イラスト・漫画・アニメーションといった作品では、「構図」は設計図の役割をしている重要な構成要素です。見やすい構図・インパクトのある構図の作り方を覚えて、読み手の視線を引きつける魅力的な作品に仕上げましょう!
今回は、構図の原則や作り方を解説した書籍をご紹介します。
この記事の目次
構図を解説した本を紹介
構図の基礎や種類が学べる解説本『イラスト、漫画のための構図の描画教室』
『イラスト、漫画のための構図の描画教室』(著:松岡 伸治/エムディエヌコーポレーション)は、イラスト・漫画の構図の作り方を学べる書籍です。ラフからアイデアをまとめてモチーフを配置する手順や、図形を意識した構図の作り方など、基礎から解説をしています。構図の見本帳のチャプターでは、定番の三分割構図・日の丸構図などの解説から、躍動感を出したい場合のS字構図・逆三角形構図、独創的な印象を出すための広角構図・望遠構図など、様々な構図の種類を学べます。
いつも同じ印象のイラストになってしまう……とお悩みの方は、構図の種類を学んでみると問題が解決するかもしれません。安定感を出したい場合の構図、迫力を出したい場合の構図など、意図に合わせた構図を使用することで、より魅力的なイラスト表現に仕上がると思います。
明暗を活かした視線誘導を解説。『クライマックスまで誘い込む絵作りの秘訣』
『クライマックスまで誘い込む絵作りの秘訣』(著:マルコス・マテウ-メストレ/編:平谷 早苗/翻:株式会社Bスプラウト/ボーンデジタル)では、絵のシェイプや明暗、リズムを用いた構図の作り方を解説しています。ストーリーを作るための構図の原則や、読み手の視線を導くための方法を学べます。
1枚絵の静止画だけでなく、カットやコマといった一連の流れの構図の作り方も解説しています。イラストやアニメーション、漫画など、様々なジャンルで活用できる書籍です。著者の作例はハイコントラストで力強く、ダイナミックなパースで描かれているので、迫力のある絵を作るための参考資料としてもオススメです。
知っておきたい構図の原則が学べる本。『Vision ヴィジョン ーストーリーを伝える:色、光、構図ー』
『Vision ヴィジョン ーストーリーを伝える:色、光、構図ー』(著:ハンス・P・バッハー/編:平谷 早苗・サナタン・スルヤヴァンシ/翻:株式会社Bスプラウト/ボーンデジタル)は、「美女と野獣」、「アラジン」などの有名作品で活躍したプロダクションデザイナーが執筆している書籍です。構図をライン・シェイプ・明度・色・光・カメラの構成要素に分解して、ストーリーを伝えるための原則を解説しています。
構図は物の形や明暗など、様々な要素が組み合わさって構成されているので、分けて考えると理解しやすいです。同一著者の書籍『Dream Worlds 幻想の世界をデザインする』(ボーンデジタル)でも、構図の見せ方や視線誘導の手法、豊富な作例を公開しています。
映画のシーンを構図の観点から分析。『Filmmaker's Eye -映画のシーンに学ぶ構図と撮影術:原則とその破り方-』
『Filmmaker's Eye -映画のシーンに学ぶ構図と撮影術:原則とその破り方-』(著:グスタボ・メルカード/編:平谷 早苗/翻:株式会社Bスプラウト/ボーンデジタル)では、実際の映画のシーンを作例にして構図を分析しています。クローズアップやロングショット、パンショットといった画面で、映っている人物・背景がどういった役割を果たしているのか、画面構成の手法を学べます。
普段は何気なく見ている映画ですが、各シーンの登場人物の位置や背景スペースの大きさなど、全てが計算されて作られています。映画の構図を分析することで、見やすい作品を作るための手がかりになると思います。シーンを撮影するための制作テクニックや機材についても解説されているので、映画好きの方には特にオススメです。
写真撮影の考え方の解説本『プロの撮り方 構図の法則』
『プロの撮り方 構図の法則』(著:リチャード・ガーベイ=ウィリアムズ/編:ナショナル ジオグラフィック/翻:関 利枝子・武田 正紀/日経ナショナルジオグラフィック社)は、写真撮影の理論や構図の考え方を解説した書籍です。視覚認知の仕組みから掘り下げて解説しており、デザインの要素や色の役割など、写真の作例から構図の法則が学べます。
構図という観点から考えると、イラストと写真は密接に関係しています。写真のフレーミングを覚えることで、イラスト作品の構図にも役立てられると思います。
まとめ
構図の原則・作り方を解説した書籍のご紹介でした。視線を誘導させるための方法や構図のバリエーションを知っておくことで、読み手に伝わりやすい作品に仕上げられます。構図の考え方が分からずにお悩みの方は、ご紹介した書籍を参考にしてみてください。