人気ペイントツールのCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)には、「PRO版」と「EX版」が販売されています。
使用できる機能に違いがあるので、ご自分の創作スタイルに合っている方を購入しましょう。
今回は、クリスタのPRO版とEX版の機能の違いをご紹介します。
この記事の目次
クリスタ PROとEXの概要
スタンダードな「PRO」、最上位グレードの「EX」
クリスタは、アマチュアの方からプロの方まで、幅広い層に人気のあるペイントソフトです。
PCだけでなく、iOSやAndroid OSのスマホ・タブレットでもクリスタが使えます。
PROとEXの大まかな違いは?
PROでは、イラスト制作の機能に加えて、1ページのマンガや、短いアニメーションを制作できる機能が搭載されています。
最上位グレードのEXでは、クリスタの全ての機能を使うことができます。
EXでは、複数ページのマンガ作品や、長編のアニメーションも制作することが可能です。
使用できるブラシ・素材・ツールは、PRO/EXで共通しています。
細かい機能などに差異がありますが、まずは、制作したい作品からPRO/EXを選んでみるのもオススメです。
PROはこんな方にオススメ
- イラスト作品だけを制作したい方
- 1ページのマンガや、短時間のうごくイラストを制作したい方
- 低価格でクリスタを使用したい方
EXはこんな方にオススメ
- 本格的なマンガ・アニメーションを制作したい方
- クリスタの便利な機能を使いたい方
PROとEX 価格の違い
買い切りの販売価格
PRO | EX | |
---|---|---|
買い切り(ダウンロード販売) | 5,900円 | 24,900円 |
買い切り(パッケージ販売) | 8,000円 | 34,000円 |
買い切りの販売は、PC版のクリスタのみ対応しています。
スマホ・タブレットをお使いの方は、月額/年額のサブスクリプション制のプランに加入する必要があります。
サブスクリプションの販売価格
PRO | EX | |
---|---|---|
1デバイスプラン(月額) | 480円/月 | 980円/月 |
1デバイスプラン(年額) | 3,000円/年 | 8,300円/年 |
スマホプラン(月額) | 100円/月 | 300円/月 |
スマホプラン(年額) | 700円/年 | 2,000円/年 |
1デバイスプランは、PC・スマホ・タブレットなど、いずれか1つのデバイスでクリスタを利用できるプランです。
スマホプランは、iPhone・Galaxy・Androidのスマートフォンでのみ利用できます。
PROをお持ちの方は、EXを優待価格で購入可能(ダウンロード版)
ダウンロード版のPROをお持ちの方は、EXを優待価格の19,000円(ver3.0の場合)で購入できます。
先にPROを購入している場合でも、差額分でEXが購入可能です
PROを購入したけれど、やっぱりEXの機能も使いたい……とお考えの方は、アップグレード優待をご検討してみてください。
クリスタ PROとEXの機能の違い
EXでのみ使用できる機能
EXでのみ使用できる機能を紹介しています。
マンガ/アニメの機能
- 複数ページ作品の管理/書き出し/印刷
- ストーリーエディター
- 同人誌入稿支援
- Webtoon制作
- Kindleフォーマット出力
- EPUB出力
- PDF入出力
- アニメーションセル、タイムシート出力
- OpenToonzシーンファイル
- 東映アニメーション デジタルタイムシート連携
レンダリング/パレット/レイヤーの機能
- 2DLTレンダリング
- 3DLTレンダリング
- 四面図パレット
- レイヤーカンプパレット
- 光沢レイヤー
- トーンを消去
- 他ユーザーが作成したフィルタプラグイン対応
EXの利点①.マンガ作品に便利な機能が使える
2ページ以上のマンガ作品が制作可能
PROでは、1ページのマンガ作品を作ることができます。
2ページ以上のマンガ作品を制作する場合は、EXの機能を使うのがオススメです。 EXには、複数ページのマンガ作品を管理する機能が搭載されています。
表紙や本文ページなど、マンガ内の全てのページを1つのファイルで管理できます。
作業中の原稿ページの切り替えや、ページの追加/削除なども簡単です。
表紙や本文ページの制作から、書き出し/印刷まで、EXの複数ページの管理機能でマンガを制作してみてください。
セリフを一括で管理できる「ストーリーエディター」
こないだ支部で見た、まずセリフを打ってからコマ割りと下書きを始めるっての真似して、クリスタのストーリーエディターでセリフを打ってからコマ割りしたらあんなに悩んだコマ割りめっちゃ早かった!これからそうしよう pic.twitter.com/KXYGcmZ5xB
— 桐井?「リコリス・ダイアリー」連載中? (@ki_lly) September 27, 2016
「ストーリーエディター」は、EXでのみ使える機能です。
ストーリーエディターを使うことで、作品内の全てのセリフを簡単に管理できます。
- メモ帳からテキストの貼り付けが可能
- 全ページのセリフの内容を、ストーリーエディター上で管理できる
- 全ページのセリフのフォント・サイズを、一括で変更できる
マンガ制作の効率化に活用してみてください。
PDFやWebtoonなど、様々なファイル形式に対応
EXでは、PDF形式のファイルの読み込みができます。
マンガ作品などを、PDF形式のファイルで出力することも可能です。
PDFはメジャーなファイル形式なので、入稿や納品の際にも役立つ機能です。
他にも、電子書籍のファイル形式で有名なEPUB形式や、縦スクロールマンガのWebtoon形式にも対応しています。
EXの利点②.長編アニメーションも制作可能
EXにはアニメーションの作品時間の制限が無い
PROでもアニメーション作品を制作できますが、24フレーム(1秒8フレームで3秒間)の制限があります。
そのため、PROは、短時間のうごくイラストやパラパラ漫画の制作に適しています。
EXでは、アニメーション作品の時間の制限はありません。
3秒より長い時間のうごくイラストや、長編のアニメーションなど、も自由に制作できます。
プロ向けの機能も提供
業務用のアニメーション制作では、キャラクターの動きやセリフを指示する「タイムシート」と呼ばれる用紙が使われます。
クリスタのEXでは、デジタルのタイムシートの読み込み/書き出しにも対応しています。
アニメーションのお仕事をされている方や、本格的なアニメーションを制作したい方には、EXがオススメです。
EXの利点③.写真・3Dから線画を出力できる
クリスタのEXでは、レイヤーの内容を線画・トーンとして出力できる、「LT変換」の機能が使えます。
LT変換を使うことで、写真や3Dなどを簡単に線画・トーンに変換できます。
背景や小物の線画を作るときに便利な機能で、作画の時間短縮にも役立ちます。
EXの利点④.差分イラストを簡単に管理できる
\ Ver.3.0 新機能紹介 / レイヤーの表示・非表示状態をレイヤーカンプとして作成し、切り替えられるようになりました!
作成したレイヤーカンプを元にして一括書き出しも行えます。 差分のある画像の制作・管理が快適になります?… pic.twitter.com/x4MwqICHN8
— CLIP STUDIO PAINT(クリスタ) (@clip_celsys) March 15, 2024
EXでは、レイヤーの表示/非表示を記録できる、「レイヤーカンプ」の機能が使えます。
ワンボタンで背景/環境光を切り替えたり、キャラクターの表情を変えたり、レイヤーカンプは差分イラストの管理が簡単になる機能です。
マンガ作品のセリフの言語を一括で切り替えることも可能です。
※レイヤーカンプは、クリスタVer.3.0から搭載された機能です。
EXの利点⑤.その他の便利な機能
3Dを複数のアングルで表示できる四面図パレット
「四面図パレット」を使えば、3Dモデルを複数のアングルから同時に確認できます。
3Dモデルの位置や大きさの調整に役立つ機能です。
画像のトーン部分のみを消去できる
「トーンを消去」は、マンガ原稿の画像からトーンのみを削除できる機能です。
アナログのマンガ原稿を読み込んだ際など、線画とトーンが一体になっている画像から、トーンだけを消したいときに役立ちます。
箔押し風の効果がつけられる光沢レイヤー
「光沢レイヤー」は、CLIP STUDIO SHARE(作品ビューアサービス)用の機能です。
光沢レイヤーを設定した範囲は、CLIP STUDIO SHAREの3Dビューアで表示したときに、箔押しがされているように見えます。
他ユーザーが作成した自作フィルターが使用可能
クリスタでは、フィルタープラグインSDKが提供されています。
SDKを使用することで、ユーザーは自由にフィルターのプラグインを作成できます。
EXをお使いの方は、他のユーザーが作成したフィルターをダウンロードして使用することが可能です。
※クリスタに搭載されているデフォルトのフィルター機能は、PRO/EXの両方のグレードで使用できます。
まとめ
クリスタのPRO/EXの価格・機能の違いについての紹介でした。
創作したい作品に合わせて、PRO/EXを選んでみてください。
PROのダウンロード版をお持ちの方に向けて、EXを優待価格で販売しています。
差額分でPROからEXへアップグレードすることも可能なので、ぜひ利用してみてください。