マンガを描いてみたいけど、肝心のストーリーが思い浮かばない……。
そんなときは、最初に「起承転結」を踏まえたプロット(設計図)を書いてみるのもオススメです。
今回はpixivから、流星群さんのご投稿を紹介します。
マンガ初心者のためのプロット講座を見ていきましょう。
※この記事で紹介している内容はご本人の許可を得て掲載しています。
この記事の目次
マンガのプロットの書き方
マンガ初心者のためのプロットの書き方を解説しています。
マンガは描きたいけど話が思い浮かばない……といった方は、ぜひ参考にしてみてください。
①プロットを書いた方が良い理由
マンガ制作にありがちな失敗
- マンガは描きたいけれど、話が思いつかない
- マンガを描いてみたけど、話が続かない
- 最後まで描けたけど、意味が分からなくなっている
マンガを制作する上で、上記のような経験をされた方も多いのではないでしょうか。
思いつくままにマンガを描いても、途中で話が分かりづらくなってしまいます。
最初にプロットを書こう
分かりやすいマンガにするために必要なものが、話のもと(プロット)です。
最初にプロットという設計図を書いておくことで、プロットに基づいて効率良くマンガを描き進められます。
②プロットを書く上では「起承転結」が重要
起承転結とは何か?
全ての物語は、起承転結を基に構成されています。
起承転結さえ踏まえていれば、一通り筋の通った話を作ることができます。
- 「起」 話の始まり。物事が起こるきっかけ。
- 「承」 話のヤマ場に向かって事が進んでいく。
- 「転」 話のヤマ場であり大きな見せ場。急展開が起こる。
- 「結」 その後はどうなったか、結果やオチの部分。
起承転結が欠けるとどうなる?
起・承・転・結のいずれかが欠けると、話として成立しなくなってしまいます。
「起」がない場合
話の始まりが分からないため、どこへ向かって話が進んでいるのかも分からずに混乱してしまいます。
主人公がどんなキャラなのかもハッキリしません。
「承」がない場合
話の始まりから、いきなりヤマ場がくる展開になってしまいます。
「どうしてこうなった?」と読み手を困惑させてしまい、いきさつの分からない話になってしまいます。
「転」がない場合
話の中で一番目立つ部分が抜けると、つまらない話になってしまいます。
読んでいる途中で飽きられてしまうかもしれません。
「結」がない場合
最後にどうなったのかが不明のまま終わるため、読み手は「だからどうなったんだよ!」とモヤモヤしてしまいます。
話をスッキリ完結させるためにも、結末は必要です。
起承転結を守って話を作ろう
起承転結がバラバラになっても支離滅裂になってしまいます。
最初に何が起きて、どのように話が進んで、どんな展開がきて、最後にどうなったのか、起承転結を守って話を作るようにしましょう。
いきなりストーリーマンガのプロットを書くのは、初心者の方には難しいです。
まずは、起承転結が分かりやすい4コママンガから描くのがオススメです。
③4コママンガを描いてみよう
4コママンガから始めてみよう
ストーリーマンガの話を考える前に、まずは4コママンガから描いてみましょう。
近代では目にすることも多い4コママンガは、構成がシンプルなので起承転結も明確です。
ストーリーマンガは、4コママンガを長く複雑にしたものとも言えます。
1コマずつ起・承・転・結を入れていく
4コママンガは、最初のコマに「起」、2コマ目に「承」、3コマ目に「転」、最後のコマに「結」が入るように構成されています。
何かを思いついたら、まずは4コマで表現してみましょう。
4コママンガの描き方
コマ内に描くキャラクターは、棒人間で問題ありません。
慣れてきたら自分のキャラクターに置き換えてみましょう。
テーマは何でもよく、今日自分が体験したことや小さな発見でも、4コマにしてみると面白くなるものです。
4コママンガを描き終えたら、自分で読んでみて筋が通っているかを確認してみましょう。
④ストーリーマンガを描いてみよう
4コママンガを描くことに慣れてきたら、ストーリーマンガに挑戦してみましょう。
いきなり長い話を書かなくてもよく、ショートストーリー(短編マンガ:4ページぐらいや、10ページ以下のもの)から始めるのがオススメです。 お気に入りの4コマを基に書いてみるのも良いかもしれません。
「起」を考える
「起」は物語の始まりで導入の部分です。
- 主人公(メインキャラ)を考える
- 物語の舞台(学校など)を考える
- 何がきっかけで話が始まるのか?
- 主人公はどんなキャラなのか?
- サブキャラを最低一人は考えておく
- サブキャラが出る場合は、主人公との関係をハッキリさせる(友達・ライバル・先輩や後輩など)
「承」を考える
「承」では話が進みます。
- どこへ向かって話が進むのか?(優勝・両想い・親友になる・問題の解決など)
- 話が最初から逸れていないかを見直す
- ヤマ場を考えてどこまで進めるか?
- サブキャラの二人目を出したい場合、どの場面で登場させるか?
「転」を考える
「転」は物語のヤマ場です。
- どの場面を目立たせるか?(決定的瞬間・告白・大奮闘・まさかの展開など)
- 話の方向性が間違っていないかをチェック
- どうやって結末と繋げるか?
- 結果が分かりづらくなる展開は避ける
- 急展開が起こる場合、主人公とサブキャラの関係はどのように変化するのか?
「結」を考える
「結」は物語の終わりです。
- ヤマ場の後はどのような結果になったのか?(ハッピーエンド・バッドエンドなど)
- 主人公だけでなく、サブキャラもどうなったのかを明確にする
- 中途半端な終わり方になっていないか?
- 最初から最後まで通して読んでみて、筋が通っているか?
- 気持ちの良い終わり方を見つけ出す(念願が叶う・サクセス・再開など)
連想から考える
起承転結から考えてみても話が出てこない……という方は、連想から物語の舞台やキャラクターを考えてみましょう。
連想をすることで、想像力を鍛えながらアイデアを出すことができます。
話を考えるのが得意な人は、想像力も豊かです。
想像・連想・空想をすることで、自分だけの世界を作り出して表現することができます。
皆さんもいっぱい想像してみましょう!
連想の例を載せています。
学園モノ・ファンタジー・SFといった根幹のテーマから、言葉を連想をしてみてください。
言葉を連想した後は、起承転結と組み合わせてプロットを書いてみましょう。
プロットの書き方
プロットを簡単に言うならば、マンガの話を小説のような文の表記にしたものです。
実際の小説のように凝った文を書く必要はなく、人物の気持ち・セリフ・状況など、筋書きや展開を起承転結に沿ってシンプルに書いていきましょう。
プロットを書いた後は、プロットを基にしてマンガを描き起こしていくだけです。
次の項目では、ネームに役立つ人物のクローズアップ方法を解説しています。
人体をクローズアップして、キャラクターの行動や気持ちをコマ内で表現してみましょう。
⑤顔マンガを卒業する!人物のクローズアップ方法
顔をアップで写す
- 喜び
- 悲しみ
- 驚き
- 絶望
- にこにこ(嬉しさ)
- 怒り
- 自信に満ちている
コマ内で顔をアップにすると表情が強調されます。
キャラクターの感情を伝えたいときには、顔をアップにしてみてください。
目をアップで写す
- 憧れ
- 好き
- ときめき
- 驚愕
- ショック
- ハッとする
瞳孔を小さく描くと、驚いている様子を表せます。
ハイライト・効果を多く入れることで、憧れている様子を表すことができます。
口元をアップで写す
- 意見の主張
- 叫ぶ・呟く・ささやくなど
- 謎の人物の登場
- 企み
- 微笑み
口元をアップにすると、意見を主張している様子や何かを企んでいる様子を強調できます。
シーンに合わせて口の形も描き分けてみてください。
後ろ姿を写す
- 去っていく・帰っていく
- 寂しげ・切なげ
- 哀愁が漂う
- 暗め
- ネガティブ
人物の後ろ姿は沈んだ雰囲気を表すことができます。
キャラクターの感情に合わせて使ってみましょう。
手をアップで写す
- 決意・悔しさ
- 物に手をそっと近づける
- 慎重、両手で懇願
- 手を繋ぐ
ギュッと握った拳をアップで写すことで、決意や悔しさを表現できます。
手を繋いでいるときに手をアップで写すと、シーンを強調できます。
足をアップで写す
- 歩く・走る・立ち止まる
- 逃げる
- 追いかける
- つまずく
- 必死
- 前向き・突っ走る
- 悩む・迷う
- 信じる・軽快
- 恐怖・震える・足取りが重い
歩いたり走ったりしているシーンや何かから逃げるシーンでは、足をアップにするのも効果的です。
横向きで写す
- 期待・ワクワク・悲しみ
- サブキャラと会話中
- 気になる人がいる
- チラ見・様子を伺う
会話をしているシーンや様子を伺うシーンでは、キャラを横向きで写すのもオススメです。
表情と組み合わせることで、期待している様子や悲しんでいる様子も表現できます。
全身を写す
- マンガの冒頭
- 見せ場
- 明るい・ポジティブ
- 活躍
- 変身・イメチェン
- ハキハキしている・堂々としている
全身を写すことで体格や服装が読み手に伝わり、どんなキャラクターなのかが一目で分かります。
冒頭や見せ場のシーンでは、キャラの全身を描いてみてください。
アオリ(ローアングル)で写す
- 戦う・立ち向かう
- ガツンと何かを言う
- 意を決して行動に出る
- 度胸がある・勇気がある
- 凛々しい・カッコいい・強い
アオリのアングルでは、キャラクターの勇ましい様子を表現できます。
何かと戦うシーンや立ち向かうシーンに使ってみましょう。
フカン(ハイアングル)で写す
- 寂しい・悲しい・落ち込む
- 後ろめたい・ネガティブ
- 誰かを待っている
- 自身がない・不安
- 孤独・諦め・元気がない
アオリとは対照的に、フカンのアングルではネガティブな印象を強調できます。
寂しさや悲しさを強調したい場合に使ってみてください。
マンガのプロット用アプリ
「ストーリープロッター」は、ネタ帳やプロット制作に役立つアプリです。
プロットを管理するアプリをお探しの方は、ストーリープロッターを使ってみてください。 iOS・Android版に加えて、現在ではPC版もリリースされています。
まとめ
マンガのプロットの解説でした。
マンガの話を整理しながら効率的に制作していくために、最初にプロットを作っておきましょう。
「起承転結」に沿ってプロットを作ることで、筋の通った分かりやすいマンガにすることができます。
マンガの話が思いつかなくてお悩みの方は、流星群さんの解説を参考にしてみてください。
最後に、流星群さんのpixivとYouTubeチャンネルをご紹介します。
流星群さんのpixivやYouTubeチャンネルでは、他にも素敵なマンガやイラストを投稿されているので、ぜひご覧ください!