CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)で絵を描いていたら、アプリが重くなってしまった……。
動作を軽くするためには、どうすればよいのだろう?
今回は、クリスタの動作が重くなる原因と、解決方法をご紹介します。
この記事の目次
クリスタが重い原因は? 解決方法を紹介
クリスタが重くなると、ブラシなどの操作の反映が遅延して、正確に絵が描けなくなってしまいます。
また、ファイルの読み込みや保存の処理に時間がかかってしまう場合もあります。
イラスト制作をスムーズに進めるためにも、処理が重くなってしまう事態はできるだけ避けたいですね。
クリスタが重くなる原因と、解決方法を見ていきましょう。
①.クリスタの環境設定を見直す
クリスタの環境設定の項目から、アプリの動作やパフォーマンスのカスタマイズができます。
PCスペックやお好みに合わせて、環境設定を調整しておくのがオススメです。
画面上部のメニューバーから、[ファイル]→[環境設定]を選択しましょう。
タブレット設定を「速度優先」に設定
タブレット設定では、タブレットからクリスタへ送信する情報量の設定ができます。
「品質優先」に設定すると、描画の精度が向上しますが、キャンバスに反映されるのが遅くなる場合があります。
描画の速さを重視する、「速度優先」に設定しておきましょう。
「取り消し回数」を減らす
「取り消し(アンドゥ)」は、ブラシの描画やツールを実行した後に、操作を取り消して直前の状態に戻せる機能です。
「取り消し回数」を増やすと、その回数分だけ遡って、キャンバスを以前の状態に戻せるようになります。
便利な機能ですが、取り消し回数を増やすとメモリの使用量が増加して、アプリの動作が重くなってしまう場合があります。
アプリの動作が重い場合は、取り消し回数の値を下げてみてください。
動作の速さを優先する場合は、「取り消し対象と判断するまでの時間」も「0」に設定しておくのがオススメです。
「復元情報の保存間隔」を長くする
「キャンバスの復元を有効にする」にチェックが入っていると、クリスタが強制終了した場合でも、次の起動時にキャンバスを復元してくれます。
アプリの強制終了が不安な方は、チェックを入れておきましょう。
「復元情報の保存間隔」で設定した時間ごとに、自動保存が行われます。
間隔が短すぎると、自動保存のウィンドウが頻繁に表示されて、作業の妨げになってしまう場合があります。
自動保存のウィンドウが気になる方は、「復元情報の保存間隔」を長めに設定しておきましょう。
②.メモリをクリアする
操作の履歴のメモリをクリアすると、アプリが軽くなる場合があります。
メニューバーの[編集]から[メモリをクリア]→[ヒストリー]で、メモリをクリアできます。
※メモリをクリアすると、全てのキャンバスの操作履歴はクリアされ、取り消し(アンドゥ)/やり直し(リドゥ)ができなくなります。
③.キャンバスサイズを小さくする
キャンバスサイズを大きめに設定しておくと、後からトリミングやリサイズができて便利です。
しかし、キャンバスサイズが大きくなるにつれて、描画時の負荷や作品のファイルサイズが増えてしまいます。
また、キャンバスに合わせてブラシサイズも大きくなるので、ペンを動かしたときの処理が重くなりがちです。
PCスペックが足りていないと感じたら、キャンバスサイズを小さくしてみましょう。
途中でキャンバスサイズを変更したい場合は、メニューバーの[編集]の中にある、[画像解像度を変更]や[キャンバスサイズを変更]で調整してみてください。
④.ブラシの設定を見直す
「ブラシサイズ」を小さくする
ブラシのサイズが大きすぎると、負荷が上がって描画に遅延が発生しやすくなります。
ペンを動かしたときに重く感じる場合は、ブラシサイズを下げてみてください。
水彩筆やカスタムブラシは、動作が重くなることも多い
水彩の質感や独特のタッチが表現できるブラシは、Gペンなどのシンプルなブラシと比べて、負荷がかかることが多いです。
ブラシが重く感じる場合は、設定の見直しもしておきましょう。
ツールプロパティ内にあるスパナアイコンをクリックすると、サブツール詳細のウィンドウが表示されます。
サブツール詳細からは、ブラシの細かい設定が行えます。
解説図のブラシは、[ブラシ先端]に画像素材がセットされています。
そのため、ブラシ先端がシンプルな円形のブラシよりも、負荷がかかりやすくなっています。
「ストローク」の間隔を上げる
ブラシが重い原因になりやすい項目が、[ストローク]の中にある[間隔]の値です。
[間隔]の値が低いと、ブラシの描画間隔が短くなり、より精密に描画できるようになります。
しかし、ブラシ先端を連続して描画するため、負荷がかかりやすくなります。
ブラシが重いときは、[間隔]の値を上げて、描画間隔を長くしてみてください。
⑤.レイヤー数を減らす
イラスト制作を進めていくうちに、レイヤーの数が増えすぎてしまった……。
レイヤー数が多いと、作品のファイルサイズが増え、アプリの動作も重くなってしまう場合があります。
そんなときは、レイヤーを結合してレイヤー数を減らしましょう。
レイヤーの複数選択
結合したいレイヤーを複数選択します。
Shiftキーを押しながら、レイヤーを選択していきます。
レイヤーの結合
レイヤーパレット上で右クリックをして、[選択中のレイヤーを結合]を選びます。
レイヤーの結合の実行後
影やハイライトのレイヤーが、ベースのレイヤーに結合されました。
レイヤーを結合して塗りが一つのレイヤーにまとまると、細かい修正がしづらくなってしまう場合があります。
レイヤーを結合しても問題ないか、確認をしてから実行しましょう。
レイヤーの結合の失敗例
乗算やスクリーンなど、異なる合成モードを設定中のレイヤーを結合する場合は、注意が必要です。
試しに、加算(発光)、スクリーン、乗算の3つのレイヤーを選択して、結合してみましょう。
色が変わってしまう
レイヤーを結合したことにより、各レイヤーに設定してあった合成モードの効果が無くなりました。
そのため、リンゴの影やハイライトの色が変わってしまいました。
正常な色のままレイヤーを結合するためには、合成モードがかかっているベースのレイヤーも併せて結合しましょう。
解説例では、リンゴの赤色を塗っている「赤ベース」レイヤーも含めて結合すると、色を変えずに結合できます。
⑥.タイムラプスをOFFにする
作業工程を録画できるタイムラプスをONにしていると、ファイルサイズが大きくなったり、動作が重くなったりする場合があります。
[ファイル]→[タイムラプス]から、[タイムラプスの記録]のチェックマークを外してみてください。
⑦.使用していないウィンドウ/アプリは閉じる
クリスタで複数のキャンバスを開いていると、メモリの使用量が増えてアプリが重くなる場合があります。
使用していないキャンバスは閉じておきましょう。
また、クリスタ以外のアプリを同時に起動するのも、メモリの使用量が増えて動作が重くなる原因です。
使用していないアプリは、終了しておくのがオススメです。
まとめ
クリスタが重くなる原因と解決方法の紹介でした。
ブラシなどの基本の操作が重くなってしまうと、線画や色塗りの工程も難しくなってしまいます。
環境設定やブラシ設定を見直して、イラスト制作を快適に進めてみてください。