『デッサンの描き方を詳しく知りたい』という方も多いのではないでしょうか。しかし、忙しくてデッサン教室に通う暇もないとお悩みの方はぜひ、網羅的にまとめられた本を活用してみましょう。対象別にまとめたので参考にしてみてください。
この記事の目次
何を描くにもデッサン力が重要
デッサンの定義は人によって異なりますが、基本的に模写することです。デッサンはすべての絵の基礎になります。
デッサンの練習をおろそかにすると、表面的には描けていてもディテールの表現ができず、どこかで絵のスキルが頭打ちしてしまいます。
本当に絵が上手な人は、デッサンを繰り返し練習し、物の構造や特徴を掴む能力に長けています。
皆さんも今日からデッサン練習を繰り返し行ってみましょう。
デッサン力を養い自然な絵に
デッサン力がなければ、決してリアルな絵を描くことはできません。影の強弱や物の質感が不自然になってしまいます。
さらに問題なのが、デッサン力が欠落していても、自分ではどこが悪いのかなかなか気づけない点です。絵が上手な人が見たときに、アートとして認めてもらえないのがデッサン力の足りない絵なのです。
観察力と客観的な判断力
対象を模写することがデッサンです。模写を行うということは、様々な視点から分析を行っていくことと同じで、『観察力』が身につきます。
何度も観察しているうちに、影のつき方・模様・質感・凹凸など今までは気づけなかった部分が見えてくるでしょう。デッサン力のある人とない人の絵では、捉えられる情報量が異なるため、絵の深みに差がうまれるのです。
人は物を目で見て脳に情報が届き、脳で変換して知覚します。この時に、脳で変換された情報には、人それぞれのバイアスがあるため、同じ物を描いても違う物のように仕上がってしまうことが多くあります。
デッサンはその主観を取り除く訓練でもあるのです。アートといえど客観性は重要で、客観的な視点を持った上で技法を用いて個性を表現するのが本物のアートと呼ばれるのです。
対象別のおすすめ本
デッサンと一括りにしても、人によって描きたい対象は違うと思います。デッサンの基礎を学ぶ本に加え、対象別に人体と風景デッサンを行うために読むべき本を紹介します。
デッサンの基礎が分かるおすすめ本
まず最初に紹介する本は、『基礎から身につくはじめてのデッサン-形のとり方から質感まで鉛筆デッサンの基本がわかる』です。
物の材質や、図形の描き方から学ぶことで、デッサンを基礎から学ぶことができます。はじめてデッサンを独学で行う方であれば、この本を手に取ると良いです。
また、『デッサンの基本』は理論を体系的にわかりやすく学ぶことができるので同時に購入するのもありです。入門書として不自由することはありません。
人体デッサンが分かるおすすめ本
『人体のデッサン技法』は、人体のデッサンを本格的にはじめたい方におすすめです。顔や体などの各パーツ構造、描き方が事細かに書かれています。
例えば、体なら筋肉の構造、骨といった内部まで人体構造を確認することができます。切り口も多く、同じ物体の異なる表現方法の解説や、男女の体の違い、絵を単純化する技法など盛りだくさんになっています。
風景デッサンが分かるおすすめ本
続いて紹介する本は、風景のデッサンのための本です。『風景デッサンの技法』はビルや自動車といった、日常生活においてよく目にする物の描き方を学ぶことができます。
例えば自転車を描くにしても、様々な角度から繰り返し練習できるような構成になっています。漫画やアニメで人物を描くときも、必ずどこかに物は出てきますので、1度学んでおくと便利でしょう。初学者にもわかりやすくまとまっています。
イラスト全般に活用できる本
まずはイラスト全てに関する本のなかでも、全てにあてはまる『塗り』に関して書かれた『デジタルイラストの「塗り」事典 CLIP STUDIO PAINT PROで描く! 多彩な描画のテクニック56 (デジタルイラスト描き方事典)』は通読しておく価値があります。
この本では11人の作家のキャラ塗りテクニックが解説されています。アニメ塗りや和風塗り、ブラシ塗りなど様々な技法が紹介されています。
さらに、配色やエフェクトの付け方にも言及しており、網羅的で完成度の高い一冊になっています。色々な作家の技法を試してください。
パースを学ぶ為のおすすめ本
パース、つまり遠近法を学ぶことにより、絵に立体感が出てきます。初心者がつまずきやすいくポイントですが『初めて学ぶ遠近法』は、パースを学ぶ上で最もおすすめです。
デッサン経験がそれなりにある人なら、当たり前に感じる概念も、初学者のために基礎の基礎から丁寧に解説されています。初心者の独学でも詰まることはないと思います。20年以上にわたって、愛されてきた不朽の名作であり、著者であるフィリップ・メッツガーが開発した独自の手法を学び、パースをマスターしましょう。
光や色彩の描き方が分かるおすすめ本
『カラー&ライト ~リアリズムのための色彩と光の描き方~』では、豊富なイラストと解説を基に、光と色彩の扱い方が学べる一冊となっています。
自分の絵に活かせるようになるには、この本で、光の性質や色の特徴を知り、科学的な概念や実践的な手法までを1通り学ぶのが1番の近道です。初心者でも挫折しないように、平易な表現が文中に多いのもおすすめのポイントです。
まとめ
何を描くにしてもデッサン力は重要です。観察力を養い、絵に客観性をもたせましょう。デッサン練習を独学で学びたいときは『デッサンの基礎』からはじめ、人や風景など、テーマ別にまとめられた書籍を活用するのも1つの手です。