背景を描きたいけれど、アイレベル・消失点といった用語やパース(遠近法)の理屈がよく分からない……。まずは、パースの仕組みが分かりやすい「一点透視図法」の例を用いて、考え方を学んでいきましょう。
今回は、pixivからno nameさんのご投稿を紹介します。一点透視図法のイラスト解説を見ていきましょう。
※この記事で紹介している内容はご本人の許可を得て掲載しています。
この記事の目次
遠近法の描き方 一点透視図法をイラスト解説
一点透視図法をイラスト解説①.水平線をイメージする
- まず、自分が広大な荒野にいることを想像します。
- このとき、はるか遠くを見渡すと、地平線は自分の目の高さにあります。
- 海があれば、水平線は自分の目の高さにあります。
- 目の高さのことをアイレベルと言います。
一点透視図法をイラスト解説②.目に映る風景をイメージする
- 自分の目の前に、透明のスクリーンを張ります(スクリーンの大きさや形は自由ですが、自分に正対する位置に設定します)。
- スクリーンを見てみると、世界が映っています。
- 見ている風景を、自分の目の位置を動かさないように写し取ります。
- 1枚の荒野の絵ができました。こういった考え方を透視図法と言います。
一点透視図法をイラスト解説③.アイレベルを考える
「なぜ、自分の目の高さに地平線や水平線が位置するのか」については、「人間の目にはそういう風に映る」と割り切った方がいいとのことです。自分の目の高さに指を当てて、地平線と重なるかどうかを確かめてみましょう。
地平線や水平線といった用語を、以降の解説では「アイレベル」と呼ぶことにします。
一点透視図法をイラスト解説④.収束する点を考える
- スクリーンの風景に加えて、視線の方向に真っ直ぐ進む道があるとします。
- 人物の目と目の間から、スクリーンに向かって光線を放ったとします。
- 目と目の間の真っ正面の位置で、スクリーンに穴が空きます。
- スクリーンを絵にしてみると、空いた穴は道の延長線上に位置します。
スクリーンを見ている人の視界では、視線に平行に進む道やラインは先ほどの穴(点)に収束していきます。
一点透視図法をイラスト解説⑤.まとめ
ここまでの約束事をまとめてみましょう。
- 水平線・地平線は、その風景を見ている人の目の高さに現れる。これをアイレベルという。
- 見ている人の視線に平行に進む全ての道や線は、アイレベル上の「その風景を見ている人」の真っ正面の点に集まる。
それさえ分かれば、自分の視線に平行に真っ直ぐ進む道の絵は、いくらでも描くことができます。
この点が一点透視の消失点です。
一点透視図法をイラスト解説⑥.補足
道の消失点が左右の端に寄っている絵を見て、「消失点が正面にないのでは?」と思うかもしれません。しかし、これは大きいスクリーンを部分的に切り取って、1つのカットにしているからです。
スクリーンはどのようにでも切り取ることができますが、その風景を見ている人の前に広がる線が収束する位置は変わることがありません。
このような考え方は、二点透視(ものを斜めに配置)を描く場合も大事になってきます。視線に平行な線が収束する感覚を身につけておきましょう。
近くに海や荒野がなくても、街中などで自分の目の高さに指を当ててみましょう。自分が見ている方向に真っ直ぐ伸びる線が、アイレベル上にある消失点に集まってくるのが分かると思います。
※参考書籍:『パース!マンガでわかる遠近法』(著:デヴィッド・チェルシー/訳:みつじ まちこ/マール社)
まとめ
一点透視図法のイラスト解説でした。アイレベル・消失点・遠近法がよく分からない……とお悩みの方は、no nameさんの解説を参考に、一点透視の絵をイメージして考えてみてください。
最後に、no nameさんのpixivをご紹介します。他にも素敵なイラストを投稿されているので、ぜひご覧ください!
no nameさんのpixivはこちら