イラストの彩色の時、どう塗れば画面が映えるような色使いにできるだろう、背景の空気感をどうすれば表現できるだろう・・・と悩むという方は多いのではないでしょうか。
今回はらじさんの解説から、絵の雰囲気を引き出せる色使いをする方法をご紹介していきます。
※この記事で紹介している内容はご本人の許可を得て掲載しています。
絵の雰囲気を引き出せる色使いをする方法とは?
これから説明する事をひとことでいうと、
塗り始める前に色の設定を決める!!という事です。
これを実践すると、
・描いてる途中で色について悩む時間が減る
・画力を上げずに「雰囲気のある絵」が描ける
・遠近感(空気感)が得意になる
…といった効果が期待できます。
色の設定について考えましょう
色の設定とは?
①光の色
光の色が強くなる条件
・光源に近い
・表面がツルツル
・気分(※割と大事な要素です!)
時間帯、絵全体のテーマ、表現したいものに併せて決めるとよいでしょう。
⓶影の色
影の色が強くなる条件
・手前にある
・光源から遠い
・気分(※割と大事なので2回言いました!)
簡単なのは、色相環で光の色の真逆に来る色です。
ここでは、光の黄色から対称に位置する紫色が影色となります。
③空気の色
空気の色が強くなる条件
・遠くにある
・目立たせたくない
・奥行きの差が激しい
・2つの物体の境界
風景画の時は、昼は●、夕方は●、夜は●の色がオススメです。
また、逆光を面白くしたい時は反射光の色も決めましょう。
色の置き方
では、実際の着色方法をご紹介します!
図の左側の説明のように、2つのベクトルに当てはめてみましょう。
①明・光の色・強⇔暗・影色・強
⓶遠く・空気色・強⇔近く・空気色・弱
近く、明るい箇所は光の色が強く、逆に遠く暗い箇所は影の色が強くなります。
空気の色は遠い箇所ほど濃くなります。
図の右上は、固有色と同じ彩度で明度のみ変えた光と陰の状態です。
以下は手順となります。
①空気の色で塗りつぶす
画面が真っ青になります。
⓶光の色と陰の色のみを使って明暗を決める
不透明度30~50%で薄く、少しずつ色を足していきます。
③固有色を乗せる
更に薄い20%前後で舌の色が薄れていないか、明暗のバランスがおかしくないか、慎重に確認しながら乗せます。
塗りのテイストに差はあれど、空気感の違いは一目瞭然ですね!
描き込みについて
これで絵に使う色が決まりました!あとは細部を描き込むだけです。
描き込みは、以下の基本動作の繰り返しとなります。
①スポイトで色を取る
⓶色を微調整する
③色を乗せる
実際に手でやってる作業はこれだけです。
頭で考えているのは、「どんな筆触を足せば質感や麺の向きを表現できるか」という事です。
背景への応用
上記と同じ手順で、背景にも応用できます。
①空気の色で塗りつぶし
⓶光と陰の色で明暗をつけて
③固有色を混ぜる
全く同じ手順で、背景の遠近感や空気感が難なく出せました。
パースが少々狂ったり、実在しないヘンテコ建物や異次元空間をうっかり描いたとしても、空気感を描く事で大体ごまかせます。
遠くの物より近くの物に目が留まるからです。
遠近感=人物が映えて背景はごまかせる、一石二鳥です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
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