人体の構造が複雑でポーズの描き方が分からない……。体の動きやポーズを分かりやすく捉えるコツはないかな?
今回は、pixivからno nameさんのご投稿を紹介します。体の動きに重要な「背骨」からポーズを考える方法を見ていきましょう。
※この記事で紹介している内容はご本人の許可を得て掲載しています。
この記事の目次
ポーズの描き方を解説
ポーズの描き方①.背骨の仕組みを学ぶ
背骨の動きを理解して、体やポーズの描き方を捉える講座です。
美術解剖学を全て覚えるのは大変なので、イラストやドローイングなど、絵を描く際に必要な部分を解説しています。
no nameさんは、骸骨剣士のアクションフィギュア(海洋堂 特撮リボルテックシリーズ)を、絵を描く際のデッサン人形として使おうと思いました。骸骨剣士のフィギュアに入っている関節は思ったよりも可動域が広く、現実の人体の可動域も理解しておく必要があると思い、人体について調べることにしたとのことです。
頚椎(けいつい)
首の骨です。胸椎(きょうつい)
肋骨と連結している胸の部位の骨です。腰椎(ようつい)
骨盤と胸椎の間の骨です。仙骨(せんこつ)と尾骨(びこつ)
脊柱の先っぽで骨盤の一部です。
これらを全て合わせて、脊柱(せきちゅう)や脊椎(せきつい)と呼びます。
ポーズの描き方②.可動域をパーツに分けて考える
no nameさんは、最初はaのように3つのパーツに分けて胴体の動きを考えていたとのことです。しかし、腰椎と骨盤はほぼ同じ角度で動くことに気づきました。
bとcの胴体を細部まで描き込むと、解説図のようになります。
胸をはる/骨盤を前傾させる
- 胸が上を向く。
- お尻のトップが上がる。
反りすぎても腰に負担がかかります。
脱力/骨盤を後傾させる
- 背中が丸まる。
- お尻のトップが下がる。
胸が下がってお腹が丸まる姿勢です。
体の動きをゴムに例えるとイメージがしやすいです。
上下に張ったゴムの真ん中を前後に引っ張っると、ゴムの上部・下部がつられて動きます。体も同様の動き方をします。
解説図では、骨盤をなるべく固定して胸椎の部分だけを動かし、体を丸めようとしています。
左側が「なるべく真っ直ぐ」のポーズで、右側が「曲がるだけ曲げる」ポーズです。背中だけ(胸椎だけ)動かしても、意外と丸まっていないことが分かると思います。
解説図(右下)は、首・胸椎・腰椎・骨盤を全て動かして体を丸めているポーズです。
※ポーズ参考:『MALE NUDE COLLECTION』(著:早坂 優子/視覚デザイン研究所)
ポーズの描き方③.パーツを意識してポーズを観察する
ポーズを観察する際のポイントを解説しています。
- 骨盤と腰椎の角度
- 背中の反りと丸まり
上記の二点のポイントを別々に意識して観察すると、ポーズが理解しやすくなるとのことです。骨盤の角度と背中の丸まり具合に気をつけてみてください。
慣れてきたら、体のねじりなども意識してみましょう。
補足.アクションフィギュアでポーズを作る
冒頭で紹介した、骸骨剣士のアクションフィギュアを使ったポーズの作り方を解説しています。
骸骨剣士は赤い矢印で示されている関節はよく曲がりますが、胸椎は丸まりません。解説図のようなポーズを作る際には、ちょっとしたテクニックが必要です。
以下の点に注意してフィギュアを動かしてみましょう。
- 背骨が丸まらないので、関節(上の矢印)とセットで角度を作って頭の中で補完する。
- 関節(下の矢印)はほとんど曲がらないので、横に入れて動かさない。骨盤の角度は、上の関節と大転子を動かしてフォローする。
まとめ
背骨の動きからポーズを考える解説講座でした。ポーズを描いたり観察したりする際には、人体をパーツ分けすることで動きが理解しやすくなります。no nameさんの解説を参考に、骨盤と腰椎の角度や背中の反り・丸まりを意識してポーズを描いてみてください。
最後に、no nameさんのpixivをご紹介します。他にも素敵なイラストを投稿されているので、ぜひご覧ください!
no nameさんのpixivはこちら