みなさんはイラストを描く時、どのように色を塗っていますか?自分の感覚任せでなんとなく色を塗っていませんか?
色はイラストを構成する上で重要なポイントです。色の組み合わせが素敵な作品はやはり目を惹きつけられますし、逆にいくら上手に描けていても色がイマイチだと見劣りがします。今回は魅力的な作品には必須の色の要素や配色のテクニックを、わかりやすく説明します。
この記事の目次
色鮮やかな作品例
まずは色の組み合わせが素敵なイラストを見ていきましょう!
#絵描きさんと繋がりたい #春の創作クラスタフォロー祭り
— ガラス製@多忙 (@garasusei) 2018年3月21日
こんにちはガラス製と申します?
基本こんな絵描いてます
気になった方お迎え上がります~? pic.twitter.com/GSdvdjcmem
パルミー新企画❗「イラストレーター オンライン座談会」✨
— お絵かき講座パルミー@春割キャンペーン中 (@palmie_oekaki) 2018年3月18日
先輩イラストレーターにお仕事について色々聞いてみませんか❓❓
4/7(土)20時無料生配信、登録不要でどなたでもご視聴いただけます✧*。٩(ˊᗜˋ*)و✧*。https://t.co/n9eHIr9XKk pic.twitter.com/RP6Bd4y3yM
どのイラストも色数が多いのに派手になり過ぎず、きれいにまとまっています。さすが配色のセンスが光る、華やかな作品ばかりですね。色が素敵な作品づくりの第一歩として、改めて色について学んでいきましょう。
色の要素とは
色彩理論の基礎によると、色の要素は色相・明度・彩度の3つがあります。それぞれ簡単に説明します。
- 色相:色合い
- 明度:明るさの程度
- 彩度:鮮やかさの程度
それでは、一つ一つ確認していきましょう。
色相とは
色相とは赤、青などの色味(色の種類)を指す言葉です。
すべての色の基礎となるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)を色の三原色と言います。
三原色を基本に、段階的に色みを加えて作られたのが、色相環です。
色相環とは、色相を円形に配置したもので、色を体系的に確認することができます。配色の基本を考える上で重要な図ですので、ぜひ覚えておいてください。ちなみに対角線上に向かい合う色をその色の補色と言います。補色同士を混ぜると、灰色になります。
明度とは
明度とは明るさの程度を表す言葉です。明度が高い方が白色に近い明るい色に、低い方が黒色に近い暗い色になります。例えば薄荷色は明度が高い色、モスグリーンは明度が低い色です。
彩度とは
彩度は鮮やかさの程度を表す言葉です。彩度が高いと鮮やかではっきりした濃い色になり、最も彩度の高い色を純色と呼びます。彩度が低いと濁ってぼんやりした色になり、最後は無彩色(黒・グレー・白のいずれか)になります。例えばシアンは彩度が高い色、ブルーグレーは彩度が低い色です。
トーンとは
明度・彩度は意味が部分的に絡み合っている為、混乱してしまう人もいるのではないでしょうか?そんな時に利用する言葉がトーン(色調)です。トーンは明度と彩度を組み合わせた色の雰囲気を、より直感的に表現できる言葉です。
実際には、同一トーンの色を組み合わせて使うことがよくあります。例として、トーン別のカラーチャートを載せておきますので、ぜひ参考にして下さい。
配色テクニック
色彩理論の基礎を学習した次は、配色のテクニックについて学んでいきましょう。 配色とは複数の色の組み合わせですが、いくつかの有名な方法があります。テーマ別に配色法を説明していきます。
コントラスト型配色とは
色のコントラストを強調させたい時に利用する配色に、補色色相配色と分裂補色配色があります。それでは具体的に見ていきましょう。
補色色相配色
補色とは、先ほど説明した通り、色相環の対角線上に向かい合う色同士のことです。強い対比を意識させる上で非常に有効な手段です。使うタイミングによってはコントラストが大き過ぎて微妙な印象を与えてしまうので、初心者は注意して使いましょう。
分裂補色配色
補色色相配色に近く、コントラストを際立たせる配色が分裂補色配色です。3つの色を組み合わせる配色で、一つの色とその補色に隣り合う2色を用います。補色色相配色と比較すると少しコントラストが弱まるので、初心者の方でも用いやすいという利点もあります。
まとまり配色とは
逆になじみがよい、同系統の組み合わせの配色もあります。それがまとまり配色です。ここでは、類似色相配色と同一色相配色を説明します。
類似色相配色
類似色相配色は同じトーンで、隣接する色相の配色のことです。まとまりがよく、調和した統一感を与えます。これも分裂色相配色と同じく初心者でも取り組みやすい配色の一つです。
同一色相配色
同一色相配色とは、色相の同じ色で、トーンのみを変えた配色。類似色相配色よりもさらに統一感を与え、メッセージ性の強い印象を与えます。しかし、淡白かつ単調な印象を与える場合もあるので、使用時は注意が必要です。同一トーンの例は、トーンの項目に載せています。
応用テクニック(セパレーション、アクセントカラー)
これらのテクニックを踏まえて実際に配色してみても、どうしても全体的によい色味にならない、締まらないと感じる場面に出会うと思います。そんな時に役に立つのが、セパレーションとアクセントカラーです。まずはセパレーションから説明します。
セパレーション
セパレーションとは色と色の間に別の色を使って境界をつくり、それぞれの色をよりはっきり演出する技法です。コントラストが目立つ配色に用いるとそれぞれの色が明確になり効果的です。
具体的には白、黒、灰などのモノトーンカラーを用いるとコントラストがはっきりします。
アクセントカラー
アクセントカラーとは、三色配色時に少面積ながら全体を引き締める役割を果たす色のことです。この特徴を生かし、まとまり配色時にアクセントカラーを加えることで、統一感と同時にはっきりとした印象を与えることができます。
通常、まとまり配色時に使用した色の補色を用いると効果的です。
黄金比70:25:5
三色で配色する際に、有名な黄金比「70:25:5」というものがあります。これは最もバランスの良い三色配色だと言われています。実際に、分裂色相配色やセパレーションを用いた三色配色などにも使えます。
比率の大きいものからメインカラー、サブカラー、アクセントカラーと呼ばれ、3つの色はそれぞれ下の手順で決めていくと良いです。
- メインカラーを選択。テーマを意識して明度の高過ぎない色を選びます。
- サブカラーを選びます。これは記事中で紹介した配色を生かして考えましょう。
- 最後にアクセントカラーを選択します。全体を引き締める時に重要な色ですので、記事内の応用テクニックを参考に検討しましょう。
配色の具体例
これまで一通り配色の基本を学びました。ただ実際には、初めから色彩理論に基づいて考えるのは大変です。なので、よく使うテーマごとに具体的な配色を見ていきたいと思います。着物を着た女の子をそれぞれのテーマに合わせて、配色してみました。
イラストレーター:ishibutai
暖かみを感じる色の組み合わせ
クールな色の組み合わせ
かわいい色の組み合わせ
かっこいい色の組み合わせ
どうですか?同じ線画を利用しても、印象は全然違いますね!テーマに合った配色を利用して、イラストを洗練させてみましょう!
色の基本まとめ
これまで色彩理論や配色テクニックと言った重要キーワードの説明から、具体的な色の組み合わせまで様々なことを学んできましたが、いかがでしたか?全体を振り返っていきましょう。
まずは、色の要素について整理した図をご覧ください。
次に配色テクニックについてです。見慣れないキーワードばかりで戸惑うかもしれませんが、重要なのでしっかりと理解しましょう。
色の組み合わせに関してはたくさん覚えることがあるので、一つずつしっかりと学んで自分のものにしていきましょう。