CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)を使って漫画の枠線を作りたい……。枠線を引くにはどの機能を使えばよいのだろう?
今回は、Twitterから緒方 三角さんのご投稿を紹介します。漫画のコマの枠線の作り方を見ていきましょう。
※この記事で紹介している内容はご本人の許可を得て掲載しています。
この記事の目次
クリスタ コマ・枠線の作り方
基本編①.漫画用のファイルを作成する
メニューバーの〔ファイル〕→〔新規〕から、ファイル作成のダイアログを表示します。
作品の用途から〔コミック〕を選択しましょう。
作りたい漫画の製本サイズは、プリセットから選ぶのが便利です。プリセットを選択すると、漫画原稿設定の項目が自動的に入力されます。
裁ち落とし幅:5mmや、モノクロ原稿の解像度:600dpiなど、デフォルトの状態で推奨されている値に設定されています。
原稿の設定をしたら、OKボタンを押しましょう。
コミック用のファイルが作成されました。
コミック用のファイルでは、キャンバスに基本枠・仕上がり枠のガイドラインが表示されています。
基本編②.漫画の基本枠を作る
メニューバーから、〔レイヤー〕→〔新規レイヤー〕→〔コマ枠フォルダー〕を選びます。
新規コマ枠フォルダーを作成するダイアログが表示されます。
〔枠線を描画〕にチェックを入れて、OKボタンを押しましょう。
※コマ枠フォルダーは、漫画制作に便利なフォルダーです。
コマの枠外がマスクされて絵がはみ出さなかったり、枠線を自由に変形できたりします。
コマ枠フォルダーのレイヤーが作成され、基本枠が描画されました。
キャンバスの薄い紫色の部分は、マスクがかかっている部分です。基本枠の外側にマスクがかかっているので、コマの内側だけに絵を描くことができます。
基本編③.基本枠をコマに合わせて分割する
コマを分割したいときは、〔コマ枠〕ツールを使います。サブツールは、〔枠線分割〕もしくは〔コマフォルダー分割〕を選びましょう。
ツールプロパティの〔左右の間隔〕と〔上下の間隔〕で、コマを割ったときのコマとコマの間隔を調整します。
〔環境設定の枠線間隔〕にチェックを入れていると、〔環境設定〕→〔レイヤー・コマ〕→〔コマ枠〕で設定した値が適用されます。
※〔コマフォルダー分割〕でコマを割ると、コマ枠フォルダーも分割されます。一つのコマごとにコマ枠フォルダーで管理したいときには、〔コマフォルダー分割〕を使用しましょう。
一方、〔枠線分割〕でコマを割ると、コマ枠フォルダーは分割されません。ページ全体を一つのコマ枠フォルダーで管理したいときは、〔枠線分割〕を使いましょう。
〔枠線分割〕もしくは〔コマフォルダー分割〕で、キャンバスをドラッグ&ドロップしてコマを割っていきましょう。
Shiftキーを押しながらカーソルを動かすことで、45度刻みに分割線を動かせます。
コマを等しい間隔で分割したいときは、メニューバーから〔レイヤー〕→〔定規・コマ枠〕→〔コマ枠を等間隔に分割〕の機能を使いましょう。
基本編④.コマの枠線を調整する
〔操作〕ツール→〔オブジェクト〕を使うことで、キャンバス上のコマの位置や大きさを調整することができます。
〔枠線分割〕でコマを割っている場合は、〔オブジェクト〕で何もないところをクリックすると全てのコマ枠が選択されます。調整したい枠線をクリックして、一つのコマ枠を選択しましょう。
コマ枠の周りに表示されている青丸のポインタをドラッグすることで、枠線の大きさが調整できます。
白い三角のポインタをクリックすることで、タチキリのコマにできます。
また、コマを結合したい場合は、〔オブジェクト〕で複数のコマを選択して、〔レイヤー〕→〔定規・コマ枠〕→〔コマ枠を結合〕で結合しましょう。
コマの枠線を消す
グレーで塗りつぶしたコマの枠線を消したいときの手順を紹介します。
〔操作〕ツールから〔オブジェクト〕を選択して、枠線を消したいコマを選択しましょう。
ツールプロパティの〔枠線を描画する〕のチェックを外すと、選択していたコマの枠線が消えます。
チェックを入れると、再び枠線が描画されます。
コマの枠線に制御点を追加して変形する
グレーのコマの矢印の部分が描画されないよう、コマを変形したいときの手順を紹介します。
〔線修正〕ツールから〔制御点〕を選択します。
枠線上をクリックして、制御点を追加していきましょう。
追加した制御点をドラッグ&ドロップして、枠線を解説図のように変形させます。
〔操作〕ツールの〔オブジェクト〕から、〔枠線を描画する〕のチェックを外しましょう。
コマを変形したことにより、別のコマと被る部分を無くすことができました。
絵がはみ出しているコマを作る
コマからはみ出している絵を描くときの、緒方 三角さんの手順を紹介します。
解説図のように、はみ出している絵とコマ内の選択範囲を作りましょう。
選択範囲を取ったら、レイヤーパネル内の〔レイヤーマスクを作成〕ボタンを押して、フォルダーにマスクを作成します。
マスクを作成したフォルダーに、主線レイヤーと絵を白色で塗りつぶしたレイヤーを入れて完成です。
白フチを付けたいときは、マスクの範囲を変更しましょう。
ぶち抜きのコマを作る
ぶち抜きのコマを作る場合は、絵がはみ出しているコマを作る手順を応用します。
ぶち抜きの絵をコマの上に乗せたい場合は、解説図のように選択範囲を取って、フォルダーをマスクします。
選択範囲の取り方は、下記の方法を参考にしてください。
選択範囲の取り方
上部のメニューバーから〔レイヤー〕→〔レイヤーから選択範囲〕→〔選択範囲を作成〕を選んで、主線の選択範囲を作ります。
〔選択範囲〕ツール→〔シュリンク選択〕を選びます。
ツールプロパティの〔作成方法〕の項目に〔追加選択〕を設定して、〔対象色〕の項目に〔黒に囲まれた部分〕を設定します。また、〔複数参照〕の項目はチェックを外しておきます。
〔シュリンク選択〕で絵を囲むことで、絵の部分の選択範囲を作ることができます。
※〔シュリンク選択〕の〔対象色〕を〔黒部分のみ〕に設定して絵を囲んでも、主線を選択することができます。
また、レイヤーパレットで、主線レイヤーをCtrlキーを押しながらクリックすることでも、主線の選択範囲を作ることができます。
選択範囲を作り終えたら、フォルダーにマスクを設定します。
主線レイヤーと絵を白色で塗りつぶしたレイヤーを、フォルダーに入れて完成です。
フォルダーを選択した状態で〔レイヤー移動〕ツールでドラッグすると、配置を自由に変更できます。
拡大・縮小の操作も、フォルダー単位で行うことができます。
また、フォルダー内のレイヤーのみを移動させると、マスク範囲はそのままで、絵だけを移動させることができます。
マスクの範囲を広げる場合は、マスク部分を選択して、選択範囲ランチャーの〔選択範囲を拡張〕を押しましょう。
その後に〔塗りつぶし〕を選択します。
マスクの範囲を狭くしたいときは、表示したい部分を選択して〔選択範囲外を消去〕を押しましょう。
まとめ
クリスタでコマ・枠線を作る手順の解説でした。クリスタには漫画制作用の様々な機能が備わっているので、まずは、基本の機能から覚えてみましょう。
枠線の設定方法や、ぶち抜きのコマの作り方が分からずにお悩みの方は、緒方 三角さんの解説を参考にしてみてください。