CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)のグラデーションツールは着色に役立つ機能です。色彩豊かな空の表現など、滑らかな色の変化を作りたいときにオススメです。 今回は、クリスタのグラデーションツールの機能をご紹介します。
この記事の目次
クリスタのグラデーションツールを解説
クリスタのグラデーションツール①.基本の機能
直線や円形のグラデーションが簡単に作れる
クリスタのグラデーションツールは、ツールパレットの中に格納されています。
〔グラデーションツール〕を選択して、サブツールグループ〔グラデーション〕を選びましょう。解説では、サブツール〔描画色から背景色〕を選択しています。
キャンバス上でドラッグ操作をするだけで、描画色から背景色に切り替わるグラデーションを簡単に作ることができます。〔形状〕の項目からは、直線・円・楕円を選んでグラデーションの形を変えることができます。
〔端の処理〕の項目からは、繰り返さない・繰り返し・折り返し・描画しないを選んでグラデーションの始点と終点の処理を変更できます。〔角度の刻み〕にチェックを入れていると、キャンバス上でドラッグ操作をする際に指定した角度でスナップされます。
水平・垂直方向に正確にグラデーションを作りたい場合は、〔角度の刻み〕にチェックを入れて値を「90」に設定しておきましょう。詳細設定からグラデーションの使用色を増やせる
クリスタのグラデーションツールは、色相が変化する位置を変えたり使用色を増やしたりと、より細かな設定を行うことができます。
ツールプロパティ内の〔詳細設定〕のボタンを押すと、グラデーションの編集画面が表示されます。 ※〔詳細設定〕ボタンの上にあるスライダーからも、色数を増やすなどの簡易的な編集が可能です。画面上部にあるスライダーの下にあるメモリをクリックすることで、「∧」マークのノードを新しく追加できます。
各ノードを選択して、画面中央右の項目の〔指定色〕などから色を設定することで、グラデーションが多彩になります。 作ったグラデーションが物足りない……と感じたときは、色数を増やしたり色が変化する位置を調節したりしてみると、より魅力的なグラデーションが作れると思います。後から編集をする際はグラデーションレイヤーが便利
グラデーションレイヤーに描画することで、グラデーションの形状や使用色を後から変更することができます。〔グラデーションツール〕を選択して、サブツールグループ〔グラデーション〕を選びます。
〔描画対象〕の項目を、〔グラデーションレイヤーを作成〕に変更しましょう。 キャンバス上でグラデーションツールを使用する際に、グラデーションレイヤーが自動的に作成されます。 グラデーションレイヤーに描画したグラデーションを変更・修正したい場合は、〔操作ツール〕からサブツール〔オブジェクト〕を選びます。 解説のようにキャンバス上に青いガイド線が表示され、グラデーションの位置や形状、使用色を変更することができます。クリスタのグラデーションツール②.等高線塗り
The freeflow gradient is a unique gradient tool that allows you to create gradients that perfectly follow a specific shape. Learn how to use this useful tool and see how you can use it in your work in today's "How to" episode!https://t.co/4SPpZxD56y pic.twitter.com/RkY5hn5hJr
— CLIP STUDIO PAINT (@clipstudiopaint) September 28, 2020
クリスタのグラデーションツールには、「等高線塗り」という便利な機能があります。
等高線塗りの使い方を見ていきましょう。アンチエイリアスをオフにしたペンで等高線を引く
等高線塗りを行う前に、色のガイドとなる等高線をキャンバスに引いておく必要があります。解説では、〔ペンツール〕からサブツール〔Gペン〕を選択して、正方形の中に等高線を引いています。
この際、使用するペンのアンチエイリアスをオフに設定しておきましょう。
アンチエイリアスを入れると線の境界が滑らかになるので、等高線の色を参照しづらくなります。 また、等高線を引く際に使用するブラシサイズは、少し細めがよいとのことです。等高線塗りでグラデーションを作成する
色のガイド用の等高線を引いた後は、〔グラデーションツール〕からサブツールグループ〔等高線塗り〕を選択します。
正方形の中をクリックしていくだけで、解説のようなグラデーションを簡単に作成することができます。 等高線塗りを使用すれば、キャンバスに置いてある色からグラデーションを作ることができます。 着色やカラーラフの工程などに利用してみてください。クリスタのグラデーションツール③.活用の仕方
イラスト制作におけるグラデーションツールの使い方の例を見ていきましょう。空など、色が少しずつ変化する表現に向いている
フリー素材の風景写真を載せています。夕暮れの橙色の空が下に向かうに連れて濃く染まっています。
グラデーションツールを使えば、解説写真のような空の色を簡単に表現することができます。 〔グラデーションツール〕→〔グラデーション〕→〔詳細設定〕で、グラデーションの編集画面を表示します。スライダーの下部をクリックしてノードを追加していきましょう。
解説では両端の2つのノードに加えて、3つのノードを間に作成しています。各ノードを選択し、〔指定色〕から写真を参考に色を置いていきましょう。
スポイトツールも使用することができます。 ノードの色を設定した後は、グラデーションツールを使用するだけです。簡単に夕暮れの空の色彩が表現できました。空のように色相・彩度・明度が少しずつ変化するモチーフの下地作りには、グラデーションツールを活用してみてください。
色と色の境界がくっきりとしてしまう場合は、メニューバーから〔フィルター〕→〔ぼかし〕→〔ガウスぼかし〕で滑らかにするのも効果的です。作業時間の短縮にも繋がる
グラデーションはキャンバスに色を置いた後、〔色混ぜツール〕などで混色して作成することもできます。
フリーハンドでグラデーションを作る作業は手数がかかりますが、グラデーションツールを使えばムラのないグラデーションを手早く作ることができます。陰影にもグラデーションツールが使える
解説図では、立体の全ての面をグラデーションツールで塗っています。
フリーハンドで影をつけるよりもパキッとした硬めの質感を表現することができ、金属や水晶といったモチーフの下地作りに向いています。 キャラクターイラストの影つけや仕上げなどにも、グラデーションが用いられることがあります。クリスタで使えるグラデーション素材
クリスタ用の素材が公開されているCLIP STUDIO ASSETSでは、カスタマイズされた便利なグラデーションツールがダウンロードできます。光を表現するグラデーション「空気感を出すツールセット」
「空気感を出すツールセット」には、イラストの空気感を出すためのグラデーションツールやブラシが入っています。
空の表現やキャラクターイラストの加工・仕上げの工程など、空気の演出を追加したい際に役立ちます。「Halo(虹の輪)Filter」は、虹のグラデーションを簡単に作ることができます。
レイヤーの合成モードをソフトライトに設定して利用するのがオススメとのことです。
合成モードをソフトライトに設定することで、虹のグラデーションが下地の空に馴染みやすくなります。色彩豊かな空を簡単に表現できる「空の色グラデーションセット」
「空の色グラデーションセット」には、晴天・夕焼け・朝日……といった36種類の空を簡単に作ることができるグラデーションが入っています。〔素材パレット〕で空の色グラデーションセットを選択して、〔素材の貼り付け〕ボタンを押します。
グラデーションセットが登録され、グラデーションツールから利用できるようになります。〔グラデーションツール〕→〔グラデーション〕→〔詳細設定〕から、グラデーションの編集画面を表示します。
〔グラデーションセット〕の項目から、空の色グラデーションセットを選びましょう。グラデーションセットの「宵の口」でグラデーションを作っています。
日が暮れる時間帯の色の移り変わりがきれいですね。空の色グラデーションセットには他にも様々な空のグラデーションが登録されているので、ぜひ活用してみてください。
柔らかな空の色合いを収録した「空の色グラデーションセット ver.2」もCLIP STUDIO ASSETSで公開されています。まとめ
クリスタのグラデーションツールのご紹介でした。グラデーションツールは色相や彩度を滑らかに変化させたい場合に便利で、きれいなグラデーションを簡単に作れます。イラストの着色の際にはグラデーションツールを活用してみてください。