背景イラストを描く際に、雲などの自然物の描き方が分からずにお悩みの方は多いと思います。塗り方が分からない自然物は、リアルな質感を一筆で出せるカスタムブラシを使うのも手だと思います。
そこで今回は、Photoshopの自然物ブラシについてTwitterでまとめていらっしゃった、Sh!βα(しば)さんの解説から、写真から雲ブラシを作る手順を見てみましょう!
※この記事で紹介している内容はご本人の許可を得て掲載しています。
※写真を加工する場合は自分で撮影したものを使いましょう。
写真から雲ブラシを作る Photoshopカスタムブラシ講座
写真から雲を切り取り、形を調整する
シルエットが出ている雲の写真を用意しましょう。今回は、イタリアを旅行中に撮影した写真をトリミングして使用しているとのことです。
使用ツールはPhotoshopです。
①なげなわツールを使い、雲の輪郭部分や中身をコピペして一箇所にかき集めます。
②Ctrl+Tで自由変形ツールを使い、できるだけ雲の輪郭部分の切れ端が隣り合うように調整します。
③中に空洞ができないように、自由変形を上手く使いましょう。解説イラストのような小さな雲を作るイメージとのことです。
④仕上げにレイヤーを結合して、切り取った画像の切れ端が目立たないように、指先ツールで切れ端部分をぼかして馴染ませます。エッジを消して滑らかにしています。
色調を調整して、ブラシを定義する
①先ほど作った雲を、色調補正などで彩度をなくして白黒にします。
②レベル補正で青空の部分が真っ黒になるように調整します。雲の中の明暗はできるだけ残した方がよいとのことです。
③「イメージ」→「色調補正」→「階調の反転」で、白黒を反転させます。その後、なげなわツールで雲レイヤーをぐるっと囲みます。
④「編集」→「ブラシを定義」でブラシとして登録します。
真っ白な部分は透明と認識してくれるので、雲の部分だけを抜き出すことができます。②の工程で調整が甘いと、ゴミが残ってしまうとのことです。
また、背景色があると白部分も認識されてしまうので、背景色は透過か真っ白にしておくとよいとのことです。
ブラシの描き味を調整する
デフォルトだと解説イラストのような描き味です。このままだと使い物にならないとのことで、「F5」でブラシ設定を編集します。
「シェイプ」にチェックを入れて、サイズのジッターを適当にいじります。
最も重要なのは、角度のジッターのコントロールを「進行方向」にすることです。
「進行方向」に関しての説明です。解説イラスト左がオフ、解説イラスト右がオンの状態です。
ペンをぐるっと回した際に進行方向をオンにしていると、様々な角度に対応しやすくなるとのことです。場合によっては進行方向をオフにすることもありますが、常にオフだと同じシルエットが平面的に続くので、コピペ感が強まって絵が単調になりがちとのことです。
最後に「散布」を少しいじり、タッチが広がるようにします。
「その他」を筆圧に設定して、不透明度をつけます。
ブラシの設定が終わったら、必ず保存をしましょう。設定は自動で保存されないので注意が必要です。
Photoshopの自然物ブラシがあれば、クオリティの高い背景を効率良く描けると思います。皆さんもPhotoshopのカスタムブラシを作ってみてください。
まとめ
写真からPhotoshopの自然物ブラシを作る手順の解説でした。雲が描けずにお困りの方や、効率の良い背景の塗り方をお探しの方は、Sh!βα(しば)さんの解説を参考にしてみてください。
最後に、Sh!βα(しば)さんのプロフィールをご紹介します。
Sh!βα(しば)さんはイラストレーターをしていらっしゃり、デザイン学校の講師やゲーム・アニメの背景イラストを制作していらっしゃいます。
TwitterやSKIMAでは他にも素敵なイラストをご投稿していらっしゃいますので、ぜひご覧ください!
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