キャラクターイラストに色を塗ったけれど、どこか物足りない……。 配色や影つけのクオリティを高くするコツはないかな?
今回はpixivから、みーすさんのご投稿を紹介します。
色選びの考え方や、光と影を表現する方法を見ていきましょう。
※この記事で紹介している内容はご本人の許可を得て掲載しています。
イラストの色塗りのコツを紹介
①色選びは「環境色」を考えよう
ベース色を環境の色に寄せる
環境色とは、キャラクターを取り巻く環境から生じる色のことです。
環境色寄りの固有色をベース色にすることで、周りに馴染んだキャラクターイラストになります。
例えば、キャラクターの周りに水色の空があれば、髪や肌などのベース色を水色の色相に寄せます。
キャラクターの周囲が黄緑色の森林であれば、髪や肌などのベース色を黄緑色の色相に寄せます。
環境色のバリエーション
赤色や紺色、茶色など、シチュエーションによって環境色は様々です。
環境から反射した光がキャラクターに当たっていると考えて、ベースの色を環境の色に寄せてみてください。
影・ハイライトも環境色に寄せる
ベース色だけでなく、影やハイライトも環境色に寄せると、より馴染んで見えます。
作例では、キャラクターの周りに薄い赤色の森林があるので、影とハイライトの色を赤系統の色相に寄せています。
②原色を使いすぎない
ここで言う原色とは、赤・緑・青のような混色する前の色や、紫・オレンジなどの基本色のことを指します。
キャラクターのパーツに原色を使いすぎてしまうと、調和が取れずに不自然に見えてしまいます。
原色に近い色の使用は控えめにしておきましょう。
③彩度を低くする
キャラクターの色が不自然に感じる……。
そんなときは、彩度が高い色を使っていることが原因かもしれません。
自然な色合いにするため、カラーサークルから描画色の彩度を低くして塗ってみてください。
④様々な光・陰影の表現を覚えよう
人間の肌など、半透明な物質の表現
人間の肌は半透明な物質です。
指などの厚さが薄い箇所に強い光が当たる場合には、作例のように肌が透けて光の色が見えます。
光のリアリティを感じさせたいときに、イラスト内で活用してみてください。
球体の陰影の表現
球体などの基本的な形から陰影を考えてみるのも、キャラクターの色塗りに役立ちます。
球体に光が当たる場合に、光源側は彩度が高い箇所が多くなります。
光源と反対側に向かうに連れて、彩度が低くなります。
地面に落ちる影は黒色と思いがちですが、物体からの反射光により色がつきます。
半透明な物質の場合は、光が物体を通過して透けた色も影に加わります。
光を利用した表現
物体から反射した光や、宙を舞う細かいほこりなども加えて、光を表現してみてください。
光が強く当たる箇所は、線画を描かずに輪郭を少しぼやけさせると雰囲気が出ます。
⑤ライティングの作例
光源ごとのキャラクターの作例を紹介しています。
イラストを制作する際には、光源をどこに置いて陰影をどのように塗っていくのか、最初にライティングの方針も考えてみましょう。
光源の位置が真下、真上の作例
光源を真下に置くと、怖さや不安を感じさせる表現になります。
影のフチには彩度が高い光の色も混ぜると、影色が豊かになるのでオススメです。
光源の位置が手前、左下の作例
右のイラストは光源が近いので、光源側は彩度が高い色で塗っています。
影と光の境界や首の下にも、彩度が高い色を置いています。
光源の位置が真後ろ、左上の作例
光源の位置が真後ろにある場合は、輪郭に沿うようにして光が入ります。
髪の毛の光源に近い部分は、黒い線画を消して輪郭をぼかし、光を表現しています。
まとめ
色選びの考え方やライティングの解説でした。
キャラクターを塗るときは、彩度を控えめにして環境色も考慮すると、自然な色合いで仕上げられます。
また、光や陰影を表現する方法を覚えると、イラストにリアリティが生まれます。
みーすさんのpixivのご投稿では、色塗り用の線画も公開されています。
塗りの練習をしたい方は、ぜひ線画をお借りして色を塗ってみてください。
最後に、みーすさんのプロフィールをご紹介します。
みーすさんは、イラストレーターをしていらっしゃいます。
pixivやTwitterでは、他にも素敵なイラストを投稿されているので、ぜひご覧ください!