ハイヒールを履いたキャラクターを描きたいけれど、靴の形が難しい……。ハイヒールやパンプスを上手に描くコツはないかな?
今回は、pixivから一梨乃みなぎさんのご投稿を紹介。ハイヒール・パンプス・メリージェーンの種類や描き方のポイントを見ていきましょう。
※この記事で紹介している内容はご本人の許可を得て掲載しています。
この記事の目次
ハイヒール・パンプスの描き方
ハイヒールの種類①
フレンチヒール
- ピンヒール・スパイクヒールとも呼ばれる
- かかとの外側がカーブしており、シルエットが色っぽい
- キューバンヒール(解説下図)と呼ばれる種類もある
ルイヒール
- ルイ15ヒールとも呼ばれる
- ルイヒールはクラシカルなヒール形状
- ルイヒールを描く人は少ない
セットバックヒール
- スティレットヒール・スパニッシュヒールとも呼ばれる
- フレンチヒールより後ろからヒールが伸びており、ヒールの「背」が直線的
- セットバックヒールの方がフレンチヒールよりもヒールが高い
- 主に4インチ以上のヒールをスティレットと呼ぶ
ハイヒールの種類②
ウェッジヒール
- かかととヒールの継ぎ目が見えるタイプ
- かかと部分の素材は、コルクや積み革が多い
シークレットヒール
- フーデットヒールとも呼ばれる
- かかとの巻き革がヒール全体を覆っている
- ヒールの継ぎ目がない
側面アングルからのハイヒール・パンプスの描き方
足の甲・つま先
- 足の甲は手前に出る
- つま先はきちんと反り返りを描く
- つま先の反り返りはヒール高に比例して大きくなる
かかと
- かかとは後ろに突き出すように、突き出たかかとを延長するようにヒールを描く
- ヒールが高いと突き出す部分が増える
足の裏
- つちふまず(内側)に革の縫い目を描く
- ヒールとの間の革の縫い目もきちんと描く
- 靴底やトップリフトを省略しない方がよい(二次元的には色を変えた方が映える)
正面アングルからのハイヒール・パンプスの描き方
- パンプスを正面から描くのは難しいので、できれば避けたい
- 足の中心にアタリ線をとってまとめると、パンプスのラインが決まりやすい
- 正面から見たときはヒールは見えない(膝を内側に倒すと少し見えるくらい)
- 靴のアッパーラインはつま先の指にかかっているだけなので、浅く描いた方が足が長く見える
- つちふまずや指が見えてもよい
背面アングルからのハイヒール・パンプスの描き方
後ろ
- かかとにバックシームが入っていることが多い
- ヒールにもバックシームを入れてもよいが、入っていないモデルが主流
- ヒールの赤いラインの部分によって靴のイメージが変わる
- 細いヒールだと靴底が見えやすいので、ワンポイントのロゴや模様を入れてもよい
真後ろ
- ハイヒールは靴底が見えやすいので、色にこだわってみる
- ヒールの付け根がイメージ作りのコツ
メリージェーンの描き方
メリージェーンとは何か
メリージェーンは聞きなれない名前の靴だと思いますが、実際に目にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
メリージェーンはパンプスの一種で、低いヒールに足の甲をストラップで留めて履きます。子供が履くとフォーマル、大人が履くとカジュアルな雰囲気が出る靴です。
- 素材は基本的にエナメル革(フォーマルな場で履く際、ドレスの裾を汚さないという側面がある)
- ストラップは甲ベルトの他にも、ゴムバンドやクロックスのような一体型がある
- アンクルストラップは厳密にはメリージェーンではない
メリージェーンの由来
メリージェーンスタイルのストラップシューズは、1902年にNew York Herald紙に連載されていたコミック「Buster Brown」に登場するヒロイン「メリー・ジェーン」が履いていた靴がオリジナルと言われています。
メリー・ジェーンは、作中で様々なバリエーションのドレスを身につけていますが、基本的には赤いドレス・大きい帽子を着用しています。履いていた黒のストラップシューズは、甲の履き口が高い箇所にあり、つま先にかけて伸びていくようなデザインでした。
メリージェーンの描き方
前
- 足の中央の線でバランスをとると良い
- 基本的には靴下を履かせる(素足だと少し大人っぽくなる)
- かかとは低いけれど、丸いラインですぼめつつ形にするとスタイリッシュになる
- つま先の反り返りを描く(反り返りがないと、ロボットの足のように見える)
正面
- 正面は難しいので、できれば避けたい構図
- 正面からのアングルだと、つま先の部分しか見えない
- つま先の上部のラインが重要(少し向きが違うだけで印象が変わる)
後ろ
- 足の甲の開いている部分は、足を少し斜めに向けると見える
- つま先は少し上に向ける
- 母子球から先、つま先の先端は横向きでないと見えない
- かかとの丸いラインをまとめる
- 基本的にはバックシームが入っているので描いてあげる
メリージェーンのバリエーション
Tストラップ
トラッドなスタイルで、ストラップのかけ方によってスタイルが変わります。ゴス系と相性の良いメリージェーンです。プラットフォーム
厚底靴で、ロリータファッションで広まったタイプのメリージェーンです。おでこ
プラットフォームが多く、子供が履くと60年代の印象が出ます。白ソール
ビニールシューズのようなメリージェーンで、上履きのバレーシューズなどがあります。ハイヒール
甲ストラップのハイヒールは甘くなりがちなので、キャラを選ぶ側面があります。ストラップの位置でムードが変わります。
フレンチカット
メリージェーンの定番です。アメリカンカット
メリージェーンではほとんど見かけません。ハイヒールと相性が良く、大人っぽく見えます。
バレーシューズもメリージェーンに含むかどうか、分類が難しいとのことです。
一梨乃みなぎさんによるメリージェーンの解説講座でした。靴を色っぽく描くことができればキャラクターの魅力もより引き立つと思います。皆さんもぜひメリージェーンを描いてみてください。
まとめ
ハイヒール・パンプス・メリージェーンの描き方や種類の解説でした。ハイヒールやパンプスは形が難しそうですが、種類ごとの特徴やアングル別の見え方を知っておくことで靴が描きやすくなります。キャラクターの装飾でハイヒール・パンプス・メリージェーンを描く際は、一梨乃みなぎさんの講座を参考にしてみてください。
最後に、一梨乃みなぎさんのpixiv・Twitterをご紹介します。他にも素敵なイラストを投稿されているので、ぜひご覧ください!
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