窓ガラスに風景を映したイラストや、水たまりに映った建物をリフレクション撮影した写真など、「反射」を題材とした作品を見たことはないでしょうか?この反射を上手く使いこなせれば、イラスト内で様々な演出ができるようになると思います。
そこで今回は、反射についてPixivにまとめていらっしゃった、わいっしゅさんの解説イラストから、反射の考え方を見てみましょう!
※この記事で紹介している内容はご本人の許可を得て掲載しています。
Pixiv 「わいっしゅさん 反射のはなし」反射について
水面に立方体が反射して映っている、2つのイラストを見てみましょう。 まずは1枚目のイラストAです。ビルを下から見上げているように、消失点は画面の上に存在しています。
2枚目のイラストBを見てみましょう。こちらは接地面を境に、立方体の消失点が別個に存在しており、消失点が画面の上下に存在しています。
観測者は、若干上を向いています。 さて、鏡面での反射の仕方は、イラストA、イラストBの、どちらが正しいでしょうか? イラストAは消失点を上方向に統一、イラストBの消失点は上下に存在しています。
考え方の解説です。 図の「a」の立方体から出た下向きの光は鏡面で反射し、方向が上に向かって観測されます。結果、「d」の位置から光を発せられているように見えるとのことです。 同様の考えで、図の「b」からの光は、「c」の位置から光を発せられているように見えることになります。
つまり、観測者には、地面より下にも同じ立方体が「擬似的」に見えている、ということになります。 言い換えると、反射面の下にも立方体があると思えばよく、視線が上をを向いているのであれば、高さ方向の消失点は「上」に存在することになります。
よって、最初の「イラストA、イラストBの、どちらが正しいでしょうか?」の問いの回答は、"計算上"正しいのはイラストA、ということになります。 水面への反射を描く際に、構造物を反転して利用してしまいがちですが、今回の反射の考え方も意識してみてはいかがでしょうか。 (絵は正しいことが全てではないので、演出上、イラストBのような構図も面白い、とのことです)。
まとめ
反射について考えたことがないと、思わず、イラストBの方が正しい、と答えてしまいそうです。水面に映る、幻想的な景色を描きたいのだけれど、反射で映っている建造物のパースは、どこの消失点に向かうのだろうか…。反射の描き方講座をお探しの方は、わいっしゅさんの反射の話を、参考にしてみてください。
最後に、わいっしゅさんのプロフィールをご紹介します。わいっしゅさんは、Purplesoftware「アオイトリ」、HARUKAZE「ノラと皇女と野良猫ハート2」、りびどーそふと「残念な姉との幸福論」、ニキ株式会社「ミラクルニキ」などの作品で、イメージボード、背景美術を描かれていらっしゃいます。PixivやTwitterの方にも、素敵な作品をご投稿されていらっしゃいますので、ぜひご覧ください!
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