イラストや漫画でキレイな線を引くことは、アナログ制作でもデジタル制作でも重要です。線がフニャフニャだったり歪んでいたりしていると、完成した絵も見栄えが悪くなってしまいます。
そこで今回は、アナログ・デジタルのイラスト制作で「キレイな線」を引く方法について考えてみましょう。
この記事の目次
キレイな線を引く方法
線がキレイに引ける利点
キレイな線が引けるとどのような利点があるのか一例をご紹介します。
線画の仕上がりが良くなる
キレイな線が引けるかどうかが重要になってくるのは、やはり線画の工程です。
キャラクターの髪の毛など長い曲線の箇所をキレイな線でスッと引くことができれば、洗練された線画に見せることができます。
ペン入れの時間が短縮できる
髪の毛などの長い線が上手く引けないので、「Ctrl + Z」のアンドゥを活用ながら繰り返しペンを入れている…と大変な思いをしていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
アナログ制作だと消しゴムを使うことになってしまうので、一発でキレイな線を引ければ時間短縮に繋がります。
塗りつぶしツールで塗りやすくなる
線画を下塗りする工程で、線が途切れているとバケツツールで上手く塗りつぶすことができません。逆に線がはみ出していると、消しゴムツールで消さなければなりません。
狙った箇所で線を止めたり、途切れていない線を引くことも大切になってきます。
線をキレイに引くための基本
鉛筆やペンの先だけを見るのではなく、これから引くつもりの線全体を見渡せるようにしておきます。
ペン先を動かす速度が遅すぎると線がブレやすいので、最低限の速さを意識して一気にシュッと線を引きます。
他の絵描きの方の線や線画を参考にするのもよいと思います。
ペン入れの際などに長い曲線がどうしても引けない場合は、線を繋げて引くのも一つの手です。二つの線がムラなく繋がって見えるように、二つ目の線の始点の部分からは筆圧なども調整してキレイに繋げましょう。
デジタルの場合はキャンバスの拡大率が小さすぎると線の位置が分かりづらく、大きすぎるとストロークが長くなって線が引きづらくなってしまうので気をつけましょう。
紙やキャンバスを回転させる
曲線の向きによって、得意なストロークと苦手なストロークが人それぞれにあると思います。
この向きの線は引きづらいな…と感じたら、紙やキャンバスを回転させて、得意なストロークで引けるように向きを変えることが大切です。デジタルであればキャンバスの反転機能も活用してみましょう。
メイキングpart5
— 高町@Web編集員 (@setuna7111) May 26, 2013
最後です。ペン入れはGペンを使ってやります。コツとては綺麗な線を描きたいのであればとにかく紙を回転させて下さい。少しでも描きにくいと思ったら別の方に回転させます。それとペンの強弱です。あとは慣れです(笑) pic.twitter.com/IaZKyTuXXj
鉛筆の芯の尖り具合、ブラシ設定に気をつける
アナログ
鉛筆の芯の尖り具合によっても線に大きな違いが出てきます。
芯が尖っていないまま線を引くと、パサパサとした途切れやすい線になってしまいます。線画用のシュッとした線を引きたい場合には、こまめに鉛筆削りに入れて芯を尖らせておきましょう。
また、H、HB、B、2B…といった鉛筆の芯の硬さの種類によっても、線の引きやすさに違いが出てきます。
線を引く際の力の入れ具合には個人差があるので、筆圧に応じて使いやすい芯の硬さを選びましょう。アニメ制作などのアナログでのクリンナップ作業には、B辺りが使われることが多いようです。
デジタル
ペイントツールのブラシ設定によって線の見た目が大きく変わってきます。
均一な線、強弱のついた線など様々ですが、引きたい線に合わせてブラシの形状やブラシサイズを筆圧に対応させるのかなど、設定を行いましょう。ブラシ設定を弄るのが難しいと感じる方は、ペイントツールのデフォルトのブラシプリセットや、他のユーザーが調整したブラシをダウンロードして使ってみましょう。
また、ツールに手ブレ補正機能がついている場合は、線を引く際のブレを少なくすることができます。
鉛筆やタブレットペンの握り方を意識する
線のストロークが長い場合は、指先を動かすというより手首や肘も合わせて腕全体を動かして描いた方が線が安定します。
ペンの持ち方は癖や個人差もありますが、手首が安定するようなしっかりとした握り方だと長い線を引きやすいかもしれません。
数多くの神絵師の手元をガン見してきた凡人の忘備録です。なんで神絵師って人差し指に親指かぶせてんの????手首チタンで出来てんの????(魂の叫び pic.twitter.com/txvi0fPNla
— 八樹ひより (@yatsukihiyori) December 8, 2019
定規などの道具を使う
アナログ
背景の柱などの直線をフリーハンドで引くのは難しい…そんな時は定規を使ってキレイな線を引きましょう。円や曲線の物体が多い場合は、円定規や楕円定規、雲形定規を使うのがオススメです。円定規や楕円定規は新宿の世界堂などの大型文房具店や、ネットショッピングで購入することができます。
デジタル
フリーハンドで引きづらい線は、ペイントツールに備わっている直線ツールや曲線ツールを活用しましょう。無機物の線をキレイに引きたい際にオススメです。
複雑な曲線の場合はツールを使っても引きづらいことがありますが、そんな時は雲形定規と組み合わせて線を引くのも良さそうです。
ウチの超ハイテク制作環境
— 田村吉康 TAMURA Yoshiyasu (@FUDEGAMI) August 29, 2018
iPad Proに雲形定規 ;) pic.twitter.com/oZ4bmdaZsd
まとめ
キレイな線を引く方法のご紹介でした。キレイな線を引くためにはテクニック面から道具の使い方まで様々なポイントがあるので、ご自分に合った線の引き方を見つけてみてください。