Live2D用のキャラクターを描きたいけれど、パーツはどのように分ければよいのだろう?Live2Dでモデリング作業がしやすいように、キャラクターのパーツを分けたいですね。
今回は、Twitterから谷屋楽さんのご投稿を紹介します。Live2D用のキャラクターイラストを描く際の、パーツ分けのポイントを見ていきましょう。
※この記事で紹介している内容はご本人の許可を得て掲載しています。
この記事の目次
Live2Dのパーツ分けを解説
Live2Dとは何か?
Live2Dの概要
突然ですが再受肉しました!!
ただいま~~~~!!!!!!?????#VTuber自己紹介 #新人VTuberではない #絹漉もめん #Live2Dhttps://t.co/KyxQ6ez6pX pic.twitter.com/itMpPBn9zj
— 谷屋楽(=絹漉もめん)? 再受肉!(固定) (@taniya001) November 16, 2022
Live2Dは、キャラクターイラストを立体的にアニメーションさせることができるソフトウェア・技術の名称です。
キャラクターイラストを動かしたいパーツごとに分解し、Live2Dで読み込んで演技やアニメーションを作っていきます。
様々なゲーム・アニメ・Vtuberが、Live2Dの表現技術を採用しています。
Live2D用のキャラクターイラストにはパーツ分けが必要
Live2Dのモデリング作業では、まつ毛や目、腕や胴体など、キャラクターのパーツごとにモーションをつけていきます。
そのため、パーツごとにレイヤーを分けたPSDファイルを用意する必要があります。
Live2Dのパーツ分けTips
谷屋楽さんのオリジナルキャラクター「烏十 戝」さんで、Live2Dのパーツ分けのポイントを見ていきましょう。
Live2Dでキャラクターをきれいに動かしたい……、Vtuberのイラスト制作の依頼を受けたけどLive2D用のパーツ分割が分からない……という方はぜひ参考にしてみてください。
絵描きとモデラーで協力してLive2D用のキャラクターを作る
当解説では、キャラクターイラストを制作する絵描きと、Live2Dでモデリングをするモデラーの二人で作業をすることを想定しています。
このTipsの分割例は、あくまで作業上の最終形であり、イラストレーターの方に全ての工程を求める意図はありません。
絵描きが分からない部分は、モデラーが分割してくれるので、無理はしなくてよいとのことです。
重なっている部位だけはレイヤーを分ける、という基本は守るようにしましょう。
Live2D用のイラスト①.口のパーツ分け
口は色々な作り方がありますが、谷屋楽さんはマスクを用いる方法を使用しているとのことです。線のキワにだけ、隠すための肌色を乗せることが多いそうです。
よく分からない場合は、線画だけをレイヤー分けしておけば、モデラーが作ってくれるので間違いが起こりません。
口のオススメの分割方法
- 口の輪郭
- 歯(上下)
- 舌
- 口内
舌と口内を分けることによって、口に立体感が生まれます。
基本的にはモデラーが分割してくれるので、まとめてしまっても問題はありません。
口を大きく開けた絵を用意するのが好ましい
ある程度の大口を開けた絵を用意しておくと、変形した口も作りやすくてモデラーが助かります。
基本的に口は変形で作りますが、谷屋楽さんは閉じ口を別パーツにして切り替える手法を好んでいるとのことです。
Live2D用のイラスト②.髪のパーツ分け
重なっているパーツは分割しよう
重なっているパーツは、すべて分けておくと都合がよいです。
モデラー側で塗りを補完して分割することも可能ですが、塗り足しをすることになってしまいます。
表裏のある髪は、表と根本で別レイヤーに分けます。 よく分からない場合はモデラーが分割するので、房ごとに大雑把に分割しておきましょう。
主に後頭部など、重なって見えない部分も描き込んでおくと、モデラーは感激するとのことです。
Live2D用のイラスト③.目のパーツ分け
基本的には、上まぶた・瞳・瞳のハイライト・白目・下まぶた・まつ毛などのパーツごとに分けておきます。
隣接していないパーツはモデラーが分けることができるので、まとめてしまっても大丈夫です。
まぶたのオススメの分割方法
Live2Dでは、まぶたは一本の棒を動かすイメージで変形すると、きれいに形が作れます。
そのため、まつ毛や目尻など、飛び出た部分は別パーツにしておきましょう。下まぶたのハイライトや影も別パーツにしておくと、モデラーは助かります。
また、重なっているパーツは、下パーツに食い込むように塗り足しておきます。
Live2D用のイラスト④.顔の塗り方
Live2Dのパーツ分けの都合で、口の周りは肌色で隠す必要があります。
そのため、口の周辺にグラデーションが被らないようにしましょう。輪郭の周りに影を落とす程度であれば問題ありません。
頬の赤みが口の周辺にもかかっていると、口内隠しの色と重なって不自然になってしまいます(頬の赤みのレイヤーを分けることで解決できます)。
また、可能であれば前髪の影も分けておくと良いです。
Live2D用のイラスト⑤.服のパーツ分け
重なっている部位(特に首)は分けよう
他の部位と同じく、重なっている部分を分けておけば問題ありません。
特に、首は分けて作っておきましょう。
下に重なる部分の塗り足しが用意されていると、モデラーの好感度が上がります。
モデラーと相談も必要
ヒジ周りはモデラーによって作り方が変わるので、相談が必要です(絵描き側の人は繋げて描いても構いません)。
首から下は左右対称にするメリットも少ないので、ポーズをつけても大丈夫です。ただし、モデラーと相談をしておく必要があります。
Live2D用のイラスト⑥.追記
この項目では、谷屋楽さんがLive2Dのモデリングの依頼を受ける際に、拘っていらっしゃるポイントを紹介しています。
表情
表情に拘りがあれば、ラフを用意しておくと表情を再現してくださるとのことです。表情の差分作りも可能とのことです。
ラフは必須ではなく、ラフが無い場合は独断で表情をつけてくださるそうです。
母音の口の形状
表情と同じように、母音の形状のイメージがあれば再現してくださるとのことです。
こちらも必須ではなく、ラフが無い場合は独断で形をつけてくださるそうです。
顔の輪郭(斜め横)
斜め横を向く際の輪郭の形などにも拘りがあれば、再現してくださるそうです。「なんとなくこうしたい」ということが分かるラフで構わないとのことです。
ラフが無い場合は、独断で補完してくださるそうです。
まとめ
Live2D用のキャラクターを描く際の、パーツ分けの解説でした。
重なる部分はパーツを分けたり、塗り足しを用意しておいたり、Live2D用のパーツ分けには様々なポイントがあります。谷屋楽さんの解説を参考にして、モデリング作業を踏まえたパーツ分けをしましょう。
最後に、谷屋楽さんのプロフィールをご紹介します。
谷屋楽さんはLive2Dのモデラーをしていらっしゃり、Vtuber活動(絹漉もめん)もしていらっしゃいます。素敵な動画を投稿されているので、ぜひご覧ください!