屋内・屋外を問わず、日常的に見かける「階段」。階段のイラストがきれいに描けずにお悩みの方は、アイレベル・消失点・パース線のガイドに沿った作画手順を覚えるのがよいと思います。
今回は、摩耶薫子さんの「階段の描き方」講座を紹介。消失点やパース線の考え方、登りでも降りでも階段を作画する際の手順を見ていきましょう!
※この記事で紹介している内容はご本人の許可を得て掲載しています。
この記事の目次
二点透視での階段の描き方
アタリを描く
二点透視での階段の描き方を見ていきましょう。
まず始めに、階段のアタリを描きます。
パースを決定する
階段のアタリを元に、パースを決めます。
紫色の線がパース線です。階段の横向きのパース線・奥に向かっているパース線は、それぞれ別の消失点に収束しています。2つの消失点は、アイレベル上に存在します。
斜面のパースを決定する
斜面のパースを決めます。
斜面パースの消失点は、画面右の消失点の同一鉛直線上に存在します。階段の両脇から伸びている斜面のパース線は、斜面パースの消失点に収束します。
階段の一段目の描き方
パース線に沿って清書の線を引きます。
解説では階段の一番下の段から描き始めていますが、一番上の段からも、同様の手順で描くことができます。
一段目の垂直方向の板と、水平方向の板を描きます。
階段に向かって横に伸びている線は画面左の消失点に、奥に伸びている線は画面右の消失点に収束するように引きましょう。
一段目の角から、他の段の角のガイドラインを引く
階段の一段目の角と斜面パースの消失点を線で結んで、ガイドラインを作ります。他の段の角は、このガイドライン上に存在します。
階段の二段目・三段目の描き方
階段の二段目を描きます。
階段の一段目の角から垂直に線を引き、先ほど引いたガイドラインと交わった箇所が、二段目の角の位置です。二段目の両脇の角を結んで、水平方向の板を描きましょう。
階段の三段目を描きます。
二段目を描いた手順と同じ方法で、三段目も描くことができます。
同じ要領で他の段を描く
同じ要領で、他の段も描いていきましょう。
複雑そうに見える階段ですが、ガイドラインのパース線を作ることで、正確に段を描くことができます。
階段を描くときの、パースの考え方
登り階段のパース線
先ほどの解説とは向きが変わっている登り階段ですが、パース線の引き方や作画の手順は同じです。
降り階段のパース線
降り階段についても同様です。
難しそうな構図ですが、アイレベルや階段のパースの消失点を決めておくと、作画をスムーズに進められます。
階段の描き方のポイント
階段というのは、斜面に沿って水平・垂直の板が寄り集まっているものです。二点透視の「二点の消失点」に加えて、「斜面のパースの消失点」が決定すれば、すぐに描くことができます。
「斜面」が手前より奥の方が高い登り構図の場合は、斜面パースの消失点は、アイレベルより上に位置します。反対に、手前より奥の方が低い降り構図の場合は、斜面パースの消失点は、アイレベルより下に位置します。
斜面が理解できれば、坂道や斜めの屋根も、簡単に描くことができます。
まとめ
パース線に沿った階段の描き方のご紹介でした。パース線の引き方が分からずにお悩みの方や、階段を作画する手順をお探しの方は、摩耶薫子さんの階段の描き方講座を参考にしてみてください。
最後に、摩耶薫子さんのプロフィールをご紹介します。
摩耶薫子さんは、『着物の描き方』(著:摩耶薫子/ホビージャパン)や、『魅力的な靴・足元を描く』(著:はやまさん・摩耶薫子/玄光社)など、様々なイラストのノウハウ本をご発表していらっしゃいます。Pixiv・Twitter・noteでは、他にも素敵なイラストやノウハウをご投稿していらっしゃいますので、ぜひご覧ください!
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