学園漫画、アニメでは必ずといっていいほど出てくる学生服。しかしいざ描くとなると、すぐ描けない方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな学生服のシンボル:学ランやブレザーの構造、描き方にスポットを当てて紹介していきます。
この記事の目次
学園漫画で定番の学ラン・ブレザーを描くには、構造を理解しよう
学ランのルーツは軍服です。
江戸~明治時代、洋服は蘭服(当時の外交国:オランダの服)と呼ばれていた為、学生用蘭服:略して「学蘭」となったのが始まりとされています。洋装自体が珍しい時代では学生にとってエリート意識のシンボルでもありました。
学ランの描き方
軍服に由来する通り、かっちりした印象を持たれます。
色は黒が一般的ですが、漫画やアニメのキャラクターは個性を出す為に彩度の高い原色カラーを用いることもあります。
上着のボタンは大体5~7個で、上から2番目の位置に左胸のポケット、5個目の位置に左右のポケットが付いています。
襟の構造
詰襟は2個のホックで固定される為、簡単には外れません。
生地も内襟が重なるので固めに作られています。
ズボンの構造
一般的なスラックスと同様の構造ですが、前述の通り毎日着たり洗濯しても傷みにくく、弾力のある素材で出来ているのでゆったりとしたサイズ感ながら、シワの数はやや少なめです。(詳細は後述にて)
しわについて
股下、肘、足首にできやすい傾向にあります。
肩はパッドが入っており、固いのでシワができません。
腰の括れも上着で隠れる為、目立つシワはできにくいです。
過度にシワの線数を増やすとシルク生地のように薄い素材感に見えてしまいます。気を付けましょう。
しわの影を描く
シワ線の位置に伴い、影も股下、肘、足首に描くと素材感が出せます。
足首は裾が靴にかかるのもあって特にシワが溜まり易い箇所です。
ブレザーの描き方
現代では学ランの代わりにブレザー制服が主流になってきました。
昭和期の学生が硬派、社会派な美意識を求めたのに対し、平成初期の学生は紳士、淑女感と言った美意識を求めた結果とも言えます。
また学ランの詰襟より着脱や重ね着もしやすい為、温度調整面で優れるのも特徴です。
襟の構造
ブレザー自体が学ランと比較してデザインの自由度が高く、襟の形も様々です。漫画、アニメでは各々キャラクターが個性を出すべくデザインが非常に多様化しています。
お気に入りの形や色を見つけて、アレンジするのもよいでしょう。
ポケットやエンブレム、ボタンを描く
小さいながら制服が制服たらしめんとする為に欠かせないアイテム、エンブレムやボタン。よく見ると多くは学校名や学校のロゴが描かれ、象徴となっています。
【番外編】パーカーの描き方
前述の通り硬派なイメージの学ランですが、最近ではオシャレの一環として学ランの下からパーカーを着る着こなし方も見られます。
フードを見せ、学ランの前を開ける事で私服のような印象を出せます。
【番外編】セーラー服の描き方
学ランと並び、セーラー服も女子学生の制服として長く定番です。
イギリス海軍の水平用制服として始まり、その可愛いスタイルから婦人服としても定着していきました。
スタンダードな黒・紺のカラーを基盤としながらも、ブラウスの色を変えたり、スカーフやリボンの色で個性を出す事ができます。
スカートの丈もキャラクターの個性を出せるキーポイントですが、あまり短すぎると学生感が損なわれる事も…。
襟の構造
後ろに折り返す襟は真っ直ぐ直角に落ちていると勘違いしがちですが、実際は肩のラインに沿うように下へ細くなっています。
襟に結ぶものもスカーフ、リボンやタイなど様々です。
自分が描きたいと思うキャラに似合うものを探してみましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
学生服の歴史を辿ると軍服から始まり、そこから一般服に派生していったのが分かります。
学ラン、ブレザー、いずれも彼らが通う各々の学校のシンボルであり、また彼らの個性を表すステータスアイテムでもあります。
様々なデザイン、構造の違いを知れば、いろいろな角度から描く時の面白さも増すことでしょう。