Affinity Designerは、多機能なグラフィックソフトウェアです。
パスやシェイプを活用したデザイン制作の機能が充実しており、Illustratorの代替ソフトとしても便利です。
今回は、Affinity Designerの機能や使い方を紹介します。
この記事の目次
Affinity Designerの概要
Affinity Designerの特徴
Affinity Designerは、ロゴやアイコン、印刷物などのデザイン制作に向いているソフトウェアです。
買い切り制で販売されており、Windows・Mac・iPadのデバイスで使用できます。
Affinity Designerは、ベクター形式とラスター形式の両方に対応しています。
特にベクター形式の機能に力を入れて開発されており、パスやシェイプを利用した作品制作がしたい方にオススメです。
Affinity Designerはセール開催中、6ヶ月の無料体験も開始
現在、Affinity Designerは50%オフの半額セールで販売されています。
6ヶ月の無料体験もできるので、お気軽に試してみてください。
Affinity Designerをダウンロードするためには、Affinityアカウントを作成する必要があります。
アカウントを作成してストアにログインした後、ダウンロード用のリンクが取得可能になります。
ベクター形式とラスター形式の違い
線の編集が自在なベクター形式
ベクター形式では、線の太さやカーブなどの情報を数式のデータとして格納しています。
そのため、線を描画した後でも線の編集を容易に行えます。
- 線の太さや曲がり具合を自由に変更できる
- 拡大/縮小の操作をしても、画質が劣化しない
- ロゴやアイコンなどのデザイン制作に向いている
色の表現に長けているラスター形式
一方、ラスター形式では、画像をピクセルで表現します。
グラデーションなどの複雑な色の変化も、自然に表現することができます。
- 色の表現が得意
- 拡大/縮小の操作をすると、画質が劣化してしまう
- イラスト制作や写真編集に向いている
Affinity Designerの使い方
①Affinity Designerは、ベクター/ラスターの形式の切り替えが簡単
Affinity Designerでは、画面の左上にある二つのボタンで、ベクターモードとラスターモードを切り替えることができます。
モードを切り替えると、画面左に表示されるツールも変更されます。
ベクターモード用のツール
- ペンツール
- ノードツール(線の編集が可能)
- 境界線の幅ツール
- 長方形・楕円・角丸長方形ツール
- シェイプビルダーツール など
ラスターモード用のツール
- ピクセルツール
- ペイントブラシツール
- 塗りつぶしツール
- 指先ブラシツール
- ぼかしブラシツール など
作りたい作品に合わせて、二つのモードを切り替えながら進めてみてください。
当記事では、ベクターモード用のツールを中心に解説しています。
②パスとグリッドを使って曲線を引く
グリッドを表示する
ペンツールを使う際にグリッドにスナップさせることで、きれいな線が引きやすくなります。
画面上部のメニューバーから[表示]→[グリッド]を選択すると、グリッドが表示されます。
また、[スナップ]を押すと、スナップ設定用のウィンドウが表示されます。
グリッドにスナップさせる
「スナップを有効にする」と「グリッドにスナップ」にチェックを入れておくと、キャンバス上のグリッドにスナップするようになります。
ペンツールで線を引く
ペンツールは、直線やベジェ曲線を描画するために使用されます。
描画した線には、ノードと呼ばれるポインタが配置されます。
ドラッグ操作をせずにキャンバス上をクリックしていくと、直線のノードを置けます。
ドラッグ操作でノードを置いた場合は、線が曲線に変化します。
最後に置いたノード上でダブルクリックをすると、線の描画が終わります。
ノードツールで線の形を編集する
ノードツールを使えば、線の形状を後から変更することができます。
解説図では、ノードツールでノードの位置を移動させています。
ノードツールで線のカーブを編集する
画面上部の「変換」からは、各ノードの直線/曲線を切り替えることができます。
解説図では、直線のノードを選択した状態で「スムーズに変換」を押して、曲線のノードに切り替えています。
③フリーハンドで線を引く、線のスタイルを設定する
鉛筆ツールで自由な線を引く
鉛筆ツールを使うことで、フリーハンドで自由な線が引けます。
線のスタイルを設定する
画面右上の「境界線」パネルでは、描いた線のスタイルを設定できます。
「幅」のスライダーを動かすと、線の太さが変更されます。
また、画面右下の「ブラシ」からブラシの形状を選択すると、線のタッチが選択したブラシに変更されます。
④長方形/楕円ツールでシェイプを描く、シェイプの内側を塗りつぶす
長方形と楕円を描く
長方形ツールと楕円ツールで、シンプルなシェイプを描くことができます。
シェイプを作る際にShiftキーを押していると、正方形と正円にスナップします。
境界線と塗りつぶしの設定をする
画面右上にある「アピアランス」では、シェイプの境界線と塗りつぶしの色の設定ができます。
境界線、又は塗りつぶしの色を非表示にしたいときも、アピアランスから設定してみてください。
⑤星型やハート型のシェイプを描く
ツールを変更する
右下に三角マークが表示されているツールは、左クリックを長押しするとツールを切り替えることができます。
様々なシェイプを描く
長方形や楕円以外にも、星型・ハート型・歯車型などのシェイプが描けるツールが搭載されています。
スナップの設定で「オブジェクトの境界ボックスにスナップ」にチェックを入れていると、複数のシェイプをきれいに並べることができます。
⑥ブール演算で複雑なシェイプを作る
シェイプを重ねる
ブール演算の機能を使うと、重なったシェイプの部分だけを削除したり、差分を取ったりすることができます。
重なっている円形のシェイプを複数選択して、画面右上にある「型抜き」のボタンを押します。
片方のシェイプが差し引かれる
上に重なっていた円形のシェイプが差し引かれて、三日月のシェイプになりました。
⑦反復複製で複雑なシェイプを作る
回転の起点を表示する
シンプルなシェイプを複製/変形して並べることで、複雑なシェイプが作れます。
まずは、シェイプを回転させる際の起点を設定します。
画面の右上の方にある「変形の起点を有効にする」をONにします。
シェイプの中央に起点が表示されました。
回転の起点を移動させる
涙形シェイプの頂点を起点にして回転させたいので、起点を頂点の位置に移動させます。
シェイプを複製する
画面右側のレイヤーパネル内で、レイヤーを右クリックして「複製」を選択します。
複製したシェイプを回転させる
複製したシェイプを選択します。
画面右下の変形パネルで角度を入力して、回転させます。
シェイプを反復複製する
回転させたシェイプを「複製」すると、自動的に角度が加算されて、回転した状態で複製されます。
涙形シェイプの複製を繰り返して、新たなシェイプを作っています。
Ctrl+Jのショートカット操作でも、シェイプを複製することができます。
⑧シェイプビルダーツールで複雑なシェイプを作る
選択した領域を繋げる
シェイプビルダーツールを使うことで、より複雑なシェイプが作れます。
最初にドラッグ操作をして、シェイプビルダーツールを適用したいシェイプを複数選択しておきましょう。
画面上部の「アクション」を「+」に設定してシェイプ内をドラッグすることで、ドラッグした領域を繋げることができます。
選択した領域を削除する
画面上部の「アクション」を「-」に設定してシェイプ内をドラッグすると、ドラッグした領域を削除できます。
応用的なシェイプを作る際には、シェイプビルダーツールを活用してみてください。
まとめ
ベクター形式とラスター形式の両方に対応している「Affinity Designer」の紹介でした。
Affinity Designerは、パスやシェイプを活用した作品作りに向いているグラフィックソフトです。
イラスト制作や、ロゴやアイコンなどのデザイン制作に、Affinity Designerをぜひ使ってみてください。