ゲームや漫画では、人間と動物の特徴が混ざり合った「獣人」のキャラクターが数多く登場しています。獣人のキャラクターイラストを描きたいのだけれど、覚えておいた方がよいポイントはあるのだろうか?
そこで今回は、獣人の描き方をPixivにまとめていらっしゃった、にくきゅう先生さんの講座から、獣人を描く際の考え方やテクニックを見てみましょう!
※描く人によって獣人の人間と動物の特徴の混ざり具合は様々です。あくまで一例としてご覧ください。
※この記事で紹介している内容はご本人の許可を得て掲載しています。
獣人の描き方
人間との違い
解説イラストは、デフォルメされた人間の輪郭の上から、目、鼻、口、耳、髪の毛を描いています。人間の絵からどのようにして、いわゆる「獣人」を描いていけばよいのでしょうか?
まず、人間との相違点を理解することから始めましょう。
一言に「獣人」といっても、犬、猫、鳥、爬虫類など、様々です。その中でも、身近な犬や猫の獣人にスポットを当てていきます。
また、人間と犬を比較して、大きく違う部分を何点か挙げています。
①耳
人間と違って、犬は頭の天辺に耳があります。
②鼻、口
犬や猫は「マズル」と呼ばれる鼻と口が、前ににゅっと出ています。正面の絵だと分かりづらいですが、顔の角度を変えると特徴が顕著に出るとのことです。
③顎
人と違って、犬と猫の顎は尖っていません。
犬のマズル
続いて、②のマズルについての解説です。
犬の顔を横から見た時に、人間とは違って鼻と口が大きく前に出ています。
この構造をいち早く理解することが、犬や猫の獣人を描く際に大いに役立つとのことです。
人間との違いは一目瞭然です。犬や猫には唇もないので、顔のラインも人間とは異なります。人間よりはシンプルかもしれないとのことです。
デフォルメした犬と人間の横顔を比較しています。目から鼻までの距離が、犬の方が遠いことが分かります。
しかし、犬には色んな犬種があるので、目から鼻までの距離も変わってくるので注意しましょう。犬種を気にしないのであれば、目から鼻までを長めに描いておけば犬っぽさは出るとのことです。猫の場合は、マズルを意識すれば、目から鼻までの距離は人と同じくらいでも良いとのことです。
犬と猫の鼻について
鼻は大きさによって、犬か猫かの違いを表すことができます。①は犬、②は猫っぽく見えると思います。口に関しても、犬は大きめで、猫は小さめに描くと、さらに差別化ができるとのことです。
獣人を描く上で、上記の内容は一概には言えず、描く人によって様々です。ですが、基本的なことなので、知らない方は頭の片隅に置いておくと良いとのことです。
獣人のマズル
獣人を描く上でつまづくのが、色んな視点からのマズルとのことです。
様々な視点から見るマズルを描くためには、相応のデッサン力が不可欠になります。
そこで、犬のデッサンをせずとも割と簡単にマズルを描く方法のご紹介です。解説のように「円柱をベースとして使う」と、それなりに立体的に描くことができます。
もちろん、犬の写真を模写するに越したことはありませんが、「よりパターン化した方が描きやすい」というお話です。好きな絵師の方を真似るのも、上達の近道とのことです。
正面顔ではなかなかマズルの立体感を出すのは難しいですが、それなりに再現することは可能です。獣人類を描く上での注意点と併せて見てみましょう。
獣人の正面顔
・人間と違って面長にはなりません。
・マズルの奥行きを出すための、補助線のようなものを描きます。前に突き出しているように見えます。
・毛感を出すために、ほっぺの部分をギザギザさせています。
・あくまで一例として、顎は丸めて描きます。
・犬っぽく見せるなら、補助線ははっきりと、鼻と口は大きめに描いてみましょう!
続いて髪の毛を生やします。髪の毛は人間と同様なので割愛とのことです。
耳に関しては、マズルと同様に記号化すると描きやすいかもしれません。下の解説イラストの右図のような構造の物を、頭に沿って置くだけです。ケモミミに関しては、別の方が詳しく解説されている講座があるので、そちらを参考にするとよいとのことです。
獣人の耳は人間と違って動きますが、お好みでよいとのことです。にくきゅう先生さんが描く獣人達は、大体外向きの耳をしているとのことです。キャラクターの気分によって耳を動かすことを意識して、しょんぼりした時などは寝かせたり、嬉しい時はぴょこぴょこ動いている表現で描くとのことです。
獣人のマズルに関して、デフォルメをした場合は省略が可能とのことです。
鼻の位置を中心からずらしてマズルの立体感を出したり、下顎を省略しています。ほぼ人間の口と変わらない形となっています。
獣人の頭から下
犬や猫の頭を人間の頭と入れ替えるのは、実際は相当の力技となっています。解説イラストのように、一般的な人間のような首の形を描く場合もあったり、頭と首を一体化させて描く場合もあるとのことです。
首周りに関して、知る限りではこの2パターンとのことです。より人間に近づけるか、獣感を残すのかのどちらかを状況によって使い分けましょう。
メスケモは人間らしく、オスケモは獣らしくと、描き分けるのもアリとのことです。
獣人の毛感、特徴
獣人は全身モフモフと毛で覆われています。獣人っぽさを表現するにはどうすればよいでしょうか?
・肩や腕、足の出っ張った部分にギザギザラインを描きます。体毛の表現とのことです。
・胸毛をもっさりさせます。無くてもよいとのことです。
・手足を大きめに描くと、獣感が増しているように見えます。肉球はお好みで描きましょう。
・尻尾をつけるのも忘れないようにします。
また、毛感は塗りの工程でも表現することができるとのことです。
獣人の尻尾の位置
人間にはご先祖様の尻尾の名残の尾てい骨が存在しています。尻尾はその辺りから生やしましょう。
お尻の割れ目の開始位置から生やすのがベターとのことです。
終わりに
獣人イラスト講座を描かれた、にくきゅう先生さんのまとめです。皆さんも講座を参考に、獣人キャラクターを描いてみましょう!
まとめ
人間と動物の違いから獣人の描き方を考えるイラスト講座でした。獣人のキャラクターを描きたいと思っていらっしゃる方や、獣人を描く際のポイントが分からず悩んでいらっしゃる方は、にくきゅう先生さんの獣人イラスト講座を参考にしてみてください。
最後に、にくきゅう先生さんのプロフィールをご紹介します。
にくきゅう先生さんはフリーのイラストレーターをしていらっしゃり、似顔絵や配信用アバター等のお仕事をしていらっしゃいます。PixivやTwitterでは他にも素敵なイラストをご投稿していらっしゃいますので、ぜひご覧ください!
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