ペイントツールのSAI2では、鉛筆・水彩筆・散布……といった様々なブラシが用意されています。各ブラシの描き味はお好みで調整することができるので、さらに使いやすいブラシにカスタマイズしてみましょう。
今回は、SAI2のブラシ設定のポイントや、カスタムブラシを追加する手順を解説いたします。
SAI2のペン設定のカスタマイズ方法
※当解説で使用しているSAI2のバージョンは、2020-05-10版です。
ペン・ブラシ設定の基本項目を理解する
輪郭のぼけ具合・最小サイズを調整して、線画用に
ブラシの輪郭のぼけ具合・ブラシの最小サイズの設定を変えた時の描き味を比較しています。
輪郭のぼけ具合を強めると、エアブラシのような線がぼけたタッチになり、輪郭のぼけ具合を弱めると、線画のペンのようなはっきりとした印象が出せます。
ブラシの最小サイズは、筆圧が0のときのブラシの大きさを表しています。ブラシの最小サイズを100%に設定していると、筆圧の強弱に関わらず、常に最大筆圧のブラシサイズで描画されます。
線画のペンなどで線に強弱をつけたい場合は、ブラシの最小サイズを低い値に設定しましょう。筆圧の影響が出やすく、強弱がつけやすいペンになります。
ブラシの形状・テスクチャを変更すると、自然物や特殊なタッチが描きやすい
ブラシの形状を「にじみ」に、テクスチャを「キャンバス」に設定して、雲を描いています。
デフォルトのペン設定ではブラシの形状は円形ですが、にじみに変更したことで、雲の不規則な形が描きやすくなります。平滑なブラシでは自然物の質感を表現することが難しい場合もあるので、テクスチャを入れてムラを出すのも効果的です。
SAI2のブラシ形状・テクスチャは、項目を自由に追加することができます。ブラシ形状とテクスチャの追加方法は後述します。
水彩筆の混色・水分量・色延びを調整して、お好みの描き味に
水彩筆の混色・水分量・色延びの設定値を変えて、描き味を比較しています。
混色の値を高くすると、描画色がキャンバスにすでに塗られている色と混ざりやすくなります。
水分量で、絵の具の水気を調節します。水で薄めたような効果を出したい場合は、水分量を高くしましょう。
色延びを高めに設定していると、筆を置いた地点の色を大きく伸ばすことができます。
筆圧の感知度を調整してブラシを使いやすく
SAI2ではブラシの詳細ボタンを押すと、ツール動作詳細のウィンドウが表示されます。詳細設定では、輪郭のシャープさやブラシの硬さを調整することができます。
筆圧が弱い人は、ウィンドウ下部の筆圧のスライダーを「軟」の方向へ調整しましょう。筆圧の感知度が高くなり、力をかけずに絵を描くことができます。
SAI2でカスタムブラシを追加する手順
ブラシの格納フォルダ
2020-01-07版以降のSAI2では、ブラシ設定のファイルは、「マイドキュメント\SYSTEMAX Software Development\SAIv2\settings」内に格納されています。
settingsフォルダ内のファイルを表示しています。
brushform……ブラシ形状
brushtex……ブラシテクスチャ
papertex……レイヤー用紙質感
scatter……散布ツール用画像
自作したカスタムブラシやテクスチャを追加する場合は、上記のフォルダの中にファイルを格納します。
散布ブラシの格納フォルダ
SAI2では、プリセットで星型の散布ブラシが用意されています。scatterフォルダの中を見てみると、「星.bmp」と「星.ini」が格納されています。BMPファイルは散布ブラシで使用する画像で、INIファイルには設定の初期値が記述してあります。
このscatterフォルダの中に、自作の散布ブラシを追加していきましょう。
自作の散布ブラシをscatterフォルダに格納する
自作の散布ブラシで使用するBMPファイルを用意します。画像のサイズは、プリセットで用意されてある星型の散布ブラシと同じ、501 × 501pixelのサイズで作成しています。
BMPファイルのカラーモードが「RGB」に設定されていると、SAI2で読み込むことができません。PhotoshopやGIMPなどの画像編集用ソフトウェアを使って、カラーモードを「グレースケール」に設定したBMPファイルを用意しましょう。
プリセットで用意されている「星.ini」を複製して、ファイル名を「A.ini」に変更します。
SAI2で自作の散布ブラシを使う
SAI2を起動して散布ブラシの形状を変更すると、先ほど追加した「A」の文字の散布ブラシが選べるようになっています。
同様の手順で、ブラシ形状・テクスチャ・用紙質感も追加できる
ブラシ形状・テクスチャ・用紙質感も、同様の手順で項目を追加することができます。
自作したレンガのテクスチャを使いたい場合は、brushtexフォルダにBMPファイルを格納します。
SAI2で自作のテクスチャを選ぶ
SAI2を起動してブラシのテクスチャを変更すると、レンガのテクスチャを選ぶことができます。
Webで公開されたSAI2のカスタムブラシも使える
"Sai2 Custom Pencil Brushes" by Marcianek https://t.co/BiQEHLA7NN
— こにし ひろし (@Branch02) November 19, 2016
sai2の鉛筆系ブラシ&紙テクスチャはこの方のを使わせてもらってるけど、かなり使いやすい。
mechanical pencil系が好み
インターネット上では、多くのユーザーの方がSAI2のカスタムブラシやテクスチャを公開していらっしゃいます。イラストの表現力が向上し、作業効率が良くなるブラシ・テクスチャを、ぜひ活用しましょう。
まとめ
SAI2のブラシ設定や、カスタマイズしたブラシを使用する手順の解説でした。SAI2は前バージョンのSAIよりも、カスタムブラシの追加手順が簡単になっています。お好みの描き味のカスタムブラシを作って、SAI2を使ったイラスト制作を楽しみましょう。