肌の色は一色で塗ってしまってもよいのですが、それでは立体的なイラストにはなりません。立体的なイラストを描くには光や影をつけることが大切です。ここでは、色鉛筆やデジタルソフトを使った立体的なイラストの塗り方を紹介します。
この記事の目次
基本的な肌の塗り方
肌にも褐色や色白などさまざまな色があるので、まずは自分のイメージする肌色に近いベースカラーを見つけ塗っていきます。しかし、肌をすべて同じ色で塗ってしまうと立体感は出てきません。
イラストをより生き生きとしたものにするためには、影やぼかし、ハイライトなどの陰影をつけることが大切です。
光と影の関係が大切
光と影の関係をとらえるために、まずはどこから光が当たっているのかを考えます。平面的な絵の上だけだとわかりにくい場合は、実物に光を当てて観察したり、写真などを参考にしたりするのがおすすめです。
影は光源から遠い部分ほど濃く、光源に近い部分ほど薄くなっていきます。綿密に計算する必要はありませんが、感覚的にでも大体の影の位置を把握しておくことが大切です。
基本的な陰影のつけ方は以上の通りですが、ツールによって描き方に違いが出てきます。ここからは、色鉛筆やデジタルソフトで描く際のポイントをそれぞれ紹介していきます。
色鉛筆で立体感のある肌を描こう
初めて色鉛筆でイラストを塗っていく場合は、24~36色入りのものを使うのがおすすめです。特に人物を描く際、ピンクやオレンジなどの肌色に近い色を多く使うので、色が制限されてしまう12色入りの色鉛筆はあまりおすすめできません。
また、色の多すぎるものは何を使えばよいかわからなくなり、混乱する可能性があります。24~36色入りの色鉛筆を使うのが無難です。
肌のベースカラーを決めたら、全体に色をのせていきます。ここから何段階にも分けて影を描いていくため、まずは薄くさっと塗るだけで十分です。
ピンクやオレンジで影を入れる
肌色に近いオレンジを使って影をつけていきます。光の差し込む方向を意識しながらさっと軽く塗るイメージです。次に、ピンクを使って先ほど描いた影より一回り大きめに影を入れます。
これでも十分立体的に見えますが、このままではピンクとオレンジの境目がはっきりとしすぎているため、最後にもう一度影を塗ります。薄いオレンジを使って、ピンク色を馴染ませるように少し濃く塗れば立体的な肌の完成です。
肌色を全体的に薄く馴染ませる
影を入れた後のイラストは、ベースカラーを塗った時よりも全体的に暗く見えることがあります。そんなときは、ベースカラーの肌色を全体に薄く馴染ませるのがおすすめです。暗すぎて浮いてしまいがちな影も肌に定着しやすくなります。
また、馴染ませるほかにティッシュなどを使ってぼかしを入れるのもおすすめです。しかし、多用すると紙がふやけてしまうので注意しながら行います。
デジタルイラストの肌の塗り方
デジタルイラストの場合、PCやソフトを用意するだけでさまざまなタッチのイラストを描くことができます。筆や色を揃える必要がないため、アナログで描くよりも手軽です。
しかし、編集のしにくさや動作の重さ、塗り漏れのリスクなどデメリットもあります。使用するソフトを厳選したり塗り方を工夫したりして、ツールを使いこなすことが大切です。
PixiaやSAIなどのソフトを使う
PixiaやSAIは有名なお絵描きソフトです。Pixiaはフリーソフトなので、誰でもインストールして無料で使うことができます。SAIは有料ですが、31日間は無料体験が可能です。
ソフトにはどれも一長一短あるので、どれを使えばよいかわからない人は1度どちらも試してみるのがおすすめです。
アニメ塗りの塗り方
アニメ塗りとは境目や色がくっきりと分かれた塗り方のことを指します。デジタルイラストの基本ともいえる塗り方です。
アニメ塗りをする際は、線画や下塗り、顔や足など、細かくレイヤーを分けて塗っていきます。基本的に線画レイヤーは最上部に置き、面積の狭い目や唇などから順にレイヤーを並べていきます。
影とハイライトを入れよう
影とハイライトを塗る際は、新しくレイヤーを用意するのがおすすめです。元のレイヤーと分けておけば、気になる部分が出てきた場合でもより簡単に直すことができます。
ただ、レイヤーを追加するだけでは陰影をつけていくのが難しくなります。色塗りをしたレイヤーを結合したり、領域外をマスク設定にしたりしてツールを上手く活用していくのがおすすめです。
塗り漏れのないように対策する
塗り漏れがあると、バケツを使って塗る際に大変手間がかかります。特に髪や目など、細かい部分は塗り漏れが多発しやすい箇所です。
塗り漏れを回避するためには、レイヤーの最下段に色のついた新規レイヤーを入れておくのがおすすめです。イラストの背景に色があることによって、塗り漏れに気がつきやすくなります。
まとめ
アナログとデジタルではツールの使い方や塗り方などが大きく違っており、それぞれに技術的な難しさがあります。
しかし、アナログもデジタルも共通して、光のさす方向をとらえ影をつけることで立体的なイラストになります。より立体的に見せるためには実物をよく観察し、影のつけ方を学びましょう。