幻想的な背景を描きたいけど、どうやって描いているのだろう…。背景イラストの制作工程が分からなかったり、自然物や建物が上手く描けずに、悩んでいらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ハロウィンイラストのメイキングをTwitterにまとめていらっしゃった、飛沫かもめさんの解説イラストから、背景の制作過程を見てみましょう!
※この記事で紹介している内容はご本人の許可を得て掲載しています。
Twitter 「飛沫かもめさん ハロウィンイラストのメイキング」この記事の目次
ハロウィン背景メイキング
※ClipStudioPaintをメインで使用し、Photoshop、Lightroomも使用しています。
(1)アナログで制作したラフです。自分で撮った写真、インターネットで探した写真を参考にしつつ、構図や建物の構造を決めます。
(2)今回のメイキングイラストでは、線画を描いています。飛沫かもめさんは、普段は線画を描かずに、厚塗りでイラストを制作されることが多いとのことです。
(3)グレースケールで陰影をつけます。光源を考えつつ、メリハリができるようにしています。
(4)メニューバーのレイヤー→新規色調補正レイヤー→グラデーションマップで、色を弄ります。光が当たっている部分がオレンジ、影が青系になるように色調を変更しています。夕方をイメージしているとのことです。
(5)乗算の新規レイヤーを作成して、固有色を乗せます。写真を見つつ、好みの色と、実際にありそうな色を使って、固有色を乗せていっています。
(6)遠景、光源になる部分の光、旗を追加しています。イラスト全体の色合いが決まったことにより、路地裏の臨場感やハロウィンの雰囲気が出てきました。
(7)画面の真ん中に人物を置いて、視線誘導をするために乗算レイヤー、ソフトライトレイヤー、レベル補正なども用いて画面端を暗くしています。加算(発光)レイヤーでハイライトも追加しています。細部も通常レイヤーを使用して、線画より上に描いていっています。
(8)コントラストが強く、人物が埋もれてしまうので、中〜遠景に通常レイヤー+エアブラシでかすみをかけています。色はグレー系の紫色を使用しています。
(9)手前のコントラストが強い部分にも、通常レイヤーに黄色系のグレーを使用して、かすみをかけています。中心に視線を持っていくための工程とのことです。
(10)先ほどの過程でコントラストを小さくしましたが、レベル補正と加算(発光)レイヤーを使用して、コントラストを強めたりハイライトを入れています。細かい補正を重ねて、イラストの雰囲気を出しています。
(11)明るすぎたので、(10)で作ったハイライトのレイヤーより下に、紫系の乗算レイヤーを作っています。画面が落ち着きました。
(12)キラキラさせたかったので、粒子を加算レイヤーで散らしたりしています。さらに、一番上に通常レイヤーを作成して、スポイトで色を取りつつ、気に入らない箇所を修正したり、ハイライトを追加しています。
(13)シャープネスをかけたり、色相を弄ったり、ノイズをかけたりして、ハロウィンイラストの完成です!
ハロウィンということでオレンジ系の色を多く使用した、幻想的で落ち着きのあるイラストになっています。旗や建物、階段によって画面の手前から奥に自然と視線が流れて、思わず魅入ってしまいます。
まとめ
背景のメイキングを通して、イラストの制作工程、コントラストの考え方、視線を誘導するための方法などが学べたと思います。思わず見とれてしまうようなあの背景イラストは、どういった手順で制作されているのだろうか…。そんなときは、飛沫かもめさんのメイキングイラストを参考にしてみて下さい。
最後に、飛沫かもめさんのTwitterをご紹介します。素敵な作品をご投稿されていらっしゃり、イラストレーターとしてもご活躍されていらっしゃいますので、ぜひご覧ください!
飛沫かもめさんのTwitterはこちら