ibisPaint(アイビスペイント)には、ver.12から「ベクターレイヤー」の機能が追加されています。
線画に便利な機能なので、イラスト制作に活用してみてください。
今回は、ベクターレイヤーの基礎知識や、アイビスペイントのベクターレイヤーの使い方をご紹介します。
この記事の目次
ベクターレイヤーの基礎知識
ペイントソフトで用いられる、二つのレイヤー形式
ベクターレイヤーとラスターレイヤーの違い・特徴について解説します✍️ https://t.co/xbDZfDQJ15 pic.twitter.com/DoZspAVOSf
— お絵かき講座パルミー (@palmie_oekaki) September 1, 2023
ペイントソフトのレイヤーには、大きく分けて「ラスターレイヤー」と「ベクターレイヤー」の二つの形式があります。
キャラクターや背景のイラスト制作では、色塗りがしやすいラスターレイヤーを使うことが多いです。
線画の工程では、ベクターレイヤーを使用することも可能です。
ベクターレイヤーに線画を描いておくと、後から線画を修正することが容易になります。
ラスターレイヤーとは何か?
ラスターレイヤーは、ピクセル単位で画像データを保持しています。
色の表現に長けており、キャラクターイラストでも使用されることの多い、基本的なレイヤー形式です。
ベクターレイヤーとは何か?
ベクターレイヤーは、数式や座標で画像データを保持しています。
線の情報が保存されているので、後から線の形・傾きを変更することができます。
ベクターレイヤーは画質が劣化しない
ラスターレイヤーで拡大/縮小の操作を行うと、画質が劣化してしまいます。
一方、ベクターレイヤーでは、拡大/縮小の操作を繰り返しても、画質が劣化しません。
線画の大きさなどを後から調整したいときには、ベクターレイヤーに線画を描いておくのがオススメです。
ラスター/ベクターで使用できるツールが異なる
アイビスペイントやクリスタは、ラスター/ベクターの両方の形式に対応しています。
ラスター/ベクターで使用できるツールが異なるので、気をつけておきましょう。
塗りつぶしツールやフィルターなどの機能は、ラスターレイヤーのみ使用できます。
線の幅・形を修正するツールは、ベクターレイヤーのみ使用できます。
ベクターをラスター化する「ラスタライズ」
アイビスペイントやクリスタには、ベクターレイヤーをラスターレイヤーに変換できる「ラスタライズ」の機能が搭載されています。
ベクターレイヤーをラスタライズした後は、塗りつぶしやフィルターなどの機能も使えるようになります。
アイビスペイント ベクターレイヤーの使い方
①ベクターレイヤーを作成する
ベクターレイヤーを追加する
レイヤーウィンドウを開き、特殊レイヤーの追加ボタンを押します。
メニューの中にある、「ベクターレイヤー追加」を選択します。
ベクターレイヤーにはアイコンが表示される
ベクターレイヤーが追加されました。
ベクターレイヤーのサムネイルの左下には、専用のアイコンが表示されます。
ラスターレイヤーと見分ける際には、アイコンの有無を確認してください。
②線の内容を編集する
線を修正できるベクターツール
アイビスペイントでは、「ベクターツール」で線の内容を編集します。
ベクターツールはプレミアム機能です。
使用するためにはプレミアム会員に入会する必要があります。
プレミアム会員に入会しない場合は、1日1時間だけの試用でツールを使いましょう。
シェイプを選択する
ベクターレイヤーを選択して、画面左のツール選択ウィンドウから、「ベクターツール」を選びます。
編集したい線をタップした後、下の方に表示される鉛筆マークのボタンを押します。
線の太さやブラシの種類を変更する
「線の色」や「線の太さ」、「ブラシの種類」を変更できます。
ベクターレイヤーでは塗りつぶしツールは使用できませんが、「塗りつぶしの色」を設定すると、シェイプの内側に色を塗れます。
シェイプを選択する
線の形を編集したい場合は、シェイプを選択後にメニューボタンを押します。
「頂点を編集」を選択しましょう。
線の形を変更する
線の上にポインタが表示されます。
ポインタをドラッグ&ドロップすることで、線の形を変更できます。
③ベクターレイヤーをラスタライズする
ベクターレイヤーに描いた内容に、ぼかしやフィルターをかけたい……。
そんなときは、レイヤーをラスタライズしましょう。
ラスタライズすることで、ベクターレイヤーはラスターレイヤーに変換されます。
ラスタライズの手順
レイヤーウィンドウを開き、メニューボタンを押します。
メニュー内の「ラスタライズ」を選択します。
ラスタライズした後は、ベクターレイヤーに戻すことはできないので注意しましょう。
まとめ
ベクターレイヤーの基礎知識や、アイビスペイントのベクターレイヤーの使い方の紹介でした。
ベクターレイヤーに描いた線画は、拡大/縮小をしても画質が劣化せず、線のスタイルも調整できます。
線画を描く際には、ベクターレイヤーも活用してみてください。