2020年の10月にiPad版のAdobe Illustratorがリリースされました。従来のIllustratorの機能に加えて新しいツールやUIが追加されており、使いやすいiPad用グラフィックソフトとして注目を集めています。
今回は、iPad版 Illustratorの機能や特徴をご紹介します。
この記事の目次
iPad版 「Adobe Illustrator」の機能を紹介
iPad版 Illustratorに対応しているiPadモデル
iPad版 Illustratorは、iOS 13.4以降の下記のiPadモデルに対応しています。(※Adobe公式ホームページの記載より)。
- iPad Pro 12.9インチ(第1世代〜第4世代)
- iPad Pro 11インチ(第1世代〜第2世代)
- iPad Pro 10.5インチ
- iPad Pro 9.7インチ
- iPad Air(第3世代)
- iPad Mini(第5世代)
- iPad(第6世代〜第7世代)
iPad版 Illustratorが使用できるプラン
iPad版 Illustratorを使用するためには、Illustratorが含まれているAdobe Creative Cloud プランに加入している必要があります。Adobe Creative Cloud プランに加入していない場合は、iPad版 Illustratorの単体プランに加入する必要があります。
体験版が期間限定で使用できる
iPad版 Illustratorでは、30日間の無料体験版が用意されています。30日の体験版の期間が終了すると、サブスクリプションを解約しない限り自動的に更新され、請求が発生します。
iPad版 Illustratorの機能や使い心地を試したい方は、まずは体験版を使用してみてはいかがでしょうか。
ポイント① Illustratorが外出先でも使用できる
Illustrator on the iPad is here! Draw on inspiration with the freedom to create anything... anywhere!
— Adobe Design & Layout (@AdobeDesign) October 20, 2020
Download today: https://t.co/rB6lua9ZvN #IllustratoroniPad pic.twitter.com/EJ675nZyHH
iPad版 Illustratorが登場したことで、自宅や職場だけでなく、移動中や外出先でもIllustratorを使った作業が可能になりました。iPad版で作成したファイルはIllustratorのクラウドドキュメントに自動保存され、デスクトップ版からも簡単にアクセスすることができます。
また、ネットワーク環境だけでなく、オフラインでの作業も可能です。
ポイント② 操作に便利なタッチショートカット
iPad版 Illustratorでは、タッチショートカットを使うことでツールの動作を素早く切り替えることができます。
タッチショートカットのボタンをホールドするとプライマリタッチショートカット、ホールド後に指を外側にスライドさせるとセカンダリタッチショートカットと認識されます。
オブジェクトを複製したい場合もタッチショートカットを使えば簡単です。セカンダリタッチショートカットを使用している間は、選択ツールを使ったオブジェクトの移動操作が複製移動の操作に切り替わります。タッチショートカットはPCのAltキー・Shiftキーのような役割で、利き手と反対の手でボタンをホールドして使います。
タッチショートカットのボタンはドラッグ操作することで、任意の位置に移動させることができます。
ポイント③ Apple Pencilを使った直感的な描き心地
iPad版 Illustratorは指で操作することもできますが、Apple Pencilを使うことでより正確で直感的な操作が可能です。
Illustratorのペンツールや鉛筆ツールは、滑らかさのパラメーターを指定することができます。滑らかさの設定値を高くすることで描画した線が補正され、フリーハンドでもきれいな直線・曲線を描くことができます。
ポイント④ 新機能「リピート」がパターンデザインに便利
iPad版 Illustratorではリピート機能が新しく追加されました。リピート機能を活用すれば、パターン・模様を簡単に作成することができます。
リピートラジアル
オブジェクトから放射状のパターンを作成します。パターンの数や間隔なども細かく調整できます。
リピートグリッド
オブジェクトを配列のように繰り返してパターンを作成します。同じ図柄を並べる模様などにも使いやすい機能です。
リピートミラー
オブジェクトの対称形のパターンを作成します。線対称の軸の角度は調整することができます。
iPad版 「Adobe Illustrator」の使い心地
タブレット端末での細かい操作は難しそうに見えますが、Illustratorにはタッチショートカットやガイドなどの機能があるのでスムーズにデザイン・イラストの制作ができます。解説では、iPad(10.2インチ)とスタイラスペンを使用しています。
ペンツールやシェイプツールを使って自転車を描いていきます。タッチショートカットを使えば縦横比を固定させたまま図形を拡大/縮小することができ、真円のタイヤも簡単に描くことができます。
Illustratorはガイドの機能も便利です。オブジェクトを移動する際に丁度良い位置にスナップされます。
水色の変形の枠内から飛び出しているポインタをドラッグすることで、オブジェクトの回転ができます。iPad用に拡大/縮小の操作ポインタと分けて作られており、UIにストレスを感じさせません。
新機能のリピートグリッドを使って柵を描きます。調整スライダーを動かすことで、幅・高さ・リピートする位置を自由に変更できます。
アンカーポイントを使用した直線・曲線の切り替えも簡単です。Illustratorにはオブジェクトを結合するシェイプ形成ツールなども用意されており、表現したい形・線を自由に作ることができて便利です。
iPad用に作られたUIが使いやすく、デスクトップ版のIllustratorと同様に快適な使い心地です。iPadを使った作業ではスタイラスペンを用意しておくと、オブジェクトの編集作業をよりスムーズに進められると思います。
iPad版 Illustratorでは、スケッチからベクターに変換する機能なども追加する予定とのことで、今後のバージョンアップにも期待です。
まとめ
iPad版 「Adobe Illustrator」の機能や使い心地のご紹介でした。iPad版 Illustratorにはチュートリアルや解説ツアーも多く、初めて使う方でもツール・操作方法が理解しやすいです。iPadを使ってグラフィックデザイン・イラストを制作しようと思っていらっしゃる方は、Illustratorをダウンロードして使ってみてください。