最初は楽しく描いているだけのイラストも、ある程度上達するともっと上手くなりたいと思うものですよね。しかし、なかなか思い通りにいかず行き詰まってしまうこともあります。本記事ではそんな壁を乗り越える練習のコツと、役立つアプリをご紹介します。
この記事の目次
上達するための練習には模写がおすすめ
ただ自分の好きなものを好きなように描いているだけでは、イラストは上達しません。
イラストの上達に最も効果的なのは、上手な人の絵を模写することです。模写することで、何が自分に欠けているのかに気づくことができ、上手に描けない理由もわかってきます。
髪型はどう描けば自然に見えるか、背景をどのようにすればイラストのメッセージを伝えられるかなど、総合的に考える力も身につきます。
まずは好きな絵や漫画を模写
模写する作品は、自分の好きな作家の絵や、こんな作品を描いてみたいと感じる絵から選んでみましょう。このとき、1人だけでなく複数の作家の絵を選んで順番に模写していきます。
対象はイラストだけでなく、絵画や漫画でも構いません。好き・描きたい、という主観的な視点で良いのです。いくら世間の評価が高くても、自分にとって興味のない作品を無理に模写しても楽しくありません。楽しずに絵の練習が苦痛になってしまっては本末転倒ですから、最初は好きな絵を楽しみながら模写することに専念してください。
ひたすら模写し、数をこなす
対象が決まったら、ひたすら模写を練習しましょう。タイプの違う作品をローテーションすると、飽きずに描き続けることができ、バランスよく上達することができます。
このとき、ただ漫然と写すのではなく『考えながら描く』のが上達のコツです。絵の上手下手は、生まれ持ったセンスや才能が全てのように思われがちです。もちろんセンスも必要ですが、上手な絵というのはきちんとした論理や知識に基づいて描かれているものです。
模写しながら『なぜこの描き方なのか』や『ほかの描き方をしたらどうなるのか』というよう、思考錯誤することで、イラストを描くために必要な論理が身につきます。
描くために必要な知識をつけよう
イラスト上達のためには、知識も必要です。人間を描くなら人体の構造などについての知識をつけなければなりませんし、効果的な配色や構図などの描画技術についても、たくさんのことを知っているほうが有利です。
関節などの体のパーツについて知る
顔を描くのは得意なのに、体を上手に描けないというケースは多くあります。
人体は複雑なので、骨格や関節、筋肉のつき方などの構造を知らなければ、バランス良く描くのは難しいのです。逆にそうした知識があれば、いろいろな動きやポーズが簡単に決まるようになります。普段から自分や家族、友人など実際の人間をよく観察してみましょう。たとえば『手首~肘』や『肘~肩』の長さを測ってみると、ほとんど同じ長さであることを発見できます。
次回腕を描くときは、肘を中心に長さを1対1の比率にすればよいとわかりますね。これは動物や植物でも同じことです。本物や写真を参考に、どんな構造になっているのかを意識しながら描くようにしましょう。
色や構図について学ぼう
同じキャラクターでも肌や瞳・髪・洋服の色を変えことで、別の人格に見えてしまうほど、色使いは重要です。つい自分の好きな色ばかりを使っていると、いつも同じような雰囲気になってしまいます。影やグラデーションのつけ方も理解しなければ、のっぺりとしたイラストになってしまいます。模写をする際は色にもを意識を向けてみましょう。
また、構図というのはキャラクターをどの辺りにどの大きさで描くかといった全体の構成のことです。同じものを描いていても、位置や大きさを変えるだけで観る人の印象は大きく変わります。表現したいイメージを的確に伝えるために、色や構図の知識は必要不可欠なのです。
イラスト練習に使えるアプリをご紹介
最後に、イラストの練習に最適なアプリを紹介します。模写するときやの色や構図の研究に役立ててくださいね。
アイビスペイントX
無料版でもストレスなく使える、充分な機能を備えたお絵描きアプリです。スマホやタブレット内の画像を取り込む機能を使えば、アナログで描いた下絵に色をつけたり、模写用のイラストや写真をトレースしたりできます。
また、レイヤーやクリッピングといったパソコンソフト並みの機能や、豊富なブラシ、背景素材も無料で使うことができます。これ1つでデジタルイラストの基本スキルを、充分に身につけることができます。
pixivコミック
漫画を模写したいときに使える、イラストや漫画の投稿サイト『pixiv』の公式アプリです。掲載されている漫画数が国内最大と非常に多く、毎月たくさんの新作が公開されるため、お気に入りの漫画がきっと見つかります。
基本的には全て無料で読み放題で、読むだけならログイン不要という手軽さもうれしいですね。プロの漫画家の作品だけでなく、アマチュアの投稿作品も多くあるので、好きな作家を見つけて応援したり、自分のモチベーションをあげたりすることにも活用できます。
イージーポーザー
デッサン用のモデル人形をデジタル化したアプリです。アプリ内の3DCG人形を動かして好きなポーズで保存し、画像として出力できます。それをアイビスペイントXなどのお絵描きアプリに読み込めば、ポーズを描く練習や下絵に活用できるのです。
初心者でも簡単に使えるよう、あらかじめ100種類のポーズが用意されていたり、正中線やボックス表示で動きや立体感をつかむことができたりと、練習に最適なアプリです。無料版では男性の人形しか使えませんが、練習するには充分でしょう。
まとめ
イラスト上達のコツは『上手な絵を模写すること』と『描き方の知識の習得』です。絵は描けば描くほど上達します。便利なアプリを活用して、毎日コツコツ練習を積み重ねてくださいね。