イラストの影塗りが終わったけれど、どこか物足りない……。そんなときは、影だけでなく「光」の影響も考えてみると、情報量が増えて魅力的な塗りになると思います。
今回は、Twitterからやsいさんのご投稿を紹介します。色を塗る際のライティングのポイントを見ていきましょう。
※この記事で紹介している内容はご本人の許可を得て掲載しています。
イラストの光と影の描き方
①光と影の2要素を考える
塗りが物足りない……とお悩みの方は、物体の「影」しか考えていないことが原因かもしれません。
物体を「影だけ」で表現するデメリット
- 情報量が少ない
- 光の当たり方が分からない
解説図の影だけで塗られた円柱を見ても、色数が少なくてどこか寂しい感じがしますね。
影だけだと物足りないので、「光を当てる」ことを考えてみましょう。
物体を「光と影」で表現するメリット
- 元の色・明るいところ・暗いところの3つの色を作れる
- 光がどの方向から来ているかが分かる
解説図の円柱に光を当てたことで、右側に明るい領域ができました。
影だけの円柱と見比べてみてください。
イラストの塗りも、この円柱の考え方を活用していきましょう。
②環境が遮る光を考える
解説イラストでは、教室の壁や床に、窓から入ってくる光を描いています。
教室内の明るい領域と暗い領域がハッキリして、光のコントラストが鮮やかな印象になりました。
光を当てて背景を表現するメリット
- 実際には描いていない、視野外の物体を表すことができる
- お手軽にディテールを上げられる
光の色については、時間帯を意識して考えるとよいとのことです。
例えば、朝なら白色、昼なら黄色、夕方ならオレンジ色といったように、時間に応じた太陽からの光の色を意識してみましょう。
夜は太陽は出ていませんが、電光掲示板や街灯などの様々な光源が存在します。
環境に合わせた光の色を使ってみてください。
③明るさの境界に色を入れる
光が当たっている部分と影の部分の境界に着目してみましょう。
解説イラストでは、光と影の境界に元の色より少し濃い色を入れています。
境界に濃い色を入れたことで、光と影の領域が明確になりました。
影の境界に色を入れるメリット
- ハッキリとした印象になる
- オシャレに見える
解説図の右下に、レイヤー構成の一例を載せています。
境界の色を入れるレイヤーは、光を塗ったレイヤーと元の色を塗ったレイヤーの間に挟むのがオススメです。
また、やsいさんは光と影を塗る際に、乗算・発光などのレイヤーは使わずに通常レイヤーに色を塗っておられます。
異なる合成モードのレイヤーを結合すると描画結果が変わってしまうことがあり、これを避けるためとのことです。
④エッジライト(リムライト)を考える
解説イラストでは、鳥居や灯籠などに右上から当たる光を描いています。
灯籠を拡大してみると、先端の宝珠の部分やその下の笠の部分に、白い光が入っていますね。
エッジライトを入れたことでシルエットが強調され、物体の形が視認しやすくなりました。
エッジライトを当てるメリット
- 輪郭がハッキリする
- イラストにメリハリが出る
- 実際には無い光を描いてもよい(映える)
エッジライトを入れるレイヤーは、レイヤー階層の一番上に作っておくと色が塗りやすいです。
まとめ
色を塗る際のライティングのポイントの解説でした。
塗りの情報量が足らない気がしている方や、光の当たり方が分からずにお悩みの方は、やsいさんの解説を参考にしてみてください。環境が遮る光やエッジライトなどを考えることで、より魅力的な塗りに仕上げることができます。
最後に、やsいさんのTwitter・pixivをご紹介します。他にも素敵なイラストを投稿されているので、ぜひご覧ください!
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