味を加える
影を塗ってきた通常影レイヤーのクリッピングを、一旦外しておきます(この操作で、通常影レイヤーに対してクリッピングができるようになります)。
その後、合成モードが「オーバーレイ」の新規レイヤーを作り、通常影レイヤーにクリッピングします。
オーバーレイのレイヤーには、影と光の境界部分に赤色を塗ります。
境界の内側には、青味のあるグレーを塗ります。
オーバーレイのレイヤーと通常影レイヤーは、フォルダーに格納して下塗りレイヤーにクリッピングし直します。
もしくは、オーバーレイのレイヤーと通常影レイヤーを結合して、下塗りレイヤーにクリッピングしてもOKです。
12.黄と紫の色味を加える
全てのレイヤーを1つのフォルダーに格納します。
その上に、合成モードを「加算(発光)」に設定したレイヤーと「乗算」に設定したレイヤーを作成します。
加算(発光)のレイヤーには、光の当たる箇所に黄色っぽい色を入れます。
乗算のレイヤーには、布の下の方に紫っぽいグレーを置きます。
これで、フリルの布が完成しました!
フリルの形の描き方を解説した記事
こちらの記事では、フリルの種類や形の取り方のポイントを解説しています。
フリルのラフ・線画を描く際に役立ててみてください。
まとめ
フリルの布を塗っていく手順の解説でした。
布の質感が出せずにお悩みの方は、大神はるきさんのメイキングを参考にしてみてください。
衣装の陰影をきれいに塗ることができれば、キャラクターも引き立つと思います。
最後に、大神はるきさんのプロフィールをご紹介します。
大神はるきさんは、キャラクターのデザインやイラストレーション、モデリングを制作していらっしゃいます。
他にも素敵なイラストや3Dモデルを投稿されているので、ぜひご覧ください!