生活に欠かせない「食べ物」は、イラストでも馴染みのあるテーマです。
食品が主題のイラストや、キャラクターの食事シーンなど、食べ物を美味しそうに描きたいですね。
今回は、pixivから琥珀さんのご投稿を紹介します。
ファストフードの中でも人気のある、ハンバーガーとホットドッグを描く手順を見ていきましょう。
※この記事で紹介している内容はご本人の許可を得て掲載しています。
この記事の目次
線画なしのハンバーガーの描き方
今回のメイキングでは、CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の[ペンツール]→[リアルGペン]で色塗りをしていきます。
最初にシルエットを描く
線画を描かずにイラストを制作する場合は、最初にシルエットを作って形を決めましょう。
パン・サーモン・野菜の形を意識しながら、ベースの色を置いていきます。
レイヤー構成は上から順番に、上のパン、サーモン、野菜、下のパンです。
①パンを描く手順
パンにシワを描く
ベースよりも暗い色で、パンのシワの位置を決めていきます。
左側よりも右側の方が膨らんでいるイメージで描いていきましょう。
線画がないので、シルエットの境界には暗い色を入れてコントラストを出していくと、引き締まった絵になります。
パンの暗い部分を塗り、明度の低い色でシワを描きます。
光源の位置は、ハンバーガーの右上に設定しています。
パンの色を増やす
[リアルGペン]の不透明度を、30~60%に設定します。
キャンバスに塗ってあるパンの色を[スポイトツール]で採りながら、周りに色を置いていきましょう。
パンの色の諧調を増やす感覚で塗っていきます。
光源がパンの右上にあるので、左下のフチ辺りは暗くなります。
暗い部分は[スポイトツール]で色を採った後、彩度を下げて周りに塗っていきます。
パンの左側・上部・右フチを、更に細かく塗っています。
パンの全体に陰影をつける
[リアルGペン]の不透明度を10~30%に設定して、ブラシサイズを大きめにします。
光源を意識して、明るくなる水色の矢印の箇所を、オレンジ味のある黄色で塗ります。
暗くなる赤い矢印の箇所は、濃い茶色で塗ります。
色が混ざって複雑になりすぎてしまった箇所は、上から被せるように単色を塗って調整します。
パンのハイライトを描く
パンは暖色(ウォームカラー)なので、ハイライトを寒色(クールカラー)で入れると、色相が対比されて目立ちます。
ハイライトを青系の色で塗った後、上に白色を置いていきましょう。
②サーモンを描く手順
サーモンを2色で塗り分ける
サーモンを2色で塗り分けて、暗い部分と明るい部分を作っています。
サーモンにピンク系の色を追加する
今回のイラストで描くサーモンは、燻製したスモークサーモンです。
スモークサーモンは、刺身のサーモンよりもピンク系の色をしています。
サーモンの切り落としが何枚も挟まっているのをイメージします。
サーモンとサーモンの間の境界などを中心に、濃いめのピンク系の色を追加しましょう。
サーモンの質感を描く
サーモンの質感を細かく描きます。
スモークサーモンは薄いので、刺身のサーモンよりも白い脂の部分は少ないです。
スモークサーモンの表面には、紋のような白い脂を描くのは控えめにしましょう。
サーモンの左フチには皮を追加して、パン側を暗く、手前側を明るく塗っていきます。
サーモンの一切れの形が想像できるように、一切れの輪郭に沿って暗い色を置いていきます。
③野菜を描く手順
野菜の暗い部分を描く
野菜の暗い部分を深緑色で描きます。
パンとサーモンの落ち影になる部分、野菜が段になって影ができる部分、野菜が丸まった箇所の内側の部分など、形をイメージしながら色を置いていきます。
野菜に明暗を入れる
野菜の表面は、コントラストが高いです。
野菜の奥側の暗い部分は、黒に近い緑色を使って塗りましょう。
手前の明るい部分は、彩度・明度の高い緑色を使います。
野菜のハイライトを描く
右上からの光を意識しながら、野菜とサーモンにハイライトを入れます。
④ブラックペッパーを描く手順
ブラックペッパーを入れる
黒色と黄色を使って、ブラックペッパーを描きます。
パンとサーモンの上に、散りばめるように乗せていきましょう。
⑤仕上げの手順
全体を調整する
サーモンと野菜の奥側の部分を暗くしています。
ハンバーガーの完成
全体に赤みを加えて、ハンバーガーの完成です。
パンやサーモン、野菜の色味が調和していて、美味しそうなハンバーガーですね。
線画なしのホットドッグの描き方
最初にシルエットを描く
パン・豚カツ・野菜の形を意識しながら色を置いていきます。
レイヤー構成は上から順番に、手前側のパン、豚カツ、野菜、奥側のパンです。
①豚カツを描く手順
豚カツを塗り分ける
豚カツの外側の衣を茶色で塗り、中の肉を薄い肌色で塗ります。
豚カツの衣の暗い部分とソースを描く
豚カツの衣の暗い部分を描きます。
揚げ物の表面を観察して、細かく不均一なタッチで塗っていきましょう。
豚カツと豚カツの周辺には、ソースを乗せます。
豚カツの肉の質感を描く
肉の色をスポイトで採って、明度と彩度を下げます。
調整した色で肉の質感を描き込んでいきましょう。
上の豚カツを塗り足す
上の豚カツに、ソースの暗い部分や肉の質感を塗り足します。
豚カツのソースの細部を塗る
豚カツのソースはコントラストが高いため、暗い部分は黒色に近い茶色を使います。
また、ソースは若干の透明感があります。
ソースの明るい部分を塗る際は、周りの色(豚カツの衣や肉の色)を採って、[リアルGペン]の不透明度を15~30%に設定して塗りましょう。
半透明なソースを、豚カツの上に乗せるようなイメージです。
豚カツの横の野菜を塗る
野菜は、光が当たる表の面・影になる裏の面を意識して塗りましょう。
表の面は黄緑色で芯・葉を描き、裏の面は深緑色で影を塗っています。
②パンを描く手順
パンの全体に陰影をつける
[リアルGペン]の不透明度を50~60%に設定します。
ホットドッグの上部にある光源を意識して、赤い矢印で示されている暗い部分を塗っていきましょう。
青い線で囲まれている箇所は明るい部分なので、影は入れません。
手前側のパンのシワを描く
濃い茶色を使って、手前側のパンのシワを描きます。
光源から最も離れている箇所は、彩度の低い色で塗っています。
パンの内側を描く
パンの内側の面には、無数の細かい気泡があります。
小さい気泡が繋がっているイメージで、陰影を塗りましょう。
奥側のパンのシワを描く
手前側のパンと同じように、奥側のパンにもシワを描いていきます。
パンの陰影の境界をなじませる
[リアルGペン]の不透明度を60~70%に設定します。
色と色の境がはっきりしすぎている箇所を、馴染ませるように塗っていきます。
パンの暗い部分を更に濃くする
[リアルGペン]の不透明度を30%に設定します。
光源を意識して、暗い部分を重ねるように塗っていきます。
パンの細部を修正する
パンの陰影の形など、細かい部分を調整しています。
ハイライトを足す
ソースがかかっている箇所を中心に、ハイライトを入れます。
豚カツのソースはコントラストが高いので、思い切って明度の高い色を使いましょう。 白色のハイライトだけでなく、寒色の黄緑色のハイライトも入れています。
ホットドッグの完成
全体に赤みを足して、ホットドッグの完成です!
柔らかそうなパンの間に、さっくりとした衣の豚カツを挟んでいます。 豚カツには濃厚なソースもかかっており、今にも食べたくなるようなホットドッグですね。
まとめ
ハンバーガーとホットドックを描く手順の解説でした。
線画を描かずに色塗りをする場合は、シルエットでしっかりと形を整えましょう。
また、パン・肉・野菜など、食べ物の質感や陰影のつけ方は様々です。
食品の写真や琥珀さんのメイキングを参考にして、食べ物のイラストを描いてみてください。
最後に、琥珀さんのpixiv・Twitter・Instagramをご紹介します。
他にも素敵なイラストを投稿されているので、ぜひご覧ください!