イラストを描き終えたけれど、背景からキャラが浮いて見える……。キャラを背景に馴染ませるためには、何をすればよいのかな?
今回は、pixivから枸杞さんのご投稿を紹介します。キャラと背景を馴染ませる方法を見ていきましょう。
※この記事で紹介している内容はご本人の許可を得て掲載しています。
この記事の目次
キャラと背景の馴染ませ方を解説
ibisPaint(アイビスペイント)を使用した、キャラと背景の馴染ませ方の講座です。
背景の空の絵も、アイビスペイントの素材を使用しています。
馴染ませる前のキャラクターイラスト
ブレンドモードの〔乗算〕と〔スクリーン〕のレイヤーで、グロー効果を掛けています。
また、彩度を上げるために、ブレンドモードを〔彩度〕に設定したレイヤーに青色をうっすらと塗りつぶしています(彩度は加工でも調整できるので、やらなくても問題ありません)。
今回は、この状態から人物を背景に馴染ませていきます。
①早朝の青空
まだ太陽が昇りきっていないので、全体的に暗いです。
青空の暗い部分の色をスポイトで取り、人物に〔乗算〕します。
空の白くなっている部分(背景中央)の光は人物に当たるので、スポイトで色を取り、全体に薄く〔スクリーン〕を掛けています。
②日中の青空
太陽が昇っているので、全体的にとても明るいです。
人物全体に太陽の光が当たるので、白色で〔スクリーン〕を満遍なく掛けています。
スクリーンを掛けすぎると人物が浮いてしまうので、注意が必要です。
③日中の青空(影あり)
青空でも太陽が雲に隠れれば、光が照らずに辺りが暗くなることがあると思います。そのような場面のイラストです。
②の日中の青空の状態から、人物に〔乗算〕を掛けます。乗算の色は、背景の青色の彩度を低めにした色を使うと、馴染みます。
④夕暮れ前の青空
空がうっすら赤くなってくる頃の時間帯です。
辺りも暗くなってくるので、人物が浮かないように、背景の青の暗い部分をスポイトで取り、軽く〔乗算〕します。
ほんのり夕焼けっぽさを出すために、全体的に薄い茜色の〔スクリーン〕を人物に掛けています。
⑤夕焼けの空(その1)
夜になる直前くらいの赤っぽい夕焼けが見れる時間帯です。
段々と暗くなっていくので、背景の暗い部分をスポイトで取り、人物に〔乗算〕します。
夕焼けの光(画面左下)は直接人物に当たるので、スポイトで色を取り、〔加算・発光〕させています。
⑥夕焼けの空(その2)
オレンジっぽい夕焼けです。現実では、ここまできれいな夕焼けを見るのは難しいかもしれません(ファンタジーを意識しています)。
馴染ませ方は、⑤の夕焼けの空とほぼ同じです。
メリハリを出すために、背景の暗い色をスポイトで取り、光が当たっていない側に〔乗算〕しています。
⑦夜空
夜なのでとても暗いです。
人物を馴染ませるために、背景の暗い部分をスポイトで取り、少し強めに〔乗算〕を掛けます。
ただ、乗算だけだと単に暗くなるだけで人物の立体感が出ません。乗算に使用した色を使って、〔スクリーン〕を人物に掛けています。
⑧くもり空
雨が降り出しそうなくもり空です。
辺りは暗くなっているはずなので、背景からスポイトした灰色を人物に〔乗算〕して馴染ませます。
今までは、青色で軽く〔彩度〕を掛けていました。しかし、くもり空の場合は、人物の彩度が高いと浮いて見えてしまうので、外しています。
⑨木漏れ日
今回は、空の背景に人物を馴染ませる解説でした。空以外の背景でも、基本的には同じ考えで馴染ませることができます。
解説のイラストでは、木の幹の黒い部分を〔乗算〕で、葉の明るい部分を〔スクリーン〕で、それぞれスポイトで色を取って塗っています。
まとめ
時間帯・天候ごとの、キャラと背景を馴染ませる方法の解説でした。
キャラと背景が馴染んでいると、自然で臨場感のあるイラストに感じられます。キャラが背景から浮いて見える……とお悩みの方は、枸杞さんの解説を参考にしてみてください。
最後に、枸杞さんのpixiv・Twitterをご紹介します。他にも素敵なイラストを投稿されているので、ぜひご覧ください!