線画を描き終えて色を塗っているけれど、ラフと絵の印象が全然違う……。イラスト制作で起こりがちな問題ですが、何か対策はないのでしょうか?
今回は、Twitterから、いぬちるさんのご投稿を紹介します。ラフ絵の印象を崩さずにイラストを仕上げていく方法を見ていきましょう。
※この記事で紹介している内容はご本人の許可を得て掲載しています。
ラフ絵の印象を崩さないイラストの作成方法
※解説例ではクリスタ(CLIP STUDIO PAINT)を使用しています。
一般的な絵の塗り方での悩み
時間がかかる
一般的なイラストの制作工程では、ラフを描いた後に線画を起こし、1から色を塗っていきます。 ラフを描いた後の線画や本塗りの工程の作業量が多く、時間がかかってしまいます。
ラフと印象が違う
良い感じにラフを描けたのに、線画に起こしたら微妙になってしまった……。そんな経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
目や顔の輪郭といったキャラクターの重要な部分は、線一本分ずれただけで絵の印象が変わってしまいます。 ラフのイメージを保ったまま線をクリーンナップしていくのは、とても難易度の高い作業と言えます。
いぬちるさんのオススメの塗り方
上記の悩みを解決する塗り方の紹介です。
ラフを描いた後、線画を描かずにラフの線・色を上から整えていくのが、いぬちるさんのオススメの塗り方です。
塗り方の手順
- 線のラフを描く
- 色のラフを塗る(パーツ分けなど、ざっくりとしたラフ塗り)
- レイヤー階層の一番上のレイヤーで、ラフの線・色を整えていく
厚塗りの手順のように、1枚のレイヤーで上からラフの線・色を整えていくのが塗り方のポイントです。厚塗りといっても、上から線を整えていく手法のみを利用するので、本人の絵柄に応じた塗りで進められます。
ラフではみ出ている部分に上から色を塗ったり、ラフ線の雑な部分も上から丁寧に描き直したり、レイヤー階層の一番上の1枚のレイヤーに全て描き込んでいきます。ラフ塗りの際の色を、スポイトで取りながら塗り進めるとスムーズです。
ラフの上からそのまま線・色を整えることで、線が馴染み、作業時間の短縮もできます。
ラフと完成後の印象を比較しています。 ラフのニュアンスを上から整えていくので、完成後の印象も変わらないままです。
新しく線画に描き起こすと絵の印象が変わってしまう……とお悩みの方は、ラフの線・色を上から整えていく塗り方を試してみてください。
使用したブラシの紹介
解説例で使用したクリスタのブラシを紹介しています。
ラフで使用したペン
- 寝そべり鉛筆
- 油彩
整える際に使用したペン
- 寝そべり鉛筆
〔油彩〕はクリスタにデフォルトで入っており、〔筆〕→〔厚塗り〕から使うことができます。
〔寝そべり鉛筆〕はカスタムペンなので、CLIP STUDIO ASSETSからダウンロードする必要があります。 鉛筆を寝そべらせて描いたようなタッチが出せるので、ダウンロードして使ってみてください。
まとめ
ラフ絵の印象を崩さない塗り方の解説でした。ラフで描いた線・色を上から整えていくことで、ラフのニュアンスを保ったままイラストを仕上げることができます。線画とラフの印象が違ってしまってお悩みの方は、いぬちるさんの解説を参考にしてみてください。
最後に、いぬちるさんのプロフィールをご紹介します。いぬちるさんはイラストレーターをしていらっしゃいます。InstagramやTwitter、pixivでは、他にも素敵なイラストを投稿されているので、ぜひご覧ください!