厚塗り風にイラストを仕上げたいけれど、厚塗りは制作手順が難しそう……。
そんなときは、アニメ塗りの要領でイラスト制作を進めて、途中から厚塗り風に着色してみるのもオススメです。
今回はpixivから、蒼⑧さんのご投稿を紹介します。
アニメ塗りの手順を元にして、途中から厚塗り風に仕上げていくイラストメイキングを見ていきましょう。
※この記事で紹介している内容はご本人の許可を得て掲載しています。
厚塗り風のイラストの描き方
アニメ塗りと厚塗りの違い
アニメ塗りとは何か?
単一の色で影をはっきりと塗っていく手法を、「アニメ塗り」と呼びます。
アニメ塗りは手順が簡単なので、初心者の方も覚えやすい塗り方です。
厚塗りとは何か?
色を重ねながら重厚感を出していく塗り方を、「厚塗り」と呼びます。
影とベースの境目がグラデーションのようになっていることが多く、油絵のような雰囲気が出せます。
アニメ塗りと厚塗りを組み合わせてみよう
厚塗りの手法の中には、線画を描かずに1枚のレイヤー内に輪郭や色を重ねていき、イラストを完成させる方法があります。
上記の方法は、線画を描かずにシルエットを取っていくため、難しいと感じる方もいるかもしれません。
そんな方は、序盤はアニメ塗りの要領でイラストを作成していき、途中から厚塗り風の塗り方に切り替えてみるのもオススメです。
①線画と下塗りをする
最初は、アニメ塗りと同様の手順で、線画と下塗りをしていきます。
後の工程で、線画も含めて上から色を重ねていくので、そこまで丁寧な線を描かなくても問題ありません。
線画が大雑把すぎると後で大変なので、ある程度は整えておく必要はあります。
線画や色分けのレイヤーは、パーツごとに分けて描いても大丈夫です。
②光と影を描く
ここら辺は影で、ここら辺は光、といった具合で光と影を大雑把に描きます。
このときに影は単色にせずに、パーツごとに2~3色で塗っていきます。
今回のメイキングでは使用していませんが、影レイヤーを複製後に透明ピクセルをロックして、エアブラシで塗っていく方法も有効です。
様々な色を使ってエアブラシで塗った後に、レイヤーの不透明度を50%にすることで、影の色が複雑になります。
ここまでのレイヤーは統合しても良いですし、統合しなくても問題ありません。
③描き込みをする
描き込みをして厚塗りっぽくしていきます。
厚塗り用に便利なツール・設定
- 色を選ぶときは、スポイトでキャンバス上の色を採る
- ブラシの不透明度を下げる
- テクスチャなど、質感のあるブラシを使用する
影などの色の境界線を何回か撫でると、それっぽくなります。
同様に、線画も上から塗りつぶしていきましょう。
気が済むまで描き込みます。
解説例では、統合したレイヤーの上に塗り込み用のレイヤーを作成して、色を置いています。
④加工をして完成!
加工が必要であれば、コントラストを上げたり色味を足したりします。
描き込みの工程で良い感じに塗れていれば、加工をしなくても問題ありません。
加工の工程が終わったらイラストの完成です!
まとめ
最初はアニメ塗りの要領で線画・下塗りを作成して、途中から厚塗り風に着色していくイラストメイキングでした。
単一の色で影を塗るアニメ塗りに対して、厚塗りでは色を混ぜながら塗っていきます。
スポイトで色を採ったり不透明度を下げたブラシを使ったりして、線画の上から色を重ねるように描き込んでいきましょう。
厚塗り風にイラストを仕上げたいけど難しそう……とお悩みの方は、蒼⑧さんの解説を参考にしてみてください。
最後に、蒼⑧さんのpixivやTwitter、ポートフォリオサイトをご紹介します。
他にも素敵なイラストを投稿されているので、ぜひご覧ください!