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「魅惑の女性画展」出展作家、甲斐千鶴先生にインタビュー!

更新日:2018.05.02

2018年3月1日(木)から14日(水)にかけて、横浜ワールドポーターズにあるMERRY ART GALLERY別館で「魅惑の女性画展」が開催されました。
従来の美人画には無い、可愛らしさなどの作風の要素も取り入れたこの新しい美人画展は、今回で4回目を迎えます。様々な美人画が飾られる中で、黄色いミモザに囲まれた女性が印象的な美人画を描いた作品、「拝啓 ミモザの君へ 。」

今回は、その「拝啓 ミモザの君へ。」の作者である甲斐千鶴先生にインタビューをさせていただきました!甲斐先生は、現在ソーシャルゲームのお仕事をメインにフリーイラストレーターとしてご活躍されている他、パルミーで和風イラスト講座の講師を務められています。出展作品の裏話や、甲斐さんのイラストへのこだわりについて伺いました。


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魅惑の女性画展の会場の様子

画展会場は横浜ワールドポーターズの2階にある、コレクションマーケット内のMERRY ART GALLERY別館です。

魅惑の女性画展

壁や机に作品が並べられています。出展作品が多く見応えがあります。

魅惑の女性画展02

甲斐千鶴先生の作品

今回お話を伺った甲斐千鶴先生の作品、「拝啓 ミモザの君へ。」美しい日本人女性がミモザの花に囲まれて伏し目がちに微笑んでいる、幻想的な美人画です。

「拝啓 ミモザの君へ。」

甲斐千鶴先生にインタビュー!

デジタルイラストなのに、まるで岩絵の具を使った日本画のような繊細なタッチで描かれている甲斐先生の「拝啓 ミモザの君へ。」
日本画のような雰囲気を出すためにどのような工夫をしているのか、今回の作品でのこだわりや裏話をたくさん伺いました!


今回の展示では、「見てくださる方が見たい絵」を描きたいと思いました

インタビュアー(以下、イ):魅惑の女性画展に参加した理由を教えてください。

甲斐千鶴先生(以下、甲斐):以前こちらの主催の方がやってらっしゃる他の展示会に参加させていただいてたんですね。その時に私が女の人の絵を描いていたら、「今度女性画展を開きたいんだけど作品を出してくれないかな」とお誘いを受けて、画展を開催されるたびに頻繁にお誘いいただいているんです。

イ:そうなのですね、ありがとうございます。では、今回の「拝啓 ミモザの君へ。」という作品を描こうと思った動機を教えていただけますか?

甲斐:ありがたいことにTwitterでのフォロワーさんが1000人を超えてきて、見てくださる方が見たい絵を描きたいな、という想いから描き始めました。
Twitterのアンケート機能というものを使って、和風美人のイラストを描く上での時代コンセプトを大和絵、戦国時代、江戸時代、大正ロマンの4つの選択肢の中から選んでいただきました。
その結果、「大正ロマン」が最も票を集めていたので、袴の女性を描こうと決めました。

イ:そういう風に決まったんですね!自分で投票したものが描いていただけて、展示されるというのはファンの方は嬉しいですね。



甲斐:皆さんと共同作業したんだなっていう雰囲気もあって、一方的に自分の好きな絵を飾るだけじゃなくて、見てくださる方との双方向のつながりができた気がして私もすごく楽しかったです。

イ:今までにもアンケート機能を使ってイラスト制作に役立てたことはあるんですか?

甲斐:いえ、今まで使ったことはなかったのですが、今回の展示を機に見てくださる方たちと気軽に交流できたらと思って使い始めました。使ってみて良かったなと思っています。


ひねくれ者なので、桜をモチーフにするのは避けました(笑)

イ:今回の作品でミモザという花を選んだ理由を教えてください。

甲斐:今回のコンセプトは春らしくということだったのですが、自分が今まで暗い色を使うタイプだったので春らしい明るい色を使いたいなと思っていたんです。そしたら、友人から春の花は黄色い色から咲いていくという話を聞いて、すごく印象的だったので黄色い花をテーマに描こうと。
フキノトウや菜の花といったありきたりな和風の花では、大正という今の私たちから見た和洋折衷した神秘的な時代を連想させにくいと思い、ミモザという花を選びました。

イ:確かに黄色って春らしくて温かいイメージがありますね。

甲斐:そうなんですよ、でも黄色って使ってみると子供っぽくなりすぎてしまうので、“綺麗”を表現するには難易度の高い色なんですね。そこで美人画…難しいけどやってみよう!って。(笑)

イ:そうなんですか!では、子供っぽくならないように意識したことはありますか?

甲斐:差し色ですね。暖色でまとめるのは簡単なのですが、黄色を大人っぽく見せたいときは反対色の紫を持ってくるのが主流だと思うんです。でも今度は現代っぽすぎる配色になってしまったり、日本よりも南アジアのようなカラーリングになってしまう。そこを中和するためにどうやって光を当てていくか調整していました。

イ:ところで、春らしいといえば桜ですが、桜を描こうとは思わなかったんでしょうか?

甲斐:桜は逆に避けました。春と言えば誰もがそこにたどり着いてしまうし、私が描かなくてもみんな描くだろうし…テーマが集まりやすいモチーフなんですね。

私は結構ひねくれ者なので、みんなが褒めてくれるものよりも他に春の花ってたくさんあるのに、なんでそこに注目しないの?って。(笑)そういうところにも目を当てたいなと思ったんです。

今回の作品では、目だけに6〜7時間くらい時間をかけました。

イ:特に力を入れて描いた部分はありますか?

甲斐:目ですね。美人画ってあまり全身を描くことがなくて、バストアップが多いんですが、表情が一番の見せ所なので、和風なテイストで力を入れる部分としては目線が主流なんじゃないかなと自分では思っています。

イ:作品の女性は伏し目がちな目をしていますが、どのように魅力を引き出したのでしょうか?

甲斐:伏し目って、少し目が開いた状態なので、白目と黒目が若干見えるじゃないですか。白目が見えすぎると能面みたいになったり、黒目が多すぎるとアイラインが太くなりすぎてキャラクターっぽくなりすぎてしまうんです。
なので、そのバランスに気を遣って何度も修正を繰り返していました。あとは、伏し目でも右を向いていたり、左を向いていたり目線の方向が多少わかると思うので、その目線が予測できる影がちょこっと入ったら、より魅力的になるんじゃないかと。

拝啓 ミモザの君へ 伏し目

▲締め切りギリギリまでこだわって描いたという伏し目

イ:かなり細かい調整をされていたんですね!

甲斐:そうですね。そうやって修正をしていたら、すごく時間がかかってしまって。普段は調子が良いと6〜7時間くらいで描きあげちゃうんですけど、今回はこの目のところだけでそれくらい時間をかけてしまったと思います。印刷所に作品を印刷してもらうために家を出る2〜3分前くらいまでずっとまだ違う…まだ違う…という風に調整していました(笑)

イ:すごいですね!展示された作品は最終的に納得いく形で目を描き上げられたのでしょうか?

甲斐:いえ、まだ納得していないです。でも、アナログの絵は展示されてしまったらそこで終了なんですが、デジタルの面白いところってそこからまた進化できるところだと思うんですよ。なので今回納得いかなかった作品も、次回に向けてより良いものに進化できるので、納得いくまで描き続けられるんです。

イ:展示をするときに必ずこだわっていることはありますか?

甲斐:イラストを和紙に印刷することにこだわっています。去年の4月29日から5月7日まで、「現代の美人画・*・猫画・_・犬画 展」という個展を開催させていただいんですが、そのお誘いを受けたときに、いろんな紙に試し刷りをしてみたんですね。
それで、自分の絵がどちらかと言うと和風っぽい塗り方で、厚塗りでも水彩塗りでもない、デジタルで日本画のような雰囲気を目指したときに、肌色が一番綺麗に出たのが和紙だったんです。

イ:なるほど。甲斐先生のイラストの発色に、和紙が一番合っていると言うことですか?

甲斐:発色で言えばあまり良くないのかもしれないんですけど、しみ込む感じが良いなって。光沢紙とかだと、特に私の絵では表面がギラギラしてしまうことで安っぽく見えてしまって、美人画が美人じゃなかったんですよ。でも和紙は普通の白い紙と比べて黄味がかっているんです。その上に肌色が乗ることで、なんとなく人間臭さが出たんですよね。これだ!って確信しました。

実際に手に取っていただけているところを見るっていうのは、すごく温かいですね

イ:甲斐先生は、今回の美人画展を含めて様々な展覧会に参加されていますよね。今はネットで簡単にイラストを発信できる時代ですが、展覧会となると準備や作品搬出などに時間や手間がかかるかと思います。そのような場で作品を発信するためのモチベーションがあれば教えて下さい。

甲斐:ネットで作品を発信するっていうのは、周りのことは何も考えずに、自分が描いたものだけ一方的に発信してやり切りました!というような側面があると思うんです。一方で、展覧会となると、展示する地域や周囲の環境によって絵の雰囲気が変わるじゃないですか。だからそこに合わせて絵を描こうと意識したり、額装を考える。

そうやって考え抜いて展示した作品を、実際に会場まで足を運んでくださって見てくださる方がいたり、自分の絵を良いねと褒めてくださる方を在廊中に見ると本当に嬉しいです。物販があるような展示会の時に自分のポストカードを何枚か買っていってくださる方を見ると、ああ、ありがとう〜〜〜!って。(笑)

イ:展示会場で実際に感想を聞けるところが励みになるんですね!

甲斐:
はい、ネットでいいねのハートマークをいただけることももちろん嬉しいのですが、本当に手に取っていただけているところを見るっていうのは、すごく温かいですね。会場に作品を置いて、生の声を聞くことで自分の記憶にも強く残ります。

イ:展覧会に参加することは、これからイラストを描く人にとってもオススメできるものなのでしょうか?

甲斐:
そうですね。それこそ、書籍や挿絵などでイラストのお仕事をしたいなと考えている人は、出力した自分の絵を見ない限り欠点がわからないですし。本屋さんとかで無作為に他の人の絵が並ぶ中に自分の絵が並ぶわけじゃないですか。
展覧会に参加することで、その時の感覚に近いものが得られると思います。展示して、自分の絵が埋もれてしまったのはなぜか、何が足りなかったのか、描いた絵に対する視点が増える機会になると思いますね。

イ:最後になりますが、展覧会に来れなかった方や甲斐先生のファンの方々にメッセージをお願いします!

甲斐:インターネット上でももちろん絵をあげたいなとは思っていますが、身近で、実物を見てもらえる展示を長期的に続けたいと思っていますし、見てくださった方や私の絵をいいなと思ってくださる方が、この人ここにもいた!って思ってもらえるように私自身もうちょっと色々前に進んでいきたいなと思っております。なので…温かく見守ってください!!!

甲斐先生、本日はありがとうございました!

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まとめ

第4回魅惑の女性画展で、自分が好きな作品を描くだけでなく、見てくださる方が見たい絵を描く視点が増えたという甲斐千鶴先生。ファンとしても甲斐先生の作品に関われることはとても嬉しいですよね。
和紙に印刷するこだわりや、目の魅力を引き出すために何度も修正や調整を繰り返し、納得できるまで描き続けるその姿勢を見習いたいなと思いました。

甲斐先生は、今年7月に開催される第7回魅惑の女性画展にも参加されます。みなさんも足を運んでご覧になってみてはいかがでしょうか?

また、東方出版様より販売のART BOOK OF SELECTED ILLUSTRATION 和モダンという画集にイラストを載せられるそうです。2018年度版にて掲載、全国書店、amazonなどで取り扱われるそうなので、そちらもぜひチェックしてみてください。

甲斐先生はお絵描き講座パルミーで「和風イラスト講座」も実施されています。絵に和風テイストを取り入れて、綺麗に仕上げるための手順とテクニックが学べる動画講座です。こちらもぜひご覧ください。


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