「Linearity Curve(旧:Vectornator)」は、macOSとiOSで使える無料アプリです。
ベクターグラフィックのきれいな線を描くことができるので、イラスト制作だけでなく、デザインにもオススメです。
今回は、グラフィックアプリ「Linearity Curve」の使い方をご紹介します。
この記事の目次
Linearity Curve(旧:Vectornator)の使い方
Linearity Curveはどんなアプリ?
「Linearity Curve」は無料のグラフィックアプリで、Mac・iPhone・iPadの端末で使用できます。
元々は「Vectornator」という名前の人気アプリでしたが、2023年7月のメジャーアップデートを経て、アプリの名称が「Linearity Curve」に変更されました。
Linearity Curveではベクターレイヤーに絵を描いていくので、描いた線の形を自由に編集でき、拡大・縮小をする際の画質の劣化もありません。
ペンツールや図形ツールを使って、きれいな線・形でイラストやデザインを描くことができます。
Adobe Illustratorと似た機能が搭載されており、iPadで使えるIllustratorの代替アプリとしても人気があります。
Linearity Curveの特徴
- macOS・iOSで使える無料のグラフィックアプリ
- きれいな線・形でイラストが描ける
- 絵を拡大/縮小しても画質が劣化しない
- Adobe Illustratorのファイル形式にも互換性がある
①新規ドキュメントを作成する
用紙サイズを選択する
アプリを起動した後に、画面の右上にある「+」ボタンを押して「新規ドキュメント」を選択します。
新規ドキュメントのポップアップが表示されるので、「すべてのテンプレート」を押してお好みの用紙サイズを選択しましょう。
目的に合わせた用紙サイズを選択する
新規ドキュメントのポップアップ内には、他にも「デバイス」や「SNS」、「アイコン」のタブがあります。
Twitterのヘッダーの画像サイズやYoutubeのサムネイルの画像サイズなど、目的に合わせて用紙サイズを決められます。
②画面の基本的な使い方
Linearity Curveの画面には、頻繁に使用する3つのバーがあります。
画面上部の左側には「アクションバー」があります。
アンドゥ・リドゥやコピー・貼り付けなどのボタンが配置されています。
画面上部の右側には「インスペクタ」があります。
線の形・色を変更できるスタイルタブや、レイヤー情報を変更できるレイヤータブを開けます。
キャンバスの左端にあるのは「ツールバー」です。
選択ツール・ペンツール・図形ツール・テキストツールなど、ツールのボタンが置かれています。
ヘルプモードでボタンの説明を表示できる
使い方が分からないボタンがある場合は、画面上部の「?」ボタンを押して「ヘルプモード」を選択しましょう。
ヘルプモードになると画面上のボタンがオレンジ色に反転されます。
オレンジ色のボタンを押すと、機能の説明が表示されます。
③ジェスチャーを使って手軽に操作
Linearity Curveの画面では指によるジェスチャー入力が可能です。
アクションバーにあるアンドゥ・リドゥのボタンを押すよりも、ジェスチャーを使ってショートカット操作をした方が、制作をスムーズに進められます。
基本的なジェスチャーは覚えてしまいましょう。
操作名 | ジェスチャー |
アンドゥ(取り消し) | 2本指タップ |
リドゥ(やり直し) | 3本指タップ |
キャンバスの移動 | 2本指ドラッグ |
キャンバスの拡大表示 | 2本指を広げる |
キャンバスの縮小表示 | 2本指を狭める |
④鉛筆ツールと選択ツールを使ってみよう
鉛筆ツールで自由に線を引く
キャンバスに線を引いてみましょう。
ツールバーの中にある鉛筆マークのボタンを押します。
このツールは[鉛筆ツール]で、フリーハンドで自由な線を引くことができます。
Apple Pencilなどのペンを使うと線が引きやすいです。
Linearity Curveでは、解説図に描かれているような一つの線・形のことを「シェイプ」と呼びます。
選択ツールでシェイプを移動させる
ツールバーの一番上にある矢印マークのボタンは、[選択ツール]です。
[選択ツール]でシェイプを選択すると、シェイプの移動・回転・拡大/縮小などの操作ができるようになります。
シェイプ上でドラッグ操作することで、シェイプを移動できます。
オレンジ色のポインタの上でドラッグをすると、シェイプを回転できます。
また、水色のポインタ上でドラッグ操作をするとシェイプの拡大/縮小ができます。
比率を保ったまま拡大/縮小をしたい場合は、もう片方の指を画面にホールドさせたままドラッグ操作をするか、緑色のポインタを使いましょう。
⑤シェイプの色・線幅を変更する
ツールバーの下端にある2つのボタンからは、「塗りつぶし」の色と「線」の色を変更できます。
解説図でキャンバスに描画されているのは線のみのシェイプなので、「塗りつぶし」の色には赤い斜線が表示されています。
「線」の色はオレンジ色が選択されています。
インスペクタのスタイルタブでも変更できる
インスペクタの左に配置されているボタンを押すと、「スタイル」タブが表示されます。
「スタイル」のタブでは、色・線幅・透明度・角丸サイズなど、シェイプが持っている様々な情報を編集できます。
⑥図形ツールで簡単に形を作る
[図形ツール]を使うことで、図形を簡単に描くことができます。
- 長方形
- 楕円形
- 星
- 多角形
- ライン
- スパイラル
画面をタップ後にドラッグ操作をすることでサイズを調整できます。
ドラッグ操作中にもう片方の手の指で画面をホールドすることで、正方形や正円などの比率の整った図形を描画できます。
図形の角の数を変更する
[星]と[多角形]は角の数を変更することができます。
下に表示される図形マーク上でドラッグ操作をするか、図形マークをタップして角の数を変更してみましょう。
⑦Shape Builderツールでシェイプを組み合わせる
解説図では、3つの三角形と1つの長方形が描かれています。
長方形はインスペクタの[スタイル]タブから最背面に移動して、三角形の背面に表示しています。
3つの三角形のシェイプを結合して、木の葉っぱの部分を作ってみましょう。
Shape Builderツールの結合モードを使う
[選択ツール]のドラッグ操作で複数の図形を選択した後に、[Shape Builderツール]を選びます。
[結合モード]と[消去モード]の2種類のモードがあるので、[結合モード]を選びましょう。
一番上の三角形から一番下の三角形までドラッグ操作をします。
3つの三角形が1つのシェイプに結合されました。
シェイプを繋げて形を作りたい場合は、[Shape Builderツール]の[結合モード]を使ってみてください。
Shape Builderツールの消去モードを使う
解説図では、黄色の正円の上にオレンジ色の正円が描かれています。
黄色の正円の部分から重なっているオレンジ色の部分を削って、三日月を作ってみましょう。
先程と同じように[選択ツール]で2つの図形を選択します。
[Shape Builderツール]の[消去モード]を選択して、オレンジ色の円をドラッグ操作しましょう。
黄色い正円が削られて三日月の形になりました。
あるシェイプから別のシェイプで切り取った形を作りたい場合は、[Shape Builderツール]の[消去モード]を使ってみてください。
⑧ガイド・グリッド機能は配置や整頓に便利
ガイド線にスナップさせる
画面上のシェイプをきれいに並べたいときは、「ガイド」と「物差し」が役に立ちます。
画面上部の三点リーダーのボタンを押して「ガイド」、「物差し」、「ガイドにスナップ」にチェックマークを入れましょう。
キャンバスの周囲に表示されているメモリが「物差し」です。
メモリをタップすると、位置を動かせる「ガイド」が表示されます。
[選択ツール]を選んでいると、ガイドを自由な位置に動かすことができます。
「ガイドにスナップ」の機能をONにしていると、キャンバス上のシェイプを移動させる際にガイド線にスナップするようになります。
シェイプをきれいに並べたいときに活用してみてください。
スマートガイドで別のシェイプにスナップさせる
解説図では、「スマートガイド」の機能にチェックマークを入れています。
「スマートガイド」がONになっていると、シェイプをドラッグ操作で移動させる際、近くにある別のシェイプを基準にガイド線が表示されるようになります。
他のシェイプと位置を合わせたいときは「スマートガイド」を使ってみてください。
グリッドにスナップさせる
「グリッド」と「グリッドにスナップ」にチェックマークを入れていると、キャンバス上に表示されているマス目にスナップします。
シェイプの位置を合わせたいときには「グリッド」も使ってみてください。
⑨ペンツールできれいな直線・曲線を引く
ペンツールで直線を引く
[ペンツール]を使うことで、直線やベジェ曲線などの線(パス)を描くことができます。
まずは直線から引いてみましょう。
[ペンツール]を選択して画面をタップしていくことで「アンカーポイント」が置かれ、直線を描くことができます。
ダブルタップで編集を終了します。
※曲線を描きたい場合は、ドラッグ操作でアンカーポイントを置きます。
ノードツールでアンカーポイントを移動する
ツールバーの上から2番目には[ノードツール]があります。
[ノードツール]でアンカーポイントを選択することで、アンカーポイントの移動や編集ができます。
解説図ではアンカーポイントの位置を移動させて、描画してある線の形を変えています。
Single Node(直線)
アンカーポイントのノードタイプを変更することで、線の形を直線から曲線に変更できます。
アンカーポイントを選択している状態で、インスペクタの「スタイル」タブを表示しましょう。
現在はノードタイプが「Single Node」に設定されているため、直線が描画されています。
Mirrored Node(曲線:2つのハンドルが対称になる)
ノードタイプを左から2番目の「Mirrored Node」に変更してみましょう。
アンカーポイントに繋がっていた直線が、曲線に変化します。
アンカーポイントのノードタイプがSingle Node以外の場合、曲線を操作するための「ハンドル」が表示されます。
このハンドルをドラッグ操作で動かすことで、曲線の曲がり具合を変化させられます。
「Mirrored Node」で片方のハンドルを動かすと、もう片方のハンドルも対称の位置に移動します。
Asymmetric Node(曲線:2つのハンドルの長さが非対称になる)
「Asymmetric Node」に設定していると、アンカーポイントから出ているハンドルの長さを非対称にすることができます。
解説図では、アンカーポイントの右側のハンドルだけ短くして、曲線の曲がり具合を変化させています。
Disconnected Node(曲線:片方のハンドルは固定される)
「Mirrored Node」と「Asymmetric Node」では、片方のハンドルを動かすと、もう片方のハンドルがアンカーポイントを基準に対称の位置に移動します。
「Disconnected Node」では、片方のハンドルを動かしても、もう片方のハンドルの位置は変化しません。
「Disconnected Node」を使うことで、片側の曲線の曲がり具合だけを変化させることができます。
4種類のノードタイプを使いこなすことで、様々な曲がり具合の直線・曲線を描画できます。
イラストやデザインを描いてみよう
[図形ツール]や[Shape Builderツール]、[ペンツール]を使ってイラスト・デザインを描いてみましょう。
「スマートガイド」や「グリッド」などのスナップ機能も活用すると、シェイプをきれいに配置できます。
Linearity Curveは、他にもブラシ・テキストなどのツールや素材のプリセットなど、様々な機能が搭載されています。
きれいな直線・曲線を多用するイラストの制作や、配置が重要なデザイン制作に、Linearity Curveを使ってみてください。
まとめ
macOSとiOSで使える無料のグラフィックアプリ、「Linearity Curve(旧:Vectornator)」の基本的な使い方の解説でした。
iPadで使えるIllustratorの代替アプリや、ベクターグラフィック用のアプリをお探しの方は、Linearity Curveをぜひダウンロードしてみてください。