日が暮れようとしている夕方の時間帯は、イラストでも人気のシチュエーションです。
きれいなオレンジ色に染まる夕焼けを描いて、情景が感じられるイラストに仕上げましょう。
今回はpixivから、takujiさんのご投稿を紹介します。
夕焼けの描き方の手順を見ていきましょう。
※この記事で紹介している内容はご本人の許可を得て掲載しています。
この記事の目次
夕焼け(夕日)の描き方をイラスト解説
夕焼けを描く際に用意するもの
使用するペイントソフト・ブラシ
解説ではペイントソフトのPhotoshopを使用します。
数種類の雲形のブラシを用意しておくと便利です。
利用規約がフリーなブラシや、自分で描いた雲をブラシ登録しておくのもオススメです。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)をお使いの方は、CLIP STUDIO ASSETSから様々な雲ブラシをダウンロードできます。
用意しておくと便利なペンタブ
ワコム製品のIntuos4~ProシリーズやCintiqシリーズに対応している、ワコムのアートペンがあると便利です。
ワコムのアートペンは回転検知機能に対応しています。
雲などを描くときにペンを回すことで、連動してブラシの角度を変えることができます。
①夕焼けのグラデーションを作る
まずは、赤みのオレンジ→黄色のグラデーションをかけます。
この際、中間の部分に薄いピンク味をエアブラシで足すことで、単調さがなくなります。
②雲形のブラシで雲を描く
新規レイヤーを作成して、雲形のブラシで雲を描いていきます。
雲の色は、グラデーションの下の方の明るい色を使いましょう。
雲の形を作る際に、雲の下面は少し緩やかにして、上面を激しめにすると良いです。
③変形ツールで雲にパースをつける
パース感が少し弱かったので、ワープ変形などを使って雲を変形していきます。
クリスタを使っている方は、メッシュ変形などを活用しましょう。
雲を配置するコツとして、雲にもパース感をつけてメインの大きい雲を1~2つ置きましょう。
メインの雲を置くことで、画面が決まりやすくなります。
④雲にグラデーションをかける
雲にも空と同じように、上から下にかけて薄いグラデーションをかけていきます。
雲を描いたレイヤーに不透明度保護を設定したり、新規レイヤーをクリッピングしたりして、グラデーションが雲からはみ出さないように設定しましょう。
雲にグラデーションをかけることにより、雲が画面に馴染んできます。
背景のイラスト制作では、このような小さい工程の積み重ねが、完成したときのクオリティに大きく影響してきます。
⑤雲を増やしていく
雲を増やしていきます。
調整をしやすいように、ある程度レイヤーを分けておくのがオススメです。
⑥逆光の雲を追加する
画面の下の方にも雲を追加していきます。
今回はメリハリを重視して、逆光の雲を追加しました。
アイレベルに近い部分の雲は、なるべく平たくしましょう。
解説図の場合、アイレベルは画面外の下の方にあります。 画面の上の方は見上げている雲、画面の下の方は正対(正面に向き合っている)している雲、と言った具合に立体感を出していきましょう。
⑦雲の影面を描き込む
画面の上の方にある雲を中心に、影の面を描き込んでいきます。
⑧追加した雲を変形する
追加した雲にも、ワープ変形(メッシュ変形)などを使って調整をかけていきます。
⑨夕日の色をスクリーンで追加する
合成モードをスクリーンに設定したレイヤーを作成して、黄色系の色で夕日を追加していきます。
夕方は昼間とは違って、太陽の位置が低いことを忘れないようにしましょう。
⑩夕日の色をオーバーレイで補完する
合成モードをスクリーンに設定したレイヤーでは、下地の色が濃ければ濃いほど、選んだ色に近い濃さでピカッと色が入ります。
しかし、薄めの色を使っていると白っぽい印象になりがちです。
そんなときは、合成モードをオーバーレイに設定したレイヤーを併せて使って、色の補完をしましょう。
アニメ・ゲームのフレア処理でも、スクリーン+オーバーレイはよく使われる組み合わせで、実用性が高いのでオススメです。
⑪光源の付近を明るくする
画面下部の光源付近がより明るくなるように調整していきます。
⑫逆光の雲に夕日の色を被せる
逆光の雲に夕日の色を被せます。
夕日のレイヤーをコピーして、対象の雲レイヤーにクリッピングすると楽です。
⑬濃さと色味を調整する
雲と夕日の色・明暗がくっつかないように注意しながら、濃さと色味を調整していきます。
奥と手前の距離感を出すことも意識しましょう。
⑭微調整をする
最後に寂しいところに雲を追加したり、微調整をかけたりします。
夕焼けのイラストの完成
夕焼け空のイラストが完成しました!
黄色からオレンジ色へ変化するグラデーションの空に、奥行きや臨場感を感じさせる様々な形の空が浮かんでいます。
ここまでの手順で、大体30分程度で制作をされているとのことです。
夕焼けの描き方のメイキング動画
takujiさんは、夕焼けの描き方のメイキング動画を投稿していらっしゃいます。
作業の細部まで映した動画も参考にして、夕焼けを描いてみてください。
ごくごく個人的な夕空の描き方 ※約10倍速です#絵描きさんと繋がりたい #イラスト #イラスト好きな人と繋がりたい #イラスト講座 pic.twitter.com/RAuGNlR2DD
— takuji@blender修行僧 (@takuji_58) September 19, 2019
まとめ
夕焼けの描き方の解説でした。
雲形ブラシやグラデーションツール、変形ツールなどのデジタルの機能を活用して、夕焼け空を描いていきましょう。
色を調整する際には、合成モードのスクリーンやオーバーレイも効果的です。
夕焼けの描き方が分からずにお悩みの方は、takujiさんの解説を参考にしてみてください。
最後に、takujiさんのプロフィールをご紹介します。
takujiさんは、フリーランスでゲーム背景のお仕事をしていらっしゃいます。
pixivやTwitter、BOOTHでは、他にも素敵なイラストや背景素材を公開されているので、ぜひご覧ください!