着物とセットで描くことが多い「履物」。履物にも様々な種類があるので、しっかりと形状を知って、間違いのないようにしておきたいところです。
そこで今回は、履物についてTwitterにまとめていらっしゃった、幸翔(ユキカ)さんの解説イラストから、履物の種類を見てみましょう!
※この記事で紹介している内容はご本人の許可を得て掲載しています。
Twitter 「幸翔さん 着物の種類がうっすら分かったような感じになるほわっとした解説」履物の種類の解説
履物(女性篇1)
浴衣から普段着の履物を見ていきましょう。
芳町(よしちょう)
昔、女性用の履物は歯が低く作られていましたが、下駄の寿命が低くなるため、これを嫌った芳町芸者が背の高いものを依頼して、男性用と同じくらいの高さとなったそうです。
相右近(あいうこん)
歯が低いので、歩きやすそうです。
相千両(あいせんりょう)
前歯が前のめりになっていることから、「のめり」とも呼ばれているそうです。
相小町(あいこまち)
後ろの歯が丸いため「後丸」とも呼ばれているとのこと。昔は、結婚前の若い女性が履いていたそうです。
続いて、普段着からおしゃれ着の履物です。
八分一枚芯の草履
横から見ると、1枚貼りです。
現代芯の草履
上から見ると八分一枚芯の草履と同じ形ですが、横から見ると高さがあります。
カレンブロッソの草履
かかとが水跳ね防止でカットしてあります。高さはありますが、歩きやすいとのことです。
蒔絵付き芳町
絵の描いてある芳町下駄となっています。
履物(女性篇2)
訪問着や付け下げなどの準礼装、振袖や留袖などの正装で着用する履物です。
3枚芯の草履
横から見ると3段になっており、皮またはエナメルの草履となっています。
畳表(たたみおもて)の草履
横から見ると5段になっており、竹皮を編んだものです。
南部表(質の良い畳表)の下駄
南部藩の下級武士の内職で作られていたとのことです。
つや消しの黒草履
お葬式用なので、キラキラしたものは厳禁とのことです。
草履の高さ比較
草履の高さを比較してみましょう。
左の草履ほど芯が少なくカジュアル用で、右にいくほど芯が多くフォーマル用となっています。
履物(女性篇3)
その他の履物です。
ぽっくり下駄
近年では、結婚式や成人式でも用いるとのことです。畳表、漆塗り、桐台など、様々な種類があります。
3枚歯の黒塗り高下駄
花魅道中(おいらんどうちゅう)で、花魅が男衆の肩を借りながら、歩く時に履いているものです。歩きにくく、重いとのことです。
雨下駄・雨草履(時雨下駄・時雨履き)
雨雪兼用もあり、デザインは雨用寄りとなっています。
雪下駄・防寒草履
底には滑り止めの金具や、ゴムが付いている場合もあり、下駄は歯の間に雪が詰まるのを防ぐため、歯が斜めに作られています。
履物(男性篇)
普段着、準礼装、正装の履物です。
畳表の雪駄(せった)
普段履きから、慶弔で使われています。
台と鼻緒が白いものは祝い、鼻緒の黒いものは葬い(地域による)、その他は普段用となっています。
草履
革張り、畳表など、様々な種類があります。
右近下駄
普段向きの下駄です。
二枚歯下駄
桐や高下駄、継ぎ歯でない一枚彫りなどの種類があります。
鎌倉彫下駄
左右で対の彫刻が施されています。脱いだ時にしか分からない、粋なデザインとなっています。
丸下駄
"円"と"縁"にちなんで、祝いや贈り物に向いているとのことです。
まとめ
履物の様々な種類・形状を知ることができました。浴衣や普段着では何を履くのだろう?男性と女性で履物の違いはあるのだろうか?そんな時は、幸翔さんの、履物の解説イラストを、ぜひ参考にしてみてください。
最後に、幸翔さんのホームページ、Twitter、Pixivをご紹介します。幸翔さんは、イラストレーター、漫画作家として、多方面でご活躍されていらっしゃいますので、ぜひご覧ください!
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