美しい色合いで絵を表現できる水彩画に興味はあるけれど、道具の選び方や色を塗る順番が全く分からない…。水彩初心者にも分かりやすく説明してあるメイキングはないだろうか?
そこで今回は、水彩画のメイキングをTwitterにまとめていらっしゃった、Aioiさん(@MiYn261262)の解説イラストから、水彩で花のイラストを仕上げる工程を見てみましょう!
※この記事で紹介している内容はご本人の許可を得て掲載しています。
Twitter 「Aioiさん 水彩画のメイキング」この記事の目次
水彩画メイキング
①完成イラスト/使用画材の紹介
それでは、水彩画のメイキングを見ていきましょう!
メイキングで使用する道具を載せています。
水彩紙はウォーターフォード中目(ホワイト)を使用します。
Aioiさんの描き方だと、絵の具がしっかりと紙に定着する(洗い流しがききにくい)ものでないと難しいとのことです。
アルビレオやヴィフアールの水彩紙は洗い流しがしやすいタイプのため、本メイキングのような描き方は少々不得手とのことです。
補足として、本メイキングのような描き方だと、ウォーターフォードの代わりになる水彩紙は、ランプライトやファブリアーノ-エキストラホワイト、価格帯は上がってしまいますが、アルシュがあるとのことです。
②下書き
下書きはシャーペンを使用して描いていきます。
色の濁りの原因になるので、必要に応じて練り消しなどで余分な黒鉛は払っているとのことです。
花を描く際は、まず、円をいくつか描いてから、円のラインに合わせて花弁を増やしていくと描きやすいとのことです。
下書きが描き終わりました。
③水彩絵の具の種類
今回のメイキングでは、三色の水彩絵の具のみを使用します。
左上:セルリアンブルー(W&N)
右上:コバルトブルー(月光荘)
左下:ウィンザーバイオレット(W&N)
使う分より少し多めにパレットに色を溶いて、準備しておくことが大事とのことです。
水彩絵の具の、メーカーごとの色味の違いを載せています。
セルリアンブルーを見てみますと、ホルベインよりW&N(ウィンザー&ニュートン)の方が、水色っぽい色味をしています。
同じセルリアンブルーでも、メーカーによって色味に違いがあることに気をつけておきましょう。
また、月光荘の絵の具は、一般の画材屋さんでは置いておらず、入手機会が少ないとのことです。
月光荘の絵の具をお持ちでない場合は、お手持ちの似た色味の絵の具で代用しましょう。
④花弁の着色
まず、綺麗な水で塗りたい花弁を丁寧に濡らします。
横から見たときに紙の上に水が乗っていると、水滴の中で絵の具が泳いでしまい上手くグラデーションが作れないので、筆で優しく濡らすとよいとのことです。
湿らせたら、セルリアン、コバルト、バイオレットの順で垂らし込んでいきます。
こんな感じです pic.twitter.com/B9x89CNEdN
— Aioi (@MiYn261262) 2019年2月27日
セルリアン、コバルト、バイオレットと、花弁を着色する工程を動画で載せています。
この作業を延々と繰り返します。
— Aioi (@MiYn261262) 2019年2月27日
水彩は濡れている場所に絵の具が広がっていきますので、乾かす時間も大事です。あせらず、ゆっくり。
時間がない場合はドライヤーで乾かすこともできますが、優しいグラデーションを作りたいときは自然に任せた方が良いと思います。 pic.twitter.com/kgMWlyfJBW
さらに、他の花弁を着色する工程を動画で載せています。
花弁を塗り終えました。
Aioiさんは、花弁が透ける様子を重ね塗りする表現が好きとのことです。
⑤花弁の着色(ぼかし、影つけ)
花弁の1枚1枚をはっきりさせるために、線画を起こし、陰影をつけていきます。
濃いめに溶いたコバルトブルーで線を引き…。
綺麗な筆で優しく伸ばしてぼかします。
この作業を満足するまで繰り返すとのことです。
少し薄めに溶いたコバルトブルーで影をつけ足します。
光源は特に気にしないでよいとのことです。
⑥花弁の着色(追加の影つけ)、花の中心と茎の着色
濡れて光っている部分に、追加で影をつけていきます。
薄くしたセルリアンブルーを使用しています。
次に、花の中心部分と茎を塗ります。
濃く溶いたウィンザーバイオレットに、コバルトブルーを少し混ぜたものを使用しています。
W&Nの公式サイトに掲載されている絵の具のストーリーによれば、ウィンザーバイオレットは水で薄めない場合紫がかった黒としても代用できるそうです。素敵。 pic.twitter.com/9DKVNCx7ie
— Aioi (@MiYn261262) 2019年2月27日
花の中心の着色工程を動画で載せています。
⑦空白部分の着色
⑦空白部分で遊びます pic.twitter.com/ClR0qt033k
— Aioi (@MiYn261262) 2019年2月27日
空白部分の着色工程を動画で載せています。
⑧乾いた後の仕上げ
全体がしっかり乾いたら、水彩色鉛筆で仕上げをします。
くるくる小さな円をたくさん描くように鉛筆を動かし、優しく着色します。
お好みでホワイトやゴールドを加えます。
サインを入れて、花の水彩画の完成です!
花弁の透明感や、花の青-紫系統の色合いが美しい、水彩のイラストが仕上がりました。
まとめ
水彩画を描く際に必要な道具や、塗り方の手順を知ることができました。水彩画を綺麗に仕上げる方法が分からずに悩んでいらっしゃる方や、これから水彩を始めたいと思っていらっしゃる方は、Aioiさんの解説イラストを参考にしてみて下さい。
最後に、AioiさんのTwitterをご紹介します。他にも素敵なイラストをご投稿していらっしゃいますので、ぜひご覧ください!
AioiさんのTwitterはこちら