漫画の物語を分かりやすく読み手に伝えるために、「コマ」の構成は重要です。画力や絵柄だけでなく、「漫画が巧い人」がどういった情報をコマに描き込んでいるのか、考えてみるのも上達への近道だと思います。
そこで今回は、漫画の巧さポイントについてPixivでまとめていらっしゃった、うさがめさんの解説から、漫画が巧い人がコマ内に配置している情報について見てみましょう!
※この記事で紹介している内容はご本人の許可を得て掲載しています。
漫画が巧い人がコマに配置する情報
まずは、物語が読み手に伝わるコマの例を見てみましょう。部屋の背景で舞台の場所や世界観が分かり、人物の動きでキャラクターの感情が伝わり、書き文字や集中線といったエフェクトで画面の迫力を演出しています。
コマ内の情報の背景・キャラクター・エフェクトについて、それぞれ詳細を見ていきましょう。
①背景-世界観を描写する巧さ
キャラクターが「どこ」にいるのか、居場所を読み手に伝えることがポイントです。自宅の部屋、学校の教室、屋外の公園…といったように、舞台を描き込むことで物語が分かりやすくなります。
また、「日中の街の背景→夜の自室の背景」と切り替えることによって、「時間が経ってキャラクターが家に帰った」ことも伝えられます。コマの前後関係や時系列を分かりやすくするためにも背景を活用しましょう。
背景がおざなりの場合
背景が描き込まれていないので世界観が分かりにくくなっており、キャラクターが舞台を移動する作品とは合わない描き方です。キャラクター性は伝わるので、舞台が固定の日常系やキャラクター重視のギャグ漫画などであれば、可能な描き方かもしれません。
②キャラクター-個性や感情を伝える巧さ
人間と同じように、キャラクターにも個性や感情があります。明るい性格だったら大きく手を振って陽気に歩いたり、悲しいことが起こったら顔をうつむかせて泣いていたりと、アクションで個性や感情を表現しましょう。
キャラに躍動感がない場合
キャラクターが棒立ちになっていると、個性や感情が伝わりづらかったり、場面に勢いがなくなってしまいます。セリフや会話を中心とした漫画であれば、物語が成立するかもしれません。
キャラのデッサンに違和感がある場合
人体のデッサンやパースに違和感があると、物語から気がそれて世界観やキャラクターに没頭できなくなってしまいます。漫画を描くためには、写実的な絵の上手さよりも画面の違和感をなくす上手さの方が重要かもしれません。
③書き文字・集中線-エフェクトの巧さ
漫画には、書き文字や吹き出し、集中線といった特有の表現があります。アクション漫画の戦闘シーンでは勢いのある書き文字が画面一杯に描かれていたり、ホラー漫画の吹き出しやセリフのフォントは恐怖を煽るように演出されています。
漫画のエフェクトを使いこなすことができれば、キャラクターの感情や話の緊張感などを盛り上げることができます。
まとめ
漫画が巧い人はコマにどういった情報を入れているのか、3つの要素のご紹介でした。漫画の物語を分かりやすく伝えるためのポイントをお探しの方は、うさがめさんの解説を参考に、コマ内の背景・キャラクター・エフェクトについて考えてみてください。
最後に、うさがめさんのPixivをご紹介します。他にも素敵な作品をご投稿していらっしゃいますので、ぜひご覧ください!
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